2026年8月20日 海外メディアとファンの愛を、脚色なしで日本語に @VelleityNote
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【アメリカ】フロム・ソフトウェアのエルデンリング、Switch 2版は8月28日発売。日本の先行プレイ記事は「快適」、それを読んだ海外メディアの評価は割れた

編集部
吉沢まことVelleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
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【アメリカ】フロム・ソフトウェアのエルデンリング、Switch 2版は8月28日発売。日本の先行プレイ記事は「快適」、それを読んだ海外メディアの評価は割れた

3行サマリー

  • フロム・ソフトウェアの『エルデンリング』Nintendo Switch 2版『ELDEN RING Tarnished Edition』は8月28日発売、9,020円(税込)。本編とDLC『SHADOW OF THE ERDTREE』を1本にまとめたオールインワン版です。
  • 8月17日23時に解禁された日本の先行プレイ記事2本は、どちらも「快適に動く」と伝えました。電ファミニコゲーマーは「想像以上にちゃんと動く」、ファミ通.comは「他機種版と遜色ナシ」。
  • ところが同じ映像を見た米CBRは「不安は拭えない」、英Nintendo Lifeは「懸念は過去のもの」と、逆の見出しを付けています。海外の受け止めは、まだ割れたままです。

エルデンリングのSwitch 2版は8月28日発売。日本の先行プレイ記事2本は8月17日23時に同時解禁されました

フロム・ソフトウェアの『エルデンリング』が、8月28日にNintendo Switch 2へ来ます。タイトルは『ELDEN RING Tarnished Edition』。本編と大型DLC『SHADOW OF THE ERDTREE』を1本にまとめ、新しい素性2種(イデスの騎士・重装騎士)や新装備、霊馬トレントの見た目変更を足したオールインワン版です。価格は9,020円(税込)。追加要素だけをまとめた「Tarnished Pack」は、同じ8月28日に他機種向けへ550円(税込)で配信されます。

発売の11日前にあたる8月17日23時、日本のゲームメディア2媒体が先行プレイ記事を同時に出しました。電ファミニコゲーマーとファミ通.comです。両方とも実機で試遊した感想で、結論は同じ方向を向いていました。ちゃんと動く、と。

この2本が、そのまま英語圏のニュースの一次資料になりました。そこから先で、話がねじれます。

米CBRは「不安は拭えない」、英Nintendo Lifeは「懸念は過去のもの」。同じ素材から逆の見出しが出ました

出典New Elden Ring Switch 2 Footage Doesn’t Put Fears To Rest(CBR / 2026年8月17日)

出典Elden Ring Switch 2 Preview Indicates That Performance Concerns Are A Thing Of The Past(Nintendo Life / 2026年8月18日)

the footage of the game running when the Switch 2 is in handheld mode seems to dip below 30 FPS
(携帯モードで動いているときの映像は、30fpsを下回っているように見える)

米CBRのKyle Gratton記者は、電ファミの実機プレイ動画を見たうえで、ドックにつないだ状態でも30fpsが目標のようだ、携帯モードではそれを下回って見える、と書きました。解像度も落ちていて、遠景のオブジェクトの密度は他機種版ほどではない、とも。見出しは「不安は拭えない」です。

その翌日、英Nintendo LifeのOllie Reynolds記者が同じ電ファミの記事を取り上げます。ただしこちらが引いたのは映像ではなく、書き手の言葉のほうでした。「absolutely no lag or stuttering(ラグもカクつきも一切ない)」。見出しは「パフォーマンスの懸念は過去のもの」。記事末には「正直、見事に見える」とまで書いています。

独Notebookcheckは、その中間に立ちました。ファストトラベル後にオープンフィールドへ入ってもカクつきが見当たらないのは、以前の映像から明確に良くなった点だと評価しつつ、激しいボス戦ではフレーム落ちが出ている、と指摘しています。同じ11日間に、同じ2本の日本語記事から、3通りの結論が出たわけです。

日本の2媒体は数値を出さずに「体感」で書き、海外はオフスクリーン映像からフレームレートを数えました

なぜ割れたのか。読み比べていくと、書き方の前提がそもそも違うことが見えてきます。

電ファミの筆者は、本文でこう断っていました。「FPSなど具体的な数値ではなくあくまで体感となってしまうが」。そのうえで、リムグレイブの雑魚戦、トレントに乗っての移動、飛竜アギール戦と順に試し、いずれも問題なかったと書いています。数字として出したのはフレームレートではなく、ファストトラベルの所要時間でした。TVモードで約10秒、携帯モードで約13秒。ファミ通も同じ方向で、「他機種版との違いはほとんど感じられなかった」「ロード時間はプレイステーション5版よりは少し長い」と、体感の言葉で並べています。

日本側は、引っかかりを隠したわけでもありません。電ファミは携帯モードについて、ロード明けの一瞬だけフィールドの読み込みが起きること、雑魚敵が30体ほど密集する場所で敵の挙動が「本当に少しだけ」カクついたことを、きちんと書き添えています。注視していないと気付かない程度、という但し書き付きで。

いっぽう海外側が見たのは、その体感の言葉と、テレビ画面を外から撮ったオフスクリーンの動画でした。数値がないので、映像からフレームを数えるしかありません。CBRは「オフスクリーン撮影から断定するのは不可能」と自分で認めたうえで、それでも30fpsという見立てを出しています。Notebookcheckにいたっては、電ファミ公式チャンネルの実機プレイ動画を「leaked recordings(流出した録画)」と書いてしまっていました。公式に許諾を得た先行プレイの映像なのですが、日本語の文脈が抜けると、こう読まれることもあるのですね。

比較の基準も違います。海外の記事が繰り返し持ち出すのは、プレイステーション5とXbox Series Xには60fpsのパフォーマンスモードがあるのに、Switch 2版にはない、という点でした。近いのはSteam Deckで、あちらは1280×800で30fpsに届いている、と。日本の記事はそもそもフレームレートを軸にしていないので、この比較は出てきません。同じゲームの話をしているのに、物差しが違う。個人的には、ここが一番おもしろいところだと感じました。

言葉そのものも少し形を変えています。電ファミの日本語は「思わず口が開いてしまうほど度肝を抜かれた」でした。英語圏で流通したのは「utterly speechless」。日本語の「口が開く」は驚きで開くほうですが、speechlessは言葉を失うほう。近いようでいて、驚きの向きが少しずれています。こうしたずれが積み重なった先に、逆向きの見出しが生まれたのだと思います。

海外ファンの関心はフレームレートより、80ドルの価格とカートに本編が入っていないこと

では読者側はどこを見ているのか。Nintendo Lifeのコメント欄には、公開から1日で90件が並びました。目立ったのはフレームレートの議論ではなく、別の2点です。

ひとつは、延期を評価する声。「あの状態のまま出して逃げることもできたのに、そうしなかった」「オーブンで長く焼いた結果がこれ」といった書き込みが並んでいました。『エルデンリング』Switch 2版は、2025年のgamescomでの実演が海外で酷評され、2025年10月に「パフォーマンス調整にさらなる時間が必要であると判断」として2026年へ延期された経緯があります。その1年を、少なくともコメント欄は肯定的に受け止めているように見えました。

もうひとつは、お金とパッケージの話です。北米価格は79.99ドル。「新作が控えているなかで、4年前のゲームに80ドルは重い」「DLC抜きで買えたらよかった」という声がありました。さらに本作はGame-Key Card方式で、カートリッジに本編データが入っていません。「カートに本編を入れてくれていたら初日に買っていた」という書き込みもあり、物理で持っておきたい層の不満がここに集まっています。

フレームレートを心配しているのはメディアで、読者はもう値段と保存形式の話をしている。この温度差も、記事を読み比べていて印象に残りました。

答え合わせは8月28日。gamescomで「災害」と呼ばれた1年前からの距離が測られます

日本のゲームメディアが出した先行プレイ記事が、そのまま英語圏の一次資料になる。この構図自体は珍しくありませんが、今回はそこで結論が反転しました。体感で書かれた日本語の記事から、海外メディアが数値を読み取ろうとして、読み取れる人と読み取れない人に分かれた、というのが実際のところだと思います。

どちらが正しかったかは、8月28日にはっきりします。製品版が出れば、フレームレートを実測する海外の検証チャンネルが必ず動きますし、そこで出る数字は体感でも推測でもありません。1年前に「災害」とまで書かれたところから、どこまで来たのか。その距離が数字で示される日でもあります。

日本で待っている人にとっては、いま出ている情報だけで結論を出す必要はありません。すでに他機種版で狭間の地を歩いた人には、電ファミもファミ通も同じことを書いていました。携帯モードで寝転がって遊びたい、といった理由がないなら、無理に買い直す必要はない、と。追加要素だけなら550円で手元の機種に来ます。急ぐ理由は、正直あまり見当たりません。

フロム・ソフトウェアはこのあと、Switch 2独占の新作『The Duskbloods』も控えています(関連記事:【中国】フロム・ソフトウェア宮崎英高のSwitch 2独占ダスクブラッズ、今夏テスト決定。中国の事前期待は時のオカリナに次ぐ2位)。8月28日の評価は、その先の期待値にもそのまま乗っていくはずです。

編集部
吉沢まこと
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

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