📊 3行サマリー
- 世界最大のメタルフェス「ヴァッケン・オープン・エア」(例年約8万5000人動員)が、35回目となる2026年版(7月29日〜8月1日)のタイムテーブルを公開
- 初日のファスターステージを16時に開ける一番手は日本のLOVEBITES。同日12時にはBROKEN BY THE SCREAMも登場し、日本勢2組が幕開けを担う
- BROKEN BY THE SCREAMは米名門Metal Blade Recordsと契約済みで、今夏は9カ国13公演の欧州ツアー。日本メタルの欧州定着が数字で見える年に
📝 ヴァッケン35回目のタイムテーブル公開。ファスターステージの幕開けはLOVEBITES
ドイツ北部の人口2000人足らずの村ヴァッケンで毎年開かれる世界最大のメタルフェス「Wacken Open Air(ヴァッケン・オープン・エア)」が、35回目となる2026年版のタイムテーブル第1弾を公開した。開催は7月29日から8月1日までの4日間。ヘッドライナーにはジューダス・プリースト、デフ・レパード、パワーウルフといった大物が並ぶ記念の年だ。
その初日、主要ステージのひとつ「ファスターステージ」を16時に開ける一番手として名前が載ったのが、日本の女性5人組メタルバンドLOVEBITESだった。同じ初日の12時には、スクリームとアイドルの歌声を行き来する4人組BROKEN BY THE SCREAMもラウダーステージに立つ。例年約8万5000人が集まる「メタルの聖地」の幕開けを、日本勢2組が受け持つことになる。
📰 独VISIONS報道「ファスターステージは水曜16時、Lovebitesが開ける」
元ネタ:Wacken Open Air veröffentlicht Timetable für 2026(VISIONS / 2026年5月21日)
Die Faster-Stage wird am Mittwoch um 16 Uhr von Lovebites eröffnet, später spielen dort unter anderem noch The Butcher Sisters und Hämatom.
(訳:ファスターステージは水曜16時、Lovebitesによって幕を開ける。その後はThe Butcher SistersやHämatomらが続く)
ドイツの老舗音楽誌VISIONSだけでなく、機材メディアのbonedoやフェス情報サイトMetalogyも、タイムテーブル公開のニュースでLOVEBITESの名前を初日の顔として挙げた。現地メディアの扱いは「数ある出演者の一組」ではなく、開幕の役者そのものだ。
🔥 2018年「日本人女性バンド初出演」から8年、結成10周年での大抜擢
LOVEBITESがヴァッケンに立つのは2018年以来。当時は「日本人女性だけのメタルバンドとして初出演」という記録づくめの登場だった。その後オーストリアの名門レーベルNapalm Recordsと契約し、ベースのmiho脱退と活動休止(2022年)、新メンバーFamiを迎えての再始動(2023年)を経て、2026年は結成10周年にあたる。
今回の出演自体は3月11日、49組をまとめた追加発表の一組として告知されていた。それが5月のタイムテーブル公開で「初日のステージ一番手」と判明した格好だ。フェスのオープナーは単なる前座ではない。開場直後になだれ込む数万人を最初に受け止める役で、主催者が「客を呼べる」と判断したバンドにしか回ってこない。
🎤 もう1組のBROKEN BY THE SCREAMは米Metal Blade契約。今夏9カ国13公演
同じ初日に出るBROKEN BY THE SCREAMは2016年結成の「スクリーミング・アイドル」。デスボイスの低音グロウルと、アイドル然としたクリーンな歌声を1曲の中で往復するスタイルが海外のメタルファンの間で評判を呼び、2026年にはスレイヤーを世に出した米国の老舗レーベルMetal Blade Recordsとの契約を発表した。
今夏の欧州ツアー「Screaming Rebellion」は9カ国13公演。ドイツ国内だけでヴァッケン、サマーブリーズ、リロードと3つの大型フェスを回る行程で、昨夏スペインのResurrection Festで好評だった生バンド編成を今回も帯同する。日本のアイドル文化とエクストリームメタルの掛け算が、ドイツの夏フェス3冠という形で受け入れられた。
🇯🇵 BABYMETALのRock am Ringに続き、独フェスで日本勢が「定番枠」に
2026年のドイツは日本の音楽勢にとって当たり年だ。6月5日にはBABYMETALが独最大級のRock am Ringに出演し、9月17日には『鬼滅の刃』主題歌のLiSAがデュッセルドルフで初の単独公演を開く。そこに7月のヴァッケン日本勢2組が加わる。ドイツのロックフェスにおける日本のバンドは、もはや「珍しい来客」ではなく毎年のラインナップに組み込まれた定番枠になりつつある。
面白いのは規模の逆転現象だ。LOVEBITESもBROKEN BY THE SCREAMも、日本国内ではホールやライブハウスを主戦場にするバンドだが、欧州では数万人規模のフェスのステージに立つ。国内の動員力と海外での評価が必ずしも一致しない。この構図は、かつて中東で国民的人気を得たアニメや、欧州でだけ売れ続けるシティポップと同じ「日本コンテンツの飛び地ヒット」の系譜にある。
🏁 完売神話が崩れた35回目、初日16時の客入りが次の日本勢ブッキングを決める
ひとつ気がかりな数字もある。例年は発売とほぼ同時に完売してきたヴァッケンのチケットが、今年はまだ買える状態が続いている(キャンプ込み351ユーロ)。35回目にして残券ありという異例の年は、主催者にとって集客力を再点検する年でもある。
その年の初日一番手に日本のバンドを置いたのは、正直かなり攻めた采配だと思う。7月29日16時、ファスターステージの前にどれだけの観客が集まるか。その光景が、来年以降のドイツのフェスが日本勢に差し出す枠の大きさを決めることになる。


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