📊 3行サマリー
- 韓国の検察が5月27日付で、ミン・ヒジン前ADOR代表によるHYBE役員ら10人への刑事告訴をすべて不起訴処分に(京郷新聞が6月10日に単独報道)
- 争点だった「呪術経営」の報道資料は「誇張だが虚偽ではない」と判断。KakaoTalkに巫俗人(シャーマン)と経営を相談した記録が複数回残っていた
- 日本人メンバー2人が所属するILLITの「NewJeans模倣」を巡る告訴も全て退けられ、韓国コミュニティTheQooでは半日で243コメント
📝 検察、ミン・ヒジン氏の刑事告訴を5月27日付で全件不起訴に
NewJeansを手がけたミン・ヒジン前ADOR代表が2024年に起こした一連の刑事告訴が、すべて終わりました。京郷新聞が6月10日に単独で報じたもので、ソウル西部地検刑事1部は5月27日、HYBEのパク・ジウォン前代表ら役員6人と、傘下レーベルBELIFT LABのキム・テホ代表ら4人、計10人に対する告訴を全件不起訴処分にしています。2024年4月の騒動勃発から2年あまり。HYBE側からの告訴もミン氏側からの告訴も、刑事の土俵ではどちらも立件に至らないまま幕が下りた格好です。
📰 京郷新聞の単独報道:「呪術経営は誇張だが、虚偽ではない」
元ネタ:[단독]검찰 “주술경영, 과장 표현이지만 허위는 아냐”…민희진 ‘하이브 고소 사건’ 전부 불기소(京郷新聞 / 2026年6月11日)
검찰은 민 전 대표가 ‘주술경영’을 했다거나 뉴진스를 빼돌리려 했다는 하이브의 주장이 허위가 아니라고 판단했다.
(訳:検察は、ミン前代表が「呪術経営」をしていた、あるいはNewJeansを引き抜こうとしていたというHYBEの主張は虚偽ではないと判断した。)
ミン氏は2024年4月、HYBEが「ミン氏は巫俗人(シャーマン)に経営の重要事項を相談する呪術経営をしていた」とする報道資料を配布したことを、業務妨害と名誉毀損にあたるとして告訴していました。今回の処分はその訴えを正面から退けたものです。
🔥 決め手はKakaoTalkの相談記録と、2025年10月の判決
検察が不起訴の根拠に挙げた材料は3つあります。まず、ミン氏本人のKakaoTalkに、巫俗人とADORの経営について複数回やり取りした記録が残っていたこと。「呪術経営」という言い回し自体は誇張でも、中身が虚偽とまでは言えない、という理屈です。次に、2025年10月にソウルの裁判所がNewJeansの専属契約を有効と認めた際、「ミン前代表はNewJeansと共にHYBEから独立する意図で、事前の世論戦と訴訟を準備していた」と判示していたこと。最後に、ミン氏が「無断閲覧された」と主張した社内メールについても、入社時の保安誓約書と個人情報同意書がある以上は適法な監査権限の範囲内で、元副代表が自らKakaoTalkのパスワードを提供した事実も確認された、としています。
経緯を振り返ると、警察は2025年7月の時点で全件を不送致(嫌疑なし)としており、ミン氏側の異議申請を受けて検察が今年2月に補完捜査を指示。それでも結論は変わりませんでした。
🇰🇷 TheQooは半日で243コメント。「HYBEに軍配」と書いた韓国メディアも
韓国メディアの反応は速く、論調にも温度差があります。単独報道した京郷新聞は処分内容を淡々と伝える一方、国民日報は6月11日朝、「ミン・ヒジンの呪術経営は虚偽事実ではない…HYBEに軍配を上げた検察」という見出しを掲げました。匿名コミュニティTheQooでは、報道の転載スレッドが半日で243コメントを集めてHOT入り。X上では今回の処分そのものより、「NewJeansの5人をいつ舞台に戻すのか」というファンの声が引き続き目立ちます(当ブログが前日にX上の韓国語検索で観測した範囲でも、復帰要求の投稿が73リポスト・639いいねを集めていました)。
公平のために書いておくと、ミン氏側には今回の処分に対して抗告などで争う道が残っています。逆方向の事件、つまりHYBEがミン氏を背任容疑で告発した件も2025年に嫌疑なしで終わっており、HYBE側がそれに異議を申し立てた経緯もあります。刑事のカードを切り尽くしたのは、実はお互いさまです。
🇯🇵 日本人2人が所属するILLITの「模倣論争」も、法的には否定された
日本のファンに直結するのはここです。ミン氏が一貫して主張してきた「ILLITはNewJeansのコンセプトや振付をコピーした」という論点について、検察はBELIFT LAB側の反論動画を名誉毀損とするミン氏の告訴も、キム・テホ代表への誣告罪の訴えも認めませんでした。根拠になったのはやはり2025年10月の判決で、「企画案や写真集に一部の類似性は確認されるが、ILLITがNewJeansを複製したとは言い難い」という判断です。ILLITにはモカとイロハという日本人メンバー2人が在籍し、日本でも単独公演を重ねているグループ。デビュー直後から2年以上ノイズのように続いた「模倣」のレッテルが、少なくとも法的には決着した意味は小さくありません。
🏁 256億ウォン放棄の提案から3カ月半。主戦場は法廷からNewJeansの復帰へ
ミン氏は今年2月25日の記者会見で、プットオプション訴訟の一審勝訴で得られる256億ウォン(約27億円)を放棄する代わりに、すべての民事・刑事の争いを終わらせようとHYBEに提案しました。HYBEは「立場はない」と応じず、その3カ月半後に今回の不起訴が確定報道された流れです。刑事戦線がほぼ消えた今、残っているのは控訴審と、ADORに契約が残るNewJeansの活動再開問題。メンバーのミンジについては5月にADORが「肯定的な方向」と復帰協議を認めています(当ブログ5月10日記事)。正直、2年間の告訴合戦で得をした人を探すほうが難しい泥仕合でした。ファンが見たいのは判決文ではなく5人のステージのはずで、関心はもう法廷の外へ移り始めています。


