📊 3行サマリー
- サウジ運営のEsports Foundationが2026年「Club Partner Program」40クラブを発表。総額$20M(約31億円)、各クラブ最大$1M(約1.55億円)の支援。
- 日本からはREJECTとZETA DIVISIONが選出。過去3年で累計$100M(約155億円)が世界40クラブに配分、175応募から選ばれた。
- 2025年は40クラブ全体で3億ビュー・1,000万ファン動員、2,000人のSuperfanが現地リヤドへ遠征。7月のEsports World Cup 2026に向け資金が流入。
📝 サウジ系財団、REJECTとZETAに各最大1.55億円。40クラブ31億円規模の支援枠が2026年も継続
サウジアラビア政府系のEsports Foundation(EF)が3月31日、2026年版「Club Partner Program」に選出した40のeスポーツクラブを発表しました。プログラム総額は$20M(約31億円)、各クラブには最大$1M(約1.55億円)の現金支援と、戦略コンサル・国際露出の枠組みが用意されています。
日本からはREJECTとZETA DIVISIONの2チームが2年連続で選出されました。日本のeスポーツ業界として、サウジ資本の年間支援枠に日本2チームが正面から入りました。プログラムは今年で3年目で、2024年・2025年にも同じ2チームが選ばれています。
📰 Arab News報道:「累計100Mドル配分」、175応募から40クラブを選抜
元ネタ:40 clubs selected for Esports Foundation’s $20m Club Partner Program(Arab News / 2026年4月1日)
Now in its third edition, the $20 million initiative builds on a proven framework, combining funding of up to $1 million per club with strategic guidance and international exposure.
EFが公表した数字は具体的です。過去3年でClub Partner ProgramとClub Championshipを合わせ、世界のクラブに直接$100M(約155億円)以上を配分してきました。2026年枠は175件の応募から審査され、8クラブは2025 EWC Club Championshipの最終順位で直接招待、残り32枠が公募で選ばれました。
選出40クラブは欧州9・中国6・北米5・東南アジア4・ブラジル3・ラテンアメリカ2・インド2を含み、日本・韓国・MENA・CIS地域は前回からの継続選出。トルコは初参加で、ZETAとREJECTは日本枠としての固定ポジションが続いています。
🔥 2025年は3億ビュー・1,000万ファン動員、Superfan 2,000人がリヤドへ
EFが発表したインパクト数値は、プログラムの規模を示しています。2025年に参加40クラブが展開したキャンペーンは累計3億ビュー、エンゲージしたファンは1,000万人超、実施イベントは370件以上にのぼりました。世界各地で130のwatch partyが開催され、2,000人を超えるSuperfanがプログラム経由でリヤドのEWC 2025会場へ招待されています。
40クラブ合計のファンベースは3億人超。サウジ財団のeスポーツ投資は、いまや賞金よりもブランド支援+ファン体験への投資へシフトしているとわかります。EF CPO(Chief Product Officer)のFaisal bin Homran氏は、リヤドを「グローバル・eスポーツの首都」と位置づけました。
背景にはEsports World Cup 2026の7月開幕があります。当初リヤド開催予定だった本大会は、5月15日に中東情勢を理由にパリ移転が発表されましたが、Club Partner Programの構造そのものは変わっていません。むしろ開催地がパリへ移ることで、欧州クラブと日本クラブの遠征同時露出がしやすくなる側面もあります。
🇯🇵 JeSUの年間運営費を上回る個別クラブ支援、日本2強の見え方が変わる
日本のeスポーツ業界で見れば、$1M(約1.55億円)という単一クラブへの年間支援は異例の規模です。日本eスポーツ連合(JeSU)の年間運営予算は公開情報を辿る限り数千万円〜1億円台の規模で、REJECTやZETAが単独で受け取る支援額はJeSU全体の予算規模に匹敵します。
REJECTはストリートファイター6・FATAL FURY: City of the Wolves等の格闘ゲーム部門、ZETA DIVISIONはVALORANTを中心としたFPS部門で国内外の実績を持つチームです。両チームともに、サウジ財団の資金は「マーケティング・コンテンツ制作・選手のストーリーテリング」用途と明記されており、賞金ではなくブランド資産を作るための支援だと、EFは公式リリースで書いています。
つまり日本のトップeスポーツチームが海外で見られる時の「見え方」――選手のドキュメンタリー、ファンイベント、ブランディング動画――の制作費が、サウジ財団からの資金で賄われる構造です。日本のスポンサー(GameWith、サイバーエージェント系GLOEなど)と並列でサウジ財団がスタンディングするのは、両チームのファンにとっても見過ごせない変化になります。
🏁 サウジマネーが日本eスポーツ選手の海外キャリアに直結する時代
EFはClub Partner Programについて「Membership does not guarantee qualification for the Esports World Cup 2026.」と明記しており、選出されたから本戦に出られるわけではありません。あくまでブランド支援であり、本戦は各タイトルの予選で勝ち上がる必要があります。
それでも、日本のeスポーツ2強であるREJECTとZETAが、サウジ系財団の年間支援枠に2年連続で固定ポジションを得た意味は重い。日本の競技ゲームファンが「海外で見える日本のeスポーツ」を体験する時、その背後にはほぼ確実にサウジ財団のロゴが入る時代になりました。EWC 2026パリ開催は7月6日から8月23日まで。日本2チームの動きを追うとき、$1M(約1.55億円)の使い道がどう映像化されるかも、追いかける価値があります。


