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【台湾】映画ちいかわ、興収1.5億台湾ドルを突破し年間10位入り。日本式の週替わり特典は8週目まで続いた

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Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
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【台湾】映画ちいかわ、興収1.5億台湾ドルを突破し年間10位入り。日本式の週替わり特典は8週目まで続いた

3行サマリー

  • 『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』の台湾累計興行収入が1億5000万台湾ドルを突破し、2026年の台湾年間10位に入ったと聯合報が伝えました。
  • 中央社によれば9月8日時点の累計は約1億4700万台湾ドル(約7億2000万円)、動員は約53万7000人。7月31日の公開から第9週(9月25日〜10月1日)まで、週替わりの入場者特典が途切れていません。
  • 日本では公開52日で動員1000万人、興収146.6億円。特典を小刻みに出し続ける同じ設計が、台湾でもそのまま回っています。

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Series映画ちいかわ 海外公開全6本

映画ちいかわの海外公開。中国・台湾・香港でどう受け止められたかを国ごとに観測する。

  1. 2026/7/24【中国】映画ちいかわ 海外の反応。微博が「世界一かわいい」と歓喜、上海に海外初の旗艦店
  2. 2026/7/29【台湾】映画ちいかわ 台湾の反応。6歳未満お断りの「保護級」に「大人でもホラー」の声
  3. 2026/7/31【香港】映画ちいかわ、日本に13日遅れて8月6日公開。マクドナルドの限定お守りは初日2時間で品切れ続出
  4. 2026/9/14【韓国】映画ちいかわ、日本から68日遅れで9月30日公開。吹き替え予告で一番多かった声は「歌も韓国語にして」
  5. 2026/9/19【台湾】映画ちいかわ、興収1.5億台湾ドルを突破し年間10位入り。日本式の週替わり特典は8週目まで続いた(この記事)
  6. 2026/9/23【韓国】映画ちいかわ9月30日公開、前売りが1日で1,561人から52,511人に増えた

台湾の累計興収が1億5000万台湾ドルを超え、2026年の年間10位に入った

『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』(台湾題『劇場版 吉伊卡哇 人魚島的秘密』)の台湾での累計興行収入が、1億5000万台湾ドルを超えました。聯合報系のudn STYLEは9月19日、「全台票房突破1.5億」と書いたうえで、この作品が2026年の台湾年間興行ランキング10位に食い込んだと報じています。日本のアニメ映画が台湾の年間トップ10に入ること自体はめずらしくありませんが、7月31日に公開された作品が9月なかばまで数字を伸ばし続けているのは、台湾の興行としてはかなり長い滞空時間です。

中央社(フォーカス台湾)は9月8日時点の累計を約1億4700万台湾ドル、動員を約53万7000人と伝えていました。立報傳媒によれば1億台湾ドルの突破は8月16日、公開から17日目のことです。1億から1億5000万までにおよそ1カ月。爆発的な初速というより、落ちない足腰でここまで来た作品だと分かります。

聯合報が伝えた御礼イベントは9月19日と20日、チケット780元に記念カード5枚

出典:《劇場版 吉伊卡哇 人魚島的秘密》謝票同樂會!賽蓮、小八貓全員出席,超狂特典必收!4DX版加碼海報(udn STYLE・聯合報 / 2026年9月19日)

出典:映画「ちいかわ」台湾で好調 興収7億円超え(フォーカス台湾・中央社 / 2026年9月8日)

全台票房突破1.5億,擠進台灣2026年度票房第十。

1億5000万の突破を受けて、台湾では9月19日(土)と20日(日)に「謝票同樂會」と名付けられたファン感謝上映が組まれました。会場は美麗華影城、台北京站威秀影城、大巨蛋秀泰影城の3カ所。チケットは1枚780台湾ドルで、造型記念カード5枚とA4クリアファイル1枚(絵柄はランダム)が付き、抽選で5組がキャラクターと記念撮影できる、という内容だと聯合報系のudn STYLEは伝えています。

興行が終盤に入ってから、感謝上映を有料の特典付き興行として組み直す。配給がグッズ需要の強さを正確に読んでいるということですし、同時に「感謝」という言葉がきちんと商材になっているということでもあります。通常興行とは別建てのチケットを用意し、そこに記念カードとクリアファイルを積む。ファンの熱量を前提にした値付けだと受け止めました。

1億から1億5000万までの1カ月を押し上げたのは、第9週まで途切れなかった週替わり特典

この作品の台湾興行で一番はっきりしているのは、入場者特典が毎週入れ替わり続けたことです。壹蘋新聞網は9月7日の記事で、第7週(9月11日〜17日)の特典が日本から輸入したミニフィギュアストラップ第2弾4種(二葉、一葉、島二郎、セイレーン)であること、そして9月18日から4DX版の上映が始まることを報じました。第1週は日本直輸入のミニマスコットストラップ8種、第5週はセイレーンのプルバックカーと、週ごとに別の現物が用意されています。

配布は第8週で打ち切られませんでした。4Gamersによれば、第9週(9月25日〜10月1日)には日本から輸入した「秘密豪華冊子」が配布されています。ナガノさんの描き下ろしを収めた冊子で、1人あたり4冊まで受け取れる設定です。日本で9月19日から始まった入場者特典第5弾「ひみつ本」と同じ現物が、6日遅れで台湾にも回ってきたことになります。

公開初週に配り切って終わり、ではありません。2カ月目に入っても「今週行く理由」が毎週更新される。1回観た人がもう一度劇場に戻る動機が、9週にわたって供給され続けたことになります。1億から1億5000万までの1カ月は、ちょうどこの期間に重なっています。

もうひとつ効いたのが中国語吹き替え版でした。立報傳媒は、劇中歌を中国語でカバーした「香香炒麵」が観客やKOLによる短編動画の模倣を呼び、作品の話題量をさらに広げたと指摘しています。同メディアは、中国語吹き替え版の投入後に家族連れの観客と興行成績が明確に持ち直したとも書いています。字幕版で先に動いた層と、吹き替え版で後から入ってきた家族層。台湾ではこの二段構えが、そのまま二度のピークになりました。

第1週のストラップ8種は転売で5200元、劇場側は「在庫は十分」と火消しに回った

熱量は転売市場にもそのまま出ています。NOWnewsは8月1日、第1週特典のストラップ8種(ちいかわ、ハチワレ、うさぎ、モモンガ、栗まんじゅう、ラッコ、風獅爺、古本屋)が二次流通で高騰していると報じました。うさぎ単体が600元や500元、150元からの入札で出品され、8種の未開封セットが約4500元、10個入りの未開封セットが約5200元。無料の入場特典に、映画のチケット代の何倍もの値札が付いた格好です。

同記事によると、威秀影城(ヴィエショウ・シネマズ)の広報担当・李光爵氏は「目前首週特典備貨相當充足,影迷不需要因黃牛炒價而急著高價收購(現時点で第1週特典の在庫はかなり潤沢で、ファンが転売の吊り上げ価格に慌てて飛びつく必要はない)」とコメントしています。劇場チェーンの広報が名前を出して火消しに回るところまで来ていた、というのが実情です。週替わりの現物配布はリピーターを呼ぶ一方で、こうした過熱を必ず連れてきます。入場者特典を興行の燃料にする以上、劇場側が転売対応まで引き受けることになる。その負荷は、興収の数字には出てきません。

掲示板PTTの映画板では、この報道を受けて「預料之中(想定どおり)」という冷めた受け止めと、「一年後擺在格子鋪50、100都沒人要(1年後には委託販売棚で50元や100元でも売れない)」という先回りした皮肉が並びました。SNSには「チケットだけ売ります、特典なし」という転売投稿まで現れ、それでも買い手が付いたとNOWnewsは書いています。熱狂と冷笑が同じスレッドに同居しているのは、台湾のオタク界隈ではいつもの光景ですね。

日本の146.6億円を支えた特典の段階投入が、そのまま台湾で機能している

日本での成績と並べると、台湾で起きていることの正体がはっきりします。まんたんウェブによれば、日本では公開52日で観客動員1000万人、興行収入146.6億円を突破しました。9月19日からは入場者特典第5弾として、ナガノさん描き下ろしのマンガとエッセーを収めた「ひみつ本」の配布も始まっています。日本もまた、特典を第1弾から第5弾まで段階的に投入して観客を呼び戻す設計で走ってきました。

台湾で行われたのは、この設計の移植です。日本から現物を輸入し、週単位で入れ替え、終盤には4DX版と有料の感謝上映を足す。翻訳して公開しただけでは、公開2カ月目に年間トップ10へ滑り込む曲線は描けません。日本のアニメ映画が海外でどこまで伸びるかは、作品の人気そのものより、日本でやっている興行の作り方を現地がどれだけ丸ごと持ち込めるかで決まります。台湾のちいかわは、その仮説にかなりきれいな答えを出した事例になりました。

年齢区分をめぐって台湾で議論になった経緯は、【台湾】映画ちいかわ 台湾の反応。6歳未満お断りの「保護級」に「大人でもホラー」の声にまとめています。6歳未満入場禁止という日本より厳しい区分を背負ったまま、この数字に届いたことも押さえておきたいところです。

4DX版と感謝上映で、台湾の興行はまだ終わっていない

9月18日に始まった4DX版、そして19日と20日の謝票同樂會。台湾の興行は、1億5000万台湾ドルで店じまいするつもりがないように見えます。韓国での公開は9月30日に控えていて、アジアでの数字はここからもう一段積み上がる余地があります。

日本で146.6億円を稼いだ作品が、台湾では「保護級」の壁を越えて年間10位に入りました。その差分を埋めたのが作品論ではなく、週替わりの現物と吹き替え版と4DXという、きわめて実務的な積み上げだったこと。ここは記録しておく価値があると思います。海外でヒットした日本アニメの話を聞くたびに「現地に刺さった」と語られがちですが、台湾のちいかわについては「現地が刺しにいった」と言うほうが正確です。

【追記 2026/09/26】 週替わり特典は第8週で終わらず、第9週(9月25日〜10月1日)にも日本からの輸入品「秘密豪華冊子」(ナガノさん描き下ろし、1人4冊まで)が配布されています。公開当初に「8週目まで」と書いた部分は第9週までに訂正しました。台湾の累計興収については、9月26日時点でも上映が続いており、配給のメディアリンクが公表している最新値は「全台1.5億元突破」のままです。それ以降の更新値は出ていないため、この記事の数字は最終興収ではありません。

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編集部
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

日本のアニメ・ゲーム・音楽・カルチャーが海外でどう受け止められたかを、賛否そのままに、現地語の一次ソースで確かめてから日本語にしています。褒めるだけの国内報道とは違う角度で。続報があれば更新日を明記して追記します。