【ドイツ】任天堂、初代Switchを欧州だけ2027年2月で販売終了。日本では継続、現地ファンはEUの電池ルールに不満

3行サマリー
- 任天堂が初代Switchファミリーの欧州販売を2027年2月中旬で終了する。世界累計1億5500万台を売った現役機の、地域限定の幕引き
- 理由はEUの電池規則。バッテリーを利用者が交換できる設計が義務になるが、任天堂は再設計をSwitch 2だけに実施し、旧型は対象から外した
- 日本では販売継続を任天堂が明言。ドイツのファンサイトntowerには26件のコメントが付き、「納得」と「不満」で真っ二つに割れている
初代SwitchとOLEDモデル、2027年2月中旬に欧州の店頭から消える
任天堂の欧州法人が7月6日に発表した。初代Nintendo Switch、Switch Lite、Switch有機ELモデル、Switch Proコントローラー、Pokémon GO Plus +の5製品について、2027年2月中旬で欧州の小売店への出荷と公式ストアでの販売を終える。公式ストア限定だったメガドライブ・スーパーファミコン・ファミコン型の復刻コントローラーも同時に消える。対象はドイツ、オーストリアに加えてスイスも含む、Nintendo of Europeの管轄地域すべてだ。
初代Switchの発売は2017年3月。10年でちょうど区切りがつく形になるが、直近の年度でもまだ1080万台を売った現役機で、後継のSwitch 2が出た後も値ごろな入門機として売れ続けていた。「引退」と呼ぶにはまだ早い機械が、欧州だけ先に店頭を去る。
GamesWirtschaft報道:世界1億5500万台を売った機械の、欧州だけの幕引き
元ネタ:Nintendo stellt Vertrieb der Switch in Europa ab 2027 ein(GamesWirtschaft.de / 2026年7月7日)
Zehn Jahre nach Markteinführung endet die Ära der Nintendo Switch in Europa: Nintendo beendet den Vertrieb des Auslaufmodells.
(訳:市場投入から10年、欧州でNintendo Switchの時代が終わる。任天堂が旧モデルの販売を終了する。)
ドイツのゲーム産業専門メディアGamesWirtschaftは、Switchが2017年3月の発売以来、世界で1億5500万台以上を売ったと伝えたうえで、「価格に敏感な客層は今でもこの大人気の定番機を選んでいる。任天堂は本来もっと長く市場に残したかったはずだ」と指摘している。
引き金はEUの電池規則。任天堂は交換式への再設計をSwitch 2だけに絞った
EUの電池規則は、携帯機器のバッテリーを利用者自身が専門知識や特殊工具なしで交換できる設計を義務付ける。ゲーム機も対象で、適用開始は2027年2月。Switchシリーズはバッテリーが本体に接着されているため、このままでは売れなくなる。
任天堂の対応は割り切っていた。この夏からJoy-Con、秋にSwitch 2本体、冬にJoy-Con 2とSwitch 2 Proコントローラー、2027年初頭にN64コントローラーとゲームキューブコントローラーと、現行製品を交換式バッテリー版へ順次切り替える。改訂版のSwitch 2は容量が約1%減り、重さが約10グラム増えるだけで、機能は変わらない。一方、発売10年目の旧型を作り直す選択肢は取らなかった。すでに店頭や流通にある在庫は規則の適用外なので、2027年2月中旬までは今まで通り買える。
ファンサイトntowerに26件のコメント。「任天堂に納得」と「一番安い入門機が消える」に割れた
ドイツ最大級の任天堂ファンサイトntowerでは、この件のスレッドに26件のコメントが付いた。読んでいくと、反応はきれいに割れている。
任天堂を擁護する声。ユーザーのGreen-Link84さんは「寿命が終わりに向かうコンソールのために製造ラインを組み替える価値はない。ここは任天堂を完全に理解できる。手間と見込める利益が釣り合わない」と書いた。別のユーザーは「自分が任天堂でもまったく同じことをする」と一言だけ残している。
矛先がEUに向かう声も目立つ。PALADEANさんは「EUは自分の膝を撃ち抜いた。持続可能性は素晴らしいし、昔みたいに部品を交換できるのも素晴らしい。でも今回は、一番安いゲーム入門体験がEU市場から消えるだけだった」と皮肉った。復刻コントローラーの終売を惜しんで「欲しい人は今のうちに買っておけ」と呼びかけるコメントもある。
純粋に残念がる声もある。Pixelheroさんは「インディーゲームで遊ぶならSwitch 2はまだ必要ないし、有機ELの画面も捨てがたい。店頭にはSwitch 1のパッケージソフトがまだ大量に並んでいるのに、対応する本体を新品で買えなくなるのはどういうことか」と疑問を投げた。dr.retroさんは「欧州がまた除け者にされた。欧州人にSwitch 2を買わせるための、ソニーに似た動きに見える」とまで書いている。ソニーが2028年にPS5のディスク版ソフト生産を終えると発表して欧州で20万人規模の抗議署名が起きたばかりで、その記憶と地続きの反応だ。
日本では今後も買える。それでも日本のプレイヤーに無関係でない理由
米IGNの問い合わせに対し、任天堂は「Nintendo of Europeが販売を担当していない地域では、引き続きNintendo Switchを販売する予定」と回答した。日本での販売は続く。日本のメディアもITmediaやGIGAZINEなどがこの件を報じたが、仕様変更と終売日を淡々と伝える内容が中心で、ドイツのファンが交わしている「この規制は誰のためだったのか」という議論はほとんど翻訳されていない。
ただ、数字を追っているファンには気になる話がある。Switchの累計1億5500万台は、ゲーム機の歴代販売記録であるPS2の約1億6000万台まであと一歩に迫っていた。ntowerでも「これでPS2超えはさらに遠のいた。実益はないが、名誉と記録のために見たかった」という声が出ている。欧州という大市場を失った状態で記録更新に届くのか。日本のファンも横目で追うことになりそうだ。
同じゲーム機でも住む地域で寿命が変わる。Switchはその最初の大型例になった
今回の件を一文でまとめるなら、規制がハードの寿命を地域ごとに変える時代が来た、に尽きる。日本で買えるSwitchが、ドイツでは2027年2月を最後に新品で買えない。ソニーのディスク版終了と合わせて、欧州のゲーマーは「選択肢が静かに減っていく」局面を続けて突きつけられている。
個人的には、ntowerで一番うなずいたのは「安い入門機が消える」という指摘だった。Switch 2は性能で文句なしでも、価格は入門機の倍近い。子どもの最初のゲーム機に10年物の枯れたハードを選べるのは、悪いことではなかったはずだ。
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