【アメリカ】スクウェア・エニックス、キングダム ハーツIVとFF7完結編は同じ社内スタジオ。英語7媒体が報じ、日本語は自動翻訳の1本だけ
最終更新

3行サマリー
- スクウェア・エニックスの開発部門「クリエイティブスタジオ1」のスタジオヘッドが、米Deadlineのインタビューで『ファイナルファンタジーVII リベレーション』と『キングダム ハーツIV』を「どちらも自分のスタジオで開発している」と語りました。
- Googleニュース英語版で「Kingdom Hearts」「Creative Studio 1」を検索すると、この発言を伝える記事が7媒体から出ていました。日本語版で同じ話を扱っていたのは、英語記事の自動翻訳とみられる1本だけです(2026年9月13日15時19分・日本時間に当編集部が確認)。
- 発売はFF7リベレーションが2027年4月8日(税込9,900円)、キングダム ハーツIVが2027年後半。ディレクターは野村哲也さんのままで、開発チームが交代したという発表は出ていません。
Seriesキングダム ハーツIV全3本
スクウェア・エニックス『キングダム ハーツIV』の開発情報と、海外での受け止めを追う連載です。
- 2026/8/16【アメリカ】スクウェア・エニックス『キングダムハーツ4』、ドナルドとグーフィーの操作パートを初公開。2027年後半の発売は「100%遅れない」
- 2026/8/28【アメリカ】スクウェア・エニックス『キングダムハーツ4』の「校正担当」、海外では「ロアマスター」に。台本の量は前作の2倍弱
- 2026/9/13【アメリカ】スクウェア・エニックス、キングダム ハーツIVとFF7完結編は同じ社内スタジオ。英語7媒体が報じ、日本語は自動翻訳の1本だけ(この記事)
キングダム ハーツIVとFF7完結編は、同じ「クリエイティブスタジオ1」で作られている
スクウェア・エニックスの『ファイナルファンタジーVII リベレーション』と『キングダム ハーツIV』が、社内の同じ開発部門で作られている。9月11日に公開された米Deadlineのインタビューで、そう明かされました。話したのは、FF7リメイクシリーズのディレクターで、開発部門「クリエイティブスタジオ1」のスタジオヘッドを務める浜口直樹さんです。
本人の言い方は、あくまで組織の話でした。桐生隆司社長が「来年は大きな反攻の年になる」と言っていること、その反攻を押し上げるのがこの2本であること、そして2本とも自分のスタジオで開発されていること。この3点を並べたうえで、これからは自分が中心になって前に進めていく、と続けています。
Deadlineのインタビュー:「どちらも私自身のスタジオ、クリエイティブスタジオ1で開発されている」
出典:‘Final Fantasy VII Revelation’ Interview: Naoki Hamaguchi(Deadline / 2026年9月11日)
出典:Kingdom Hearts 4 Is Being Developed by FF7 Remake Studio(Insider Gaming / 2026年9月11日)
And both are being developed in my own studio, Creative Studio 1.
「どちらも私自身のスタジオ、クリエイティブスタジオ1で開発されている」。今回一番多く引用されたのが、この一文でした。スクウェア・エニックスは2024年4月に開発体制を組み替えており、クリエイティブスタジオ1はその再編で生まれた部門の一つにあたります。
なお、Deadlineの本文は現在、機械的な取得を制限しています。当編集部は同じ発言を全文引用しているInsider Gaming経由で確認しました。
英語の見出し7本を並べると、「スタジオ」が「チーム」に入れ替わっていた
この発言がどう伝わったのかを、当編集部で数えてみました。Googleニュース英語版で「Kingdom Hearts」「Creative Studio 1」を検索し、2026年9月13日15時19分(日本時間)に表示された記事のうち、今回の発言を扱っているものは7本です。
- Eurogamer「FF7リベレーションのディレクターが、自分のスタジオがキングダム ハーツ4も作っていると認めた」
- Niche Gamer「2027年の大作2本が、同じスクウェア・エニックスのスタジオの中で作られている」
- Insider Gaming「キングダム ハーツ4はFF7リメイクのスタジオが開発している」
- games.gg「FF7リメイクのスタジオがキングダム ハーツ4を開発していると確認された」
- GamingBolt「FF7リベレーションのディレクターは、キングダム ハーツ4を『前に進める』仕事もしている」
- GameRant「キングダム ハーツ4の開発元がついに判明、ファンは大喜び」
- DualShockers「ディレクターが明かす、FF7リメイクのチームがキングダム ハーツ4を引き継いだ」
上の5本は「スタジオ」と書いています。発言どおりです。ところがDualShockersの見出しだけは「チーム」で、しかも「引き継いだ(taken over)」という動詞が付いています。GameRantの「開発元がついに判明」も、読み手には作り手が新しく分かったように響きます。
言葉としては小さな差ですが、意味はかなり変わります。スタジオは人員と予算を束ねる組織の単位で、その中に複数のチームが入ります。チームは実際に手を動かす集団です。前者が同じだからといって、後者が同じとはかぎりません。
海外掲示板に立った訂正スレッドは62票。記事の勢いには追いついていない
英語圏のファンも、この差には気づいていました。登録405,720人のキングダム ハーツ掲示板には9月12日15時50分(日本時間)、「浜口さんはキングダム ハーツ4のチームの一員ではない。FF7リメイクのチームがこのゲームを作っているわけではない」という題のスレッドが立っています。9月13日15時18分(日本時間)に当編集部が確認した時点で62票、コメント14件、支持率91%でした。
投稿者の説明は、クリエイティブスタジオ1は複数のチームを抱える部門であり、スタジオヘッドは人員と予算の配分を見る立場で、制作そのものに入っているわけではない、というものです。キングダム ハーツを手がけるチームは以前からこの部門にいて、今回の発言は新しい事実ではない、とも書いています。ただし、この部分はスクウェア・エニックスが公表した資料では確認できませんでした。掲示板の説明として受け止めるのが正確だと思います。
スレッドに付いたコメントを見ると、反発ではなく補足が多い印象でした。最も票を集めた25票の書き込みは「仮に本人が見ていたとしても困ることはない。何十年かで一番の出来のFFを届けた人だ」という趣旨で、9票の書き込みは「スタジオヘッドなら監督はしている。クリエイティブに関わっていないだけだ」と整理しています。
とはいえ、62票です。同じ話を7媒体が見出しで運んでいるのに対して、訂正はスレッド1本にとどまっています。
日本語でこの一行を読める記事は、英語記事の自動翻訳1本だけだった
では日本のファンはどうでしょうか。Googleニュース日本版で「クリエイティブスタジオ1」を検索しても、スクウェア・エニックスの部門を指す記事は出てきません。表示されるのは京都の制作会社の話題ばかりです。「キングダムハーツ 浜口」で検索し直すと今回の件が1本だけ出てきますが、それはgames.ggという英語記事の自動翻訳とみられる媒体でした。
日本のゲームメディアが同じ人物を取材していないわけではありません。むしろ逆で、ここ数日はFF7リベレーションのインタビュー記事が続けて出ています。マスターマテリアを入れなかった理由、マテリア穴が3連結になること、「ただのJRPGにしない」という話。どれも同じ取材期の内容です。ファミ通は8月にキングダム ハーツIVの独占インタビューも出しています。
Deadlineはハリウッドの映画・テレビ業界を追う媒体です。ゲームメディアが毎日巡回する先とは重なりにくく、同じ取材期の記事が日本語で何本も出ているなかで、この一行だけが落ちた形になりました。接点がないのではなく、通り道が違っただけです。
結果として、英語で記事を読む人は「FF7班が引き継いだ」という強めの見出しに触れ、日本語だけで追う人はこの話題自体に触れない。同じ一行から受け取るものが、読む言語で変わってしまいます。
キングダム ハーツIVについては、8月のD23で野村哲也さんが2027年後半の発売を「絶対に、100%遅れない」と明言しています(関連記事)。ディレクターが交代したという発表は、現時点でどこからも出ていません。
2027年4月8日と2027年後半。同じスタジオが1年で2本を出す、という話だった
整理すると、今回分かったのは開発チームの交代ではなく、スクウェア・エニックスが2027年にどう戦うつもりかという体制の話です。FF7リベレーションは2027年4月8日発売で、価格は9,900円(税込)。三部作をまとめたトリロジーエディションは、予約なら11,330円(税込)になります。キングダム ハーツIVはその年の後半です。同じ部門が、1年のうちに看板2本を送り出す計画になっています。
その意味では、Niche Gamerの「2027年の大作2本が同じスタジオの中で作られている」という見出しが、一番発言に忠実でした。地味な書き方ですが、記事の中身と一致しています。9月17日から始まる東京ゲームショウ2026で、キングダム ハーツIVは試遊がなく映像上映だけと告知されています(関連記事)。開発体制の話が次に動くとすれば、ここです。
個人的に引っかかったのは、訂正が62票で止まっていることのほうでした。強い見出しは7媒体に乗って広がり、それを正す声は掲示板の中に残る。日本語では、正す以前に元の話が1本しか出ていません。発言そのものは組織図の説明でしかないのに、届き方だけが3通りに割れているのが、少し不思議な光景でした。
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