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【アメリカ】元ソニー平井一夫氏、PS時代は本社の指示に従わなかったと明かす。r/PS5で1,713票、最多支持は「PS自体が久夛良木氏の反骨の産物」

吉沢まこと
Velleity Note 編集長
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【アメリカ】元ソニー平井一夫氏、PS時代は本社の指示に従わなかったと明かす。r/PS5で1,713票、最多支持は「PS自体が久夛良木氏の反骨の産物」

3行サマリー

  • 元ソニー社長の平井一夫氏が、日経クロストレンドの対談(前編は2026年9月25日公開)でソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)社長時代を振り返った
  • 英語圏メディアのGameObserverが「本社の指示に従わなかった」くだりを紹介し、RedditのPS5コミュニティr/PS5で投稿が1,713票・コメント149件を集めた(10月13日朝時点)
  • 最も支持されたコメント(837票)は「PlayStationはそもそも久夛良木健氏が本社に従わなかったから生まれた」という指摘だった

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平井一夫氏、SCE社長時代は本社の指示より「PlayStation」を優先したと語る

ソニーグループの元社長兼CEOで、現在は一般社団法人プロジェクト希望の代表理事を務める平井一夫氏が、トリドールホールディングスの粟田貴也社長との対談で、SCE社長時代に本社の指示を聞き流していたと明かしました。対談は日経クロストレンドで前中後編の3回に分けて掲載されています。

この話が海外に届いたのは、英語圏のゲームメディアGameObserverが10月11日(日本時間同日夜)に英訳つきで紹介してからです。翌12日にはRedditのPS5コミュニティr/PS5に転載され、PlayStationの成り立ちそのものを語り直すスレッドになりました。

GameObserver「本社の言うことは関係ない、我々はPlayStationだ」と英訳で紹介

出典:元ソニー平井氏×トリドール粟田社長 2人に共通する経営哲学は「感動」(日経クロストレンド / 2026年9月25日)

出典:Former PlayStation Boss Kaz Hirai Admits He Used To Ignore Orders From Sony HQ(GameObserver / 2026年10月11日)

“What the headquarters says is irrelevant. We are PlayStation”

GameObserverによると、平井氏はSCEで家庭用ゲーム機事業を率いていた当時、ハワード・ストリンガー氏ら本社の経営陣から何か言われるたびに「本社の言うことは関係ない、我々はPlayStationだ」と自分の道を進んだと笑いながら振り返っています。この発言部分は日経クロストレンドの有料部分にあたるため、上の日本語はGameObserverの英訳から当編集部が訳し戻したもので、原文の言い回しとは異なる可能性があります。

日経クロストレンドの無料公開部分では、2012年に社長へ就いた当時のソニーが過去最悪の赤字に陥っていたこと、社員が「いつハシゴを外されるか分からない」と不安な目で平井氏を見ていたことが語られています。GameObserverは続けて、平井氏が社長在任中に20カ国以上・50都市近くの拠点を回り、2度目に訪れた拠点で「本当にまた来たよ、このおじさん」と驚かれたという逸話も紹介しました。

r/PS5で1,713票、最多支持は「PS自体が久夛良木健氏の反骨から生まれた」

r/PS5のスレッドは10月12日11時35分(日本時間)の投稿から約20時間で1,713票、コメント149件に達しました(13日朝の当編集部観測)。平井氏個人への反応よりも、PlayStationというブランドの成り立ちに話題が広がったのが特徴です。

  • 837票(最多):PlayStationはそもそも久夛良木健氏がソニー本社の指示に従わなかったから生まれた、という指摘
  • 469票:平井氏がいた頃のPlayStationには個性があった。退任後は魂のない大企業になったように感じる、という懐古
  • 115票:平井氏は著書でもこの話をしていて、エレクトロニクス部門が作りたがった製品を気に入らなければ断り続けた、という補足
  • 79票:久夛良木氏の退任後にPS3を立て直したのは、米国法人のジャック・トレットン氏やアンドリュー・ハウス氏の値下げと独占タイトル継続だった、という反論
  • 57票:最近の元PlayStation幹部はみんな「やんちゃ話」をしたがる、という冷やかし

上位のコメントは平井氏の発言を、PlayStation創業期から続く「本社と距離を置く文化」の一例として読んでいます。平井氏本人より先に久夛良木氏の名前が挙がる流れは、個人的にも印象的でした。一方で、PS3の立て直しを平井氏ひとりの功績にしない声も一定の票を集めており、手放しの称賛一色ではありません。

なぜ海外ファンは平井氏の話を「久夛良木氏の物語」として受け取ったのか

海外ファンがこの発言を久夛良木氏に結びつけたのは、PlayStationが本社の反対を押し切って生まれたという誕生の経緯が、英語圏でもよく知られているからです。久夛良木氏は社内に慎重論があるなかでゲーム機開発を進め、1993年にSCEが設立され、初代PlayStationは1994年12月3日に日本で発売されました。

では、なぜ今その話が蒸し返されたのか。コメント欄には、PS5 Proが900ドルを超える価格で売られている現状に触れる声や、「だから昔のPlayStationは良かった」という短い書き込みも並びました。現在のソニーのゲーム事業を「大企業らしい」と受け止める層にとって、平井氏の発言は、本社に逆らってでも自分たちの色を守ったかつてのPlayStationを思い出すきっかけになったわけです。最多支持のコメントが平井氏ではなく久夛良木氏の名を挙げたのは、ファンが懐かしんでいるのが特定の経営者ではなく、本社と一線を引いていた時代のPlayStationそのものだからです。

ソニー本社とPlayStationの距離感は、日本のゲーム史の核心でもある

この反応は、日本企業の社内力学が海外ファンにブランドの物語として消費されていることを示しています。平井氏は2012年の社長就任後、グループ全体に「KANDO(感動)」という共通の目標を掲げてソニーを立て直しました。ところが海外の反応は、その平井氏自身が本社の指示を退けた側にいたという逆説に集中しました。

日本では、平井氏は「ソニー再生の経営者」として語られることの多い人物です。それが海外のPlayStationファンにとっては、今も「PlayStationの人」なのですね。対談は中編と後編が控えていて、SCE時代の本社とのやり取りがさらに語られる余地があります。英訳が出れば、同じ議論がまた起きる下地は今回のスレッドではっきり見えました。

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吉沢まこと
Velleity Note 編集長(EIC)・エディトリアルディレクター

Webデザイナー、雑誌出版社のWebディレクター、コンテンツマーケター、Web広告プランナーを経て、現在は愛知県の業界No.1企業のインハウスのAIプロダクトマネージャー兼データサイエンティスト。Velleity Noteでは編集長としてメディアの編集方針を定めるとともに、AIとの共著で記事を制作する自動化ワークフローの設計とシステム開発を手がけている。