【アメリカ】マーベル格闘ゲーム『MARVEL Tōkon』、Steam好評率40%。低評価の矛先は日本のアークシステムワークスではなくソニー
最終更新

3行サマリー
- アークシステムワークスが開発した『MARVEL Tōkon: Fighting Souls』が8月6日に発売。Steamの好評率は3,950件中1,595件で40.4%(2026年8月10日13時8分・日本時間に確認)
- 言語別では英語の3,173件が好評率38.6%と最も厳しく、ドイツ語の37件だけが73.0%で「おおむね好評」
- 日本語のレビューは43件。開発は横浜のアークシステムワークスだが、低評価の多くが名指ししているのは販売元のソニー
発売4日目のSteam好評率は40.4%、3,950件のうち2,355件が低評価
マーベルのヒーローを4対4で戦わせる格闘ゲーム『MARVEL Tōkon: Fighting Souls』が、8月6日にPS5とSteamで同時に発売されました。開発は『ギルティギア』『ブレイブルー』『ドラゴンボール ファイターズ』を手がけてきた横浜のアークシステムワークス。販売はソニー・インタラクティブエンタテインメントです。
発売から4日目にあたる8月10日13時8分(日本時間)、Steamのストアページでレビュー集計を確認しました。総数3,950件のうち好評が1,595件、不評が2,355件。好評率は40.4%で、Steamの表示は「賛否両論」です。日本での価格は7,980円。
ただ、低評価のレビューを順に読んでいくと、ゲームそのものを否定している人はほとんどいませんでした。むしろ「面白い」と書いたうえで不評を付けている投稿が目立ちます。
Kotakuは「44%」、PC GamerはLinux利用者の不満を伝えた
出典:Marvel Tōkon Launches To Abysmal 44% Rating On Steam(Kotaku / 2026年8月7日)
出典:Marvel Tōkon: Fighting Souls sees mixed Steam rating due to litany of technical problems(PC Gamer / 2026年8月7日)
Kotakuは発売初日のSteam同時接続者数を24,498人と報じています。同じアークシステムワークスの『ドラゴンボール ファイターズ』が2018年に記録した44,303人の、およそ半分です。PC Gamerは同じ日、Linux利用者からの不満がとくに強いと伝えました。
アークシステムワークスは8月7日、公式アカウントで次のように投稿しています。
We’re aware that some PC players are experiencing performance issues. The team is actively investigating these reports.
(一部のPCプレイヤーに動作の問題が出ていることは把握しています。チームが現在この報告を調査中です)
不満はプレイステーションのアカウント必須、CPU占有、Linux非対応の3点に集まった
低評価の理由は、読み進めるうちに3つに絞られました。
まず、遊ぶのにプレイステーションのアカウント登録が要ること。PC Gamerは、2024年5月に『HELLDIVERS 2』が同じ仕様で炎上した一件を引き合いに出しています。次に動作の重さ。ゲームを起動するとソニーのPC向け開発キットが複数立ち上がり、CPUを大きく食うという報告が相次ぎました。Kotakuの記者もベータ版のテストで、CPU使用率が95%を超え、メモリを5,000MB近く使う場面があったと書いています。
そして3つ目がLinuxでした。Steamのストアページの対応OS欄には、いまもWindowsしか記載がありません。カーネルレベルで動く不正対策ソフトのせいで、SteamOSやSteam Deckでは起動しないという投稿が並んでいます。PC Gamerは、同じ不正対策を使っている『ドラゴンボール ファイターズ』はLinuxで動くのに、と指摘しました。
プレイステーションのアカウント必須は、この作品にずっとついて回ってきた話でもあります。発売前には、プレイステーションのサービスが提供されていない国では買えないという問題が起きていました(【フランス】マーベル新作格闘ゲーム、132カ国で購入不可に)。同じ仕様が、今度は発売後に別の形で跳ね返ってきた格好です。
言語別に見ると英語は38.6%、ドイツ語の37件だけが73.0%
ここからは、こちらでSteamの公開データを言語別に集計した結果です(2026年8月10日13時8分・日本時間、取得元は上記のストアページ)。
- 英語 3,173件/好評率38.6%(やや不評)
- 簡体字中国語 93件/36.6%(やや不評)
- ポルトガル語(ブラジル) 117件/38.5%(やや不評)
- スペイン語 131件/44.3%(賛否両論)
- フランス語 105件/48.6%(賛否両論)
- 日本語 43件/46.5%(賛否両論)
- ドイツ語 37件/73.0%(おおむね好評)
レビュー全体の8割が英語で、その英語がいちばん厳しい。逆に、主要言語のなかで唯一「おおむね好評」に届いたのがドイツ語でした。37件しかないので数字の重みは軽く、たまたまと言われればそれまでです。ただ、ドイツ語のレビューには「最高設定でまったく問題なく動く」「シェーダーの事前読み込みをしていないのでは」といった内容が並んでいて、動作の問題に当たらなかった人の声が集まっているのは確かでした。同じゲームでも、手元のPCで動くかどうかで評価が正反対に割れています。
英語の不評レビューは「アークのせいではない」と書いてから販売元を責めている
日本のプレイヤーとして気になったのは、批判の向き先です。
参考になったと評価された英語の不評レビューを上から読むと、「ゲーム自体は素晴らしい」「アークのせいではない」と前置きしてから、アカウント必須と開発キットの多重起動を挙げる書き方が繰り返し出てきます。開発元をかばったうえで販売元だけを名指しする、かなり強い言い回しの投稿もありました。個人のレビューなので投稿者名は出しませんが、こうした受け止めが上位に固まっているのは、Steamのレビュー欄を開けばすぐわかります。
日本語のレビューも論調は同じでした。「トレーニングモードは問題なく楽しめるのに、格闘ゲームで最も大事なオンライン対戦がカクカクで話にならない」「内容は面白いだけに残念」。中身は認めたうえで、今は勧められないという書き方です。
その日本語レビューが43件しかない点も、正直なところ意外でした。開発しているのは日本のスタジオで、日本語の情報もそろっているのに、Steam版の日本語話者は英語圏のおよそ74分の1です。日本の格闘ゲーム人口の多くがPS5側にいる、という単純な話なのだと思います。発売前に紹介したときも、本命はPS5でした。
日本のスタジオが作った中身は守られ、削られたのは売り方の評価
発売から4日で好評率40.4%という数字だけを見ると、日本のスタジオの新作が海外で受け入れられなかったように読めます。でも中身をたどると、削られているのはゲームの評価ではなく、アカウント登録と動作環境という売り方の部分でした。海外のプレイヤーが「アークのせいではない」と何度も書き添えているのが、その証拠だと受け止めています。
アークシステムワークスは調査中と表明したきりで、8月10日13時の時点でも修正の時期は示されていません。格闘ゲームは発売直後にどれだけ人を集められるかが、その後の対戦環境まで左右します。パッチが間に合うかどうかで、この40.4%が汚点で終わるか通過点で終わるかが決まると思います。
【追記 2026/08/14】アークシステムワークスは8月10日、約10GBの修正パッチを配信しました。対戦中に突然フレームレートが落ちる不具合は、ゲームのループ処理のなかでWindowsに接続中の音声入力デバイスを繰り返し問い合わせていたことが原因だったと説明しています(MARVEL Tōkon: Fighting Souls – Patch Update 8/10/2026/Steam公式ニュース・2026年8月10日)。
8月14日17時(日本時間)に、本文と同じ手順でSteamの公開データを取り直しました。レビュー総数5,260件のうち好評2,552件で、好評率は48.5%。執筆時の40.4%から8.1ポイント戻っています。パッチ後に増えた1,310件だけを取り出すと好評は957件で、この区間の好評率は73.1%でした。言語別では英語47.4%(4,208件)、フランス語56.0%(141件)、日本語51.3%(76件)、ドイツ語70.5%(44件)で、ドイツ語だけが「おおむね好評」のまま変わっていません。ただし、プレイステーションのアカウント必須とLinux非対応については、この時点でも動きがありません。
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