📊 3行サマリー
- フロム・ソフトウェア『SEKIRO』原作のアニメ映画『SEKIRO: No Defeat』が、6/21開幕のアヌシー国際アニメーション映画祭・深夜部門(全5作品)の目玉に選ばれた
- 原作ゲームは2019年のGOTY(ゲーム・オブ・ザ・イヤー)受賞作で、2023年に累計1,000万本を突破
- 日本の劇場公開は9/4からの3週間限定。フランスの観客が日本のファンより約2カ月半先に本編を観る
📝 SEKIROのアニメ映画、6/21開幕のアヌシー映画祭で「16歳未満非推奨」深夜部門5作品の筆頭に
仏映画情報サイトCinealliance.frが6月8日、世界最大のアニメーション映画祭「アヌシー国際アニメーション映画祭2026」の全プログラムを公開した。今年はG7サミットがオート=サヴォワ県で開かれる影響で、例年より2週間遅い6月21日〜27日の開催になる。その深夜枠「ミッドナイト・スペシャルズ」(16歳未満非推奨・全5作品)の筆頭に名指しされたのが、フロム・ソフトウェアのアクションゲーム『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』を原作にしたアニメ映画『SEKIRO: No Defeat』だ。日本の劇場公開は9月4日からの3週間限定なので、アヌシーに集まるフランスの観客のほうが、日本のファンより2カ月半早く本編を観る。
📰 仏Cinealliance報道「FromSoftwareのゲーム世界を、刀が行き交う封建日本に描き出す」
元ネタ:Festival du film d’animation d’Annecy 2026 : sélection, invités et programme complet(Cinealliance.fr / 2026年6月8日)
La tête d’affiche s’appelle Sekiro: No Defeat de Kenichi Kutsuna, qui plonge l’univers du jeu de FromSoftware dans un Japon féodal traversé de combats de sabre.(拙訳:目玉は沓名健一監督の『SEKIRO: No Defeat』。FromSoftwareのゲームの世界を、刀が行き交う封建時代の日本へ沈み込ませる一本だ)
ミッドナイト・スペシャルズに並ぶ残り4本は、韓国の会社員風刺アニメ、ベルギー=フランスのスリラー『Gregor』、ドイツのSFコメディ『Soul Shift』、フランス=フィリピン合作のヒーローコメディ『Zsazsa Zaturnnah』。その中で記事が「テット・ダフィッシュ(看板)」と呼んだのはSEKIROだけだった。
🔥 仏最大手ゲームメディアは「2026年のサプライズ」。ファンは「AOTY確実」と「AI製疑惑」で真っ二つ
フランスのゲームファンの間では、このアニメは3月の第2弾トレーラー公開時から騒がれていた。仏最大手ゲームメディアjeuxvideo.comは「2026年のサプライズ」と題した記事で、レトロ調の作画と空気・草・水・血の動きの描写を挙げて「ゲーム原作の不出来な映像化の呪いは、もう過去のものだ」とまで書いている。
ただ、現地の反応は一枚岩ではない。同サイトのフォーラムを覗くと、「制作がQzil.laならAOTY(アニメ・オブ・ザ・イヤー)はもう決まったようなもの」と沸く投稿のすぐ下に、「これ、生成AI製じゃないのか」とMyAnimeListの検証スレッドを貼る懐疑派がいる。「ゲームに忠実すぎる。アニメはアニメで自分の道を行くべきだ」という注文も、「なぜ金字塔のダークソウルより先にSEKIROなんだ」という嘆きもあった。期待が大きいぶん、疑いの目も濃い。トレーラー2本でここまで賛否が割れる日本のゲームIPは、フランスでもそう多くない。
🇯🇵 日本公開は9/4から3週間限定。配信もCrunchyroll先行で、日本のファンが一番待たされる
制作はARCH・Qzil.la・studio Betaの3社、KADOKAWAが全体を監修し、ゲーム版の声優陣の大半が続投する。日本では9月4日から3週間限定の劇場上映。一方、海外はアヌシー(6月)に続いてカナダのファンタジア国際映画祭(7月)でも上映が決まっており、その後はCrunchyrollが日本・中国・韓国・ロシア・ベラルーシを除く世界で独占配信する。つまり順番だけ見れば、原作の母国である日本のファンが一番後ろに並んでいる。
今年のアヌシーは他の日本勢も分厚い。攻殻機動隊の新シリーズ2話の先行上映、『火垂るの墓』『Perfect Blue』『獣兵衛忍風帖』の4K修復版上映、併設の国際見本市Mifaは東映アニメーションの70周年を看板に掲げる。SEKIROは、その「日本だらけのアヌシー」で深夜の顔を任された格好だ。
🏁 GOTY受賞から7年・1,000万本の『SEKIRO』が、深夜のアヌシーで前評判の答えを出す
原作の『SEKIRO』は2019年のThe Game AwardsでGOTYを獲り、累計1,000万本を超えたフロム・ソフトウェアの代表作。それでも続編は出ず、7年間ファンは「隻狼のその後」に飢えてきた。正直なところ、剣戟の「弾き」のあの金属音をアニメがどう鳴らすのか、それを確かめるだけでも観る価値はあると思っている。6月21日の深夜、アヌシーの客席がどう反応するかで、9月4日の日本公開の前評判はほぼ決まる。「AOTY確実」か「AI製の張りぼて」か。フランスの夜が先に答えを見る。


