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【アメリカ】任天堂『スマブラDX』の北米大会、優勝は現役の整形外科医。2001年の日本製ゲームに今も512人が集まる

編集部
吉沢まことVelleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
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【アメリカ】任天堂『スマブラDX』の北米大会、優勝は現役の整形外科医。2001年の日本製ゲームに今も512人が集まる

3行サマリー

  • 8月2日、カナダ・ミシサガで開かれた『大乱闘スマッシュブラザーズDX』の北米メジャー「Get On My Level 2026」を、512人のエントリーを勝ち抜いて制したのは31歳の整形外科レジデントでした。
  • ピーチ使いのメジャー優勝は、2018年にArmadaがSuper Smash Conを制して以来8年ぶり。決勝がマリオシリーズのキャラクターだけで争われたのも、スマブラのメジャーでは初めてです。
  • 初出場は2005年、10歳のとき。21年目でつかんだ初優勝が、2001年に日本で発売された任天堂のソフトが今も512人規模の大会を成立させている事実を映しています。

31歳の整形外科レジデントが、スマブラDXの北米メジャーで初優勝した

専業のプロが並ぶ大会の頂点に、平日は病院にいる医師が立ちました。8月2日、カナダ・オンタリオ州ミシサガで行われた『大乱闘スマッシュブラザーズDX』の北米メジャー「Get On My Level 2026」(GOML 2026)で、アージュン・マルホトラ選手(ハンドルネーム lloD)が512人のエントリーを勝ち抜いて優勝しました。31歳。オクラホマ州立大学で整形外科のレジデント(専攻医)を務める、現役の医師です。

大会全体の来場者は1,010人。スマブラDX部門の頂上決戦は、勝者側から上がったlloD選手と、敗者側から復活したRapMonster選手の顔合わせになりました。1本目はRapMonster選手が3対1で取ってブラケットをリセット。仕切り直しの2本目を、lloD選手が最終第5試合の残り1ストックで制しています。決勝までの道のりでは、トップ8進出をかけてジグリパフ使いのHungrybox選手を0対2から3対2でひっくり返し、フォックス使いのmoky選手も倒しました。

Dexerto報道:512人を勝ち抜いた「Dr. lloD」、ピーチのメジャー制覇は8年ぶり

出典An actual doctor just won a major Super Smash Bros Melee tournament(Dexerto / 2026年8月4日)

出典Tournament:Get On My Level 2026(SmashWiki / 2026年8月)

Arjun ‘lloD’ Malhotra, an orthopedic surgery resident and longtime Peach main, won the 512-player tournament in Toronto, Ontario.
(整形外科のレジデントで長年のピーチ使い、アージュン・マルホトラが512人規模の大会を制した/編集部訳)

lloD選手が使うのはピーチです。スマブラDXの競技シーンでは、フォックスやマルスといった上位キャラクターが長く結果を独占してきました。ピーチ使いがメジャーを制したのは、2018年にArmada選手がSuper Smash Conを勝って以来、8年ぶりになります。

10歳で初参戦、21年目の戴冠。決勝は史上初の「マリオ勢だけ」

lloD選手が初めて大会に出たのは2005年、10歳のときでした。スマブラの記録を追っているアンドリュー・ネスティコ氏(PracticalTAS)はX上で、今回の決勝が「片方の選手の競技歴が、もう片方の選手の年齢より長い、メジャー史上初のグランドファイナル」だったと指摘しています。相手のRapMonster選手は2006年生まれ。lloD選手が最初のトーナメントに出た翌年に生まれた計算です。

キャラクターの組み合わせも珍しいものでした。ピーチ対ルイージ。スマブラDXのメジャー決勝がマリオシリーズのキャラクターだけで争われたのは、これが初めてです。SmashWikiによれば、決勝に進んだ2人ともメジャー未優勝という状況も、2024年のDon’t Park on the Grass以来でした。

lloD選手は優勝後、Xに「どうやら自分はスマブラシリーズ全体で最年長の初メジャー優勝者らしい」と書き、「老いた医者にも新しい芸は仕込める」と続けています。医学の学位に加えて修士号を2つ持ち、博士号も取得間近だと本人が明かしました。「らしい」という書き方のとおり、最年長記録そのものは競技団体が公式に認定したものではありません。

Redditのゲーム板で8,400票超、「専業勢に勝った現役の外科医」に驚きが集まった

この一報は、Redditの大型コミュニティ r/gaming でも大きく伸びました。編集部が8月5日に確認した時点で、投稿には8,400票を超える支持と400件を超えるコメントがついています。以下は寄せられた反応の要旨で、いずれも意訳です。

身元がはっきりしている発信としては、先のネスティコ氏の投稿と、本人のX投稿の2つがあります。匿名のコメント欄では、「フルタイムで外科の現場に立ちながら、専業のプレイヤーに勝ったのがすごい」という受け止めが目立ちました。「医者が趣味を持っていて何が悪い」という声に対して、「難しいのは趣味を持つことではなく、その状態で勝つほうだ」と返す流れも見られます。ピーチ使いとしてのlloD選手を以前から知るファンからは、単に「ついに」という短い反応が並びました。

2001年発売の任天堂ソフトが、四半世紀たっても競技シーンを回している

『大乱闘スマッシュブラザーズDX』が日本で発売されたのは2001年11月、ニンテンドー ゲームキューブのソフトとしてでした。任天堂はその後もWii、Wii U、Switchで続編を出しています。それでも25年近く前のこの一本に512人が集まり、1,000人規模の会場が動きました。

GOMLはメーカー主催の公式大会ではなく、コミュニティが運営する大会です。日本のメーカーが作ったソフトが、開発元の手を離れた場所で四半世紀にわたって競技として生き延びている。日本のゲーム産業が海外に残した資産の性質を考えるとき、この事実は数字以上に重いと受け止めました。今の日本のタイトルで、25年後に海外の誰かが自腹で会場を借りて500人集める姿を想像できるものが、どれだけあるでしょうか。

eスポーツの主役は専業の若手だけではない、と示した一勝

eスポーツの話をするとき、つい「若さ」と「専念」を前提に置いてしまいます。10代で頭角を現し、他をすべて捨てて練習に充てる。その像から一番遠い場所にいた31歳の医師が、512人の頂点に立ちました。しかも21年かけて。

日本でも格闘ゲームの現場には、梅原大吾選手のように長く第一線に立ち続ける例があります。ただ、そのほとんどは専業のプロです。本業を別に持ったまま大型大会を勝ち切る形は、まだ多くありません。

eスポーツの大会運営は、時間を無限に差し出せる人を前提に組まれてきました。GOML 2026も7月31日の金曜から8月2日の日曜まで3日連続の日程で、遠征費はプレイヤーの自己負担です。専業でなければ、この条件は単純に重い。lloD選手の一勝は美談として消費されやすいのですが、同じことができる人がほとんどいない構造のほうも、あわせて見ておきたいと思っています。競技シーンの入り口と出口を両方広げる話でもあるので、続く2人目が出てくるかどうかを見ていきます。

編集部
吉沢まこと
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

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