【韓国】映画ちいかわ、韓国で週末興行1位。2位とわずか215人差、同じ週末に日本でも3週ぶり首位

3行サマリー
- 『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』が韓国で10月9〜11日の週末1位に。3日間の観客は40万7,895人で、2位との差は215人でした
- 9月30日の韓国公開から12日間の累計は128万1,485人。100万人到達は公開10日目で、『チェンソーマン レゼ篇』より2日早いペースです
- 日本でも同じ週末に3週ぶりの首位。国内の累計は興収179.5億円・動員1,229万人で、歴代12位まで上がりました
Series映画ちいかわ 海外公開全14本
映画ちいかわの海外公開。中国・台湾・香港でどう受け止められたかを国ごとに観測する。
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韓国の連休3日間、ちいかわが40万7,895人で首位。2位『Assassin(s)』との差は215人
韓国で9月30日に公開された『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』(韓国題『극장판 치이카와: 인어 섬의 비밀』)が、ハングルの日を含む10月9〜11日の3連休で週末興行1位になりました。3日間の観客は40万7,895人、Herald Businessによると売上シェアは29.7%です。
2位の韓国映画『Assassin(s)』(原題『암살자(들)』)は40万7,680人で、差はわずか215人でした。公開12日目までの累計は128万1,485人に達しています。
『Assassin(s)』は10月12日に累計300万人を超える見込みと報じられていた韓国の話題作です。日本で公開12週目に入ったアニメ映画が、韓国では公開2週目でその作品と首位を争ったことになります。
Herald Businessは「215人差で連休の興行王座」と報道
出典:‘Chiikawa’ edges out ‘Assassin(s)’ by 215 viewers to claim holiday box office crown(Herald Business / 2026年10月12日)
出典:‘치이카와’, 주말 박스오피스 정상… ‘암살자(들)’, 오늘(12일) 300만 넘는다(日刊スポーツ韓国版 / 2026年10月12日)
‘Chiikawa’ edges out ‘Assassin(s)’ by 215 viewers to claim holiday box office crown
(訳:『ちいかわ』が215人差で『Assassin(s)』をかわし、連休の興行トップに)
公開10日で100万人。韓国では「먼작귀」のファン層がK-POP流の宣伝で劇場に動いた
韓国での100万人突破は公開10日目の10月9日でした。Inven Globalによると、昨年の『チェンソーマン レゼ篇』は12日目だったので、2日早い計算です。公開5日目に60万人、8日目に81万8,352人と、平日も落ちずに積み上がりました。
なぜ韓国でここまで動いたのか。ひとつめの理由は、ちいかわが映画の前から韓国に大きなファン層を持っていたことです。韓国では「なんか小さくてかわいいやつ」を略した「먼작귀(モンジャククィ)」の愛称で呼ばれ、2024年末にソウル・龍山のアイパークモールで開いたポップアップストアには10日間で約3万人が訪れました。2025年2月には韓国初の常設店もできています。
もうひとつは、配給のCJ ENMがこのファン層をアイドルの宣伝手法で劇場まで連れてきたことです。韓国の経済メディアMTNは10月12日、「映画もアイドルのようにマーケティング」という見出しで、その仕組みを分析しました。公開翌日の10月1日、ちいかわ・ハチワレ・うさぎが音楽番組『M COUNTDOWN』のステージに立ち、主題歌の韓国語版を振り付きで披露しています。この映像はYouTubeで2日のうちに100万回再生を超えました。
MTNは「ファンダムマーケティングのノウハウを映画の宣伝に組み合わせた」と書き、映画を普通の新作ではなく「ファンが参加するイベント」として打ち出したと分析しています。キャラクターを音楽番組に出すのは韓国ならではのやり方で、日本ではまず見ない光景でした。
韓国の観客評価はNaver 9.1点、CGVゴールデンエッグ指数94%
観客の評価も高めです。Inven Globalが10月9日時点でまとめた数字は、Naverの観客評点9.1点、メガボックス9.1点、ロッテシネマ9.3点、CGVのゴールデンエッグ指数94%でした。ゴールデンエッグ指数は、実際にチケットを買った観客の満足度を示すCGVの指標です。
4つの指標がそろって9点台・90%台に入っていることは、もともとのファンだけでなく、初めて見た観客の満足度も高いことを示しています。ファンが初週に足を運び、その評判で客層が広がる流れが、平日も落ちなかった動員に表れていると受け止めました。
個人的に印象的だったのは、相手が累計300万人に届こうとしていた地元の話題作だったことです。その作品を相手に、日本のキャラクターアニメが連休の首位を取ったところに、韓国でのちいかわ人気の厚みを感じました。
日本では同じ週末に3週ぶり首位、累計179.5億円で歴代12位に
同じ10月9〜11日、日本でも『映画ちいかわ』は興行通信社の週末ランキングで1位に戻りました。首位は9月18〜20日以来、3週ぶりです。3日間の動員は37万5,000人、興収は5億6,300万円でした。
この週末に公開されたハリウッド版『バイオハザード』は動員35万6,000人で2位でしたが、興収は6億2,700万円で、ちいかわより多く稼いでいます。順位は動員で決まるため、ちいかわが首位でした。動員と興収で順位が入れ替わるほどの接戦だったわけですね。
10月12日までの国内累計は動員1,229万人、興収179.5億円。『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』の173.5億円を抜き、日本の歴代興行で12位に入りました。台湾でも8月までに1.5億台湾ドルを超えており(台湾の興行と週替わり特典の記事)、韓国の数字で日本・台湾・韓国の3市場がそろって大きく動いたことになります。
日本で12週目、韓国で2週目。同じ週末に2つの国で首位に立った
今回の数字で大事なのは、日本と韓国で公開時期が2カ月以上ずれているのに、同じ週末に両方で首位だった点です。日本は公開から3カ月近くたっても週末の首位に戻るロングランで、韓国は公開直後の勢いで首位を取りました。
韓国の集客を支えたのは、映画の前からあった「먼작귀」のファン層と、それをK-POP流の宣伝で劇場まで連れてきたCJ ENMの戦略です。日本のキャラクターIPが韓国で映画館を満席にするには、作品の力だけでなく、現地のファン文化に合わせた見せ方が欠かせないことを、この作品ははっきり示しました。韓国での累計がどこまで伸びるかは、次の週末の数字で改めて確かめます。
