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【中国】原作300万部の日本アニメ『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』、現地で静かな人気。主題歌はずっと真夜中でいいのに

編集部
Velleity Note 編集部Overseas Reception, Read Straight
公開 2026/07/13
最終更新 2026/07/13
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【中国】原作300万部の日本アニメ『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』、現地で静かな人気。主題歌はずっと真夜中でいいのに

3行サマリー

  • 原作コミックス累計300万部の日本作品『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』が、2026年7月にTBS系で放送を開始した。
  • 主題歌はずっと真夜中でいいのに(ずとまよ)の「イチジク煙」。中国のファンの間ではこの曲をきっかけに作品が広がり、動画サイトbilibiliのファン投稿は合計850万回以上再生されている。
  • bilibiliでの日本アニメの公式配信枠は2023年以降、1クール26本前後から13本前後へおよそ半減した。それでも中国のファンは口コミと音楽で作品を見つけ続けている。

ずとまよ主題歌の地味な日常アニメが、2026年夏に中国のファンへ静かに広がった

スクウェア・エニックスのマンガ『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』のテレビアニメが、2026年7月にTBS系で放送を開始した。ABEMAで先行話が配信され、Netflixでも見られる。派手なバトルも異世界転生もない、疲れた中年サラリーマンとスーパーの店員が喫煙所で言葉を交わすだけの短編だ。その地味な日常劇が、中国の日本アニメファンの間で静かに支持を集めている。

火付け役になったのは、物語よりも音楽だった。オープニングテーマを担当したのは、中国でも固定ファンを持つバンド、ずっと真夜中でいいのに(現地表記・ずとまよ)。楽曲「イチジク煙」のMVが中国語字幕付きでbilibiliに広まり、作品そのものへの入り口になった。

元ネタはアニメ公式サイトと、bilibili上のファンの動きから確認できる

元ネタTVアニメ「スーパーの裏でヤニ吸うふたり」公式サイト(アニメ公式 / 2026年7月)。放送・配信の情報と主題歌クレジットは公式サイトに載っている。中国での受容は、bilibiliの検索結果に並ぶファン投稿の再生数と、主題歌MVの拡散から読み取れる。

疲れたサラリーマンと、スーパーの店員。ふたりが喫煙所で交わす、ただそれだけの時間。

原作は次にくるマンガ大賞Web部門1位、SNS発の口コミで300万部まで伸びた作品

原作は地主(じぬし)による同名マンガで、2022年3月に作者のX(旧Twitter)投稿から始まり、同年8月にスクウェア・エニックスの月刊ビッグガンガンで連載化した。「次にくるマンガ大賞2022」Web部門1位、「このマンガがすごい!2023」オトコ編7位に選ばれ、電子版を含む累計発行部数は2026年1月時点で300万部を超えた。もともとSNSの口コミで広がった作品で、大きな宣伝より読者同士の共有で伸びてきた。中国での広がり方は、その日本での育ち方を海の向こうでなぞっている。

bilibiliの日本アニメ公式枠は半減、それでもファンは音楽と口コミで作品を見つける

中国の動画サイトbilibiliでは、日本アニメの公式配信枠がここ数年で細っている。米フォーブスが伝えた集計では、2020〜2023年に1クールあたり平均26本あった新規ライセンス作品が、2023〜2026年には13本前後まで、およそ半分に減った。中国国内の審査制度や、日中関係の冷え込みが背景にあると指摘されている。

その環境でも、中国の日本アニメファンは自力で見る作品を探し当てる。今回の『ヤニ吸うふたり』も、公式の大がかりな配信キャンペーンではなく、ずとまよの主題歌MVとファンの紹介動画から広がった。bilibiliに並ぶファン投稿は合計850万回を超えて再生され、コメント欄には、静かで見やすい、一日の終わりに合う、という穏やかなトーンを歓迎する反応が目立つ。派手さがないからこそ疲れた社会人の心に刺さる、という受け止め方は日本の読者と重なる。

ただ、この広がり方は危うさも抱えている。公式配信という土台がないぶん、話題はファンの熱量とアルゴリズム次第で、いつ止まってもおかしくない。音楽が引いた客を作品につなぎとめる仕組みは、まだ誰も持っていない。

宣伝ではなく音楽と共感で越境する、日本コンテンツのもう一つの広がり方

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』の中国での広がりは、大型IPの派手なヒットとは違う。公式ライセンスが減るなかで、音楽への共感と口コミが国境を越えてファンを動かした。日本のコンテンツが海外へ届く道は、テレビ局の配信契約だけではない。ずとまよの一曲が、地味な日常アニメを中国のタイムラインに乗せた。宣伝に頼らないこの越境は、これから日本の中堅・小規模作品が海外の読者とつながるときの、現実的なモデルになりうると思う。

編集部
Velleity Note 編集部
Overseas Reception, Read Straight

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