【ドイツ】ヒロアカ「You Say Run」10周年版、日本の曲の国別チャートでドイツ2位。歌うのは地元のバンド、海外ファンは賛否

3行サマリー
- アニメ『僕のヒーローアカデミア』の劇伴「You Say Run」10周年版が、Billboard JAPANの国別の日本の楽曲チャートでドイツ2位、フランス8位、イギリス10位に入った(集計期間は9月25日〜10月1日)
- 英語の歌を乗せたのはドイツのバンド、Electric Callboy。9月22日の配信から3週間で、YouTubeの公式音源は26万回再生を超えた
- ヒロアカファンのRedditでは「歌詞のない曲に歌を足すのは難しい」という否定的な声が最多で、ドイツ2位はバンドの地元の後押しが大きい
ヒロアカ「You Say Run」10周年版、日本の曲の国別チャートでドイツ2位
アニメ『僕のヒーローアカデミア』の劇伴として知られる林ゆうきの「You Say Run」が、10周年版として海外のチャートに入りました。Billboard JAPANが10月8日に発表した、国・地域別に日本の楽曲を集計するチャートで、ドイツ2位、フランス8位、イギリス10位です。集計期間は9月25日から10月1日まで。
この週のドイツ1位はTERIYAKI BOYZ「TOKYO DRIFT (FAST & FURIOUS)」で、「You Say Run」はそのすぐ下につけました。フランスとイギリスの1位は、同じ週に海外の日本の曲チャート全体で初の首位を取ったKroi「SPIN」です。
10周年版は、原曲にドイツのバンドElectric Callboyのボーカル2人が英語の歌を乗せたもの。9月20日にロンドンで開かれた「My Hero Academia IN CONCERT」で初披露され、9月22日に世界同時配信されました。
Billboard JAPAN発表:「ドイツで2位、フランスで8位、イギリスで10位」
出典:【ビルボード】Kroi「SPIN」4か国で日本語曲トップ 『ヒロアカ』10周年記念歌唱曲もトップ10入り(エンタメOVO / 2026年10月8日)
出典:My Hero Academia 10th Anniversary ‘You Say Run’ by Yuki Hayashi and Electric Callboy Begins Streaming September 22(Final Weapon / 2026年9月21日)
当週、ドイツで2位、フランスで8位、イギリスで10位入りした。
チャートの順位はBillboard JAPANの集計によるものです。配信日やロンドン公演での初披露、メンバーのコメントは、東宝の発表を伝えたFinal Weaponの記事に拠っています。
ドイツで上位に入ったのは、歌ったのがドイツのバンドだったから
ドイツの順位を押し上げたのは、ヒロアカの人気というより、歌い手のElectric Callboyの地元での人気です。ドイツ西部カストロプ=ラウクセル出身で、母国での人気が高いバンドです。そのファンが「Electric Callboyの新曲」として聴いた分が、日本の楽曲チャートにそのまま積み上がった、と私は受け止めました。
では、なぜアニメの劇伴にドイツのバンドが呼ばれたのか。海外の音楽メディアは、林ゆうきの「この曲に歌詞があったらどうなるか」という発想が出発点だったと伝えています。ヒロアカが世界で見られている作品であることから歌詞は英語になり、歌い手には、エレクトロとメタルコアを混ぜた音で知られるElectric Callboyが選ばれました。
メンバーのケヴィン・ラタイチャクはこのメロディーを「力強く、気分を上げてくれる」と評し、ニコ・ザラッハは制作を「純粋に楽しかった」と振り返っています。
再生数も見ておきます。YouTubeの公式音源(Yuki Hayashi – Topic、9月21日19時公開・日本時間)は、10月13日9時の時点で26万2,076回再生、高評価は6,149件でした。
ヒロアカファンのRedditは賛否、最多票は「劇伴に歌を足すのは難しい」
ヒロアカのファンが集まるRedditのr/MyHeroAcadamiaでは、配信当日の9月22日に「10周年版、どう思う?」というスレッドが立ちました。賛成票は77、コメントは32件です。
いちばん支持を集めたコメント(20票)は否定的でした。「正直かなりひどい。でも責められない。もともと歌がない曲に歌詞をつけて、無理やり押し込んだように聞こえさせないのは簡単じゃない」という内容です。続くコメント(6票)も「ボーカルが曲を覆ってしまい、You Say Runらしく聞こえない」と指摘し、同じ林ゆうきの劇伴に歌詞をつけた「Might+U」でも同じ問題があったと書いています。
ロンドン公演の会場にいたという投稿者(5票)は、誰が歌うのか観客の期待が高まったところでElectric Callboyの名前が出た場面を「なかなか面白かった」と振り返っています。
一方、バンド側のr/ElectricCallboyでは、発表を伝えるスレッドが53票を集めました。最多票のコメント(13票)は「無料で聴ける曲に文句を言う人たちの声が今から楽しみ」。曲の評価よりも、アニメファンの反発を先回りした書き込みです。両方のスレッドを並べると、ヒロアカファンの間では否定的な声が目立ち、バンドのファンの間では好意的な声が目立ちます。同じ曲なのに、どちらの入口から聴いたかでここまで受け止め方が分かれるのは、少し意外でした。
日本の劇伴がドイツで2位に入るには、地元のバンドとの共演が近道だった
今回の順位は、日本のアニメ音楽が海外のチャートに入る方法を一つ示しています。原曲のファンだけでなく、共演した海外アーティストのファンが聴けば、その国の日本の楽曲チャートは大きく動きます。ドイツ2位、フランス8位、イギリス10位という並びは、歌い手の地元が最も強く、周辺国にも届いたという順番どおりです。
ただし、それはヒロアカのファンが曲を歓迎したことを意味しません。Redditの最多票が示すように、劇伴に歌を足すこと自体への抵抗は根強くあります。10周年企画は2027年に東京と大阪で開かれる展覧会「OUR HERO」へ続きます。次に日本の作り手が海外のアーティストと組むとき、問われるのはこの順位ではなく、原曲のファンを納得させられるかどうか。個人的には、そこまで含めて見届けたいと感じています。
