2026年9月13日 海外メディアとファンの愛を、脚色なしで日本語に @VelleityNote
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【アメリカ】レベルファイブ、発表会の生成AI映像を謝罪。海外掲示板では5日前に12月発売『レイトン教授』を疑うスレッドが925票

編集部
吉沢まことVelleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
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【アメリカ】レベルファイブ、発表会の生成AI映像を謝罪。海外掲示板では5日前に12月発売『レイトン教授』を疑うスレッドが925票

3行サマリー

  • レベルファイブの日野晃博社長が9月12日、9月10日に放送した発表会「LEVEL5 VISION 2026 II 夢」の映像へ生成AIを使ったことを説明し、不快に思った人に謝罪した
  • 海外掲示板 r/nintendo では発表会の3日前、9月7日に「12月10日発売の『レイトン教授と蒸気の新世界』は一部がAI生成ではないか」というスレッドが立ち、賛成925票・コメント208件を集めていた
  • 同じ1つの投稿を報じた見出しを数えると、日本語5媒体はすべて「謝罪・お詫び・弁明」を置き、英語7媒体で「apology」を置いたのは1本だけだった

SeriesLEVEL5 VISION 2026 II全2本

レベルファイブのオンライン発表会「LEVEL5 VISION 2026 II 夢」で公開された新作と、その海外での受け止めを追う。

  1. 2026/9/11【フランス】レベルファイブ、初代『レイトン教授』のリメイクを2027年に発売へ。日本語だけの配信でフランス語版Wikipediaの閲覧は平常の23倍
  2. 2026/9/13【アメリカ】レベルファイブ、発表会の生成AI映像を謝罪。海外掲示板では5日前に12月発売『レイトン教授』を疑うスレッドが925票(この記事)

レベルファイブ、9月12日に「発表会を派手にしたかった」と生成AIの使用を説明し謝罪

レベルファイブの代表取締役社長/CEOである日野晃博さんが2026年9月12日、本人の公式Xに「AIの使用について・LEVEL5 VISION 2026 II」と題した投稿を出しました。9月10日22時から放送されたオンライン発表会「LEVEL5 VISION 2026 II 夢」の映像に生成AIを使った処理が入っていたことを認め、不快に感じた人へ謝罪する内容です。

この発表会では『イナズマイレブン 烈火の革命』が新たに公開され、『レイトン教授と不思議な町 Remake』や『妖怪ウォッチ 2 覇道』『デカポリス』の新映像も流れました。放送の直後から、背景の描き込みや人物の動きが不自然だとして、映像に生成AIが使われているのではという指摘がユーザーの間で広がります。投稿はその指摘に答える形で出ました。

日野さんの説明はこうです。発表会をわかりやすく派手にしたいという意図から、実験も兼ねて最新のAI処理を映像に組み込んだ。ただしシナリオ・キャラクターデザイン・基礎設定など作品の魅力に関わる部分は、すべて人の手で作っている。AIによる効率化を狙っているのは、原画を正確にポリゴンへ起こすような、人が作ったものをデジタル化する工程だ。あわせて、大型タイトルの開発期間を5年から2年へ縮める計画も明かしました。

出典:ファミ通とAUTOMATONが伝えた核心は「発売されるゲームに安易なAI出力データは入らない」

出典レベルファイブ日野晃博氏、イベント映像のAI使用について経緯とお詫びを投稿。将来的には「開発期間5年を2年に縮める」という目標も(ファミ通.com / 2026年9月12日)

出典レベルファイブ日野社長、“AI盛り込みトレイラー発表会”について「派手にしたかった」ためと弁明。ただ発売するゲームには、“安易なAI出力データ”は入れない(AUTOMATON / 2026年9月12日)

発売されるゲームに、安易なAI出力データが入ってることはないため安心してほしいと伝えている。

投稿そのものは日野さんの公式Xで読めます。なお、AI生成を疑われた発表会映像そのものは真偽が確定していないため、この記事では掲載もリンクもしていません。アイキャッチには、あとで触れる見出しの集計結果を当サイトで作図したものを置いています。

海外の疑いは3日早かった。9月7日のスレッドが名指ししたのは12月10日発売の『レイトン教授』

日本語の記事はどれも「9月10日の発表会の映像」を出発点にしています。ところが海外の掲示板をのぞくと、火はその前から点いていました。

当サイトが2026年9月13日7時20分(日本時間)に r/nintendo を確認したところ、9月7日9時19分(日本時間)に立った「『レイトン教授と蒸気の新世界』は少なくとも部分的にAI生成だろう」という趣旨のスレッドが、賛成925票・コメント208件・賛成率84%を記録していました。発表会の3日前です。その2日後の9月9日にNintendo Directで同作の発売日が12月10日に決まり、翌10日の発表会で疑いがさらに広がる、という順番になります。

つまり英語圏の読者にとって、日野さんの「発売されるゲームに安易なAI出力データは入らない」という一文は、発表会の映像についての釈明ではありませんでした。5日前から続いていた製品そのものへの疑いに対する回答として読まれています。日本語の報道が扱った範囲と、海外で問われていた範囲が、最初からずれていたわけです。

ただし、このスレッドが主張している「AI生成である」という中身は、公式に確認されたものではありません。レベルファイブは映像への使用を認めた一方で、製品への混入は否定しています。ここで扱っているのは、そうした疑いのスレッドが立って票を集めた、という観測事実だけです。

上位12件のうち5件は「決めつけが早い」と投稿者を批判、賛成率は84%だった

海外の反応を「一枚岩の批判」と書いてしまうと、実際とはかなり違うものになります。同じスレッドの上位コメント12件を読むと、向きははっきり割れていました。

いちばん支持された820票のコメントは、シリーズのナゾ制作を担ってきた人物が亡くなっていることに触れ、生成AIではあの手触りは再現できないと書いています。292票のコメントが怖がっているのは、ナゾそのものの作成にAIが使われることでした。反対側もにぎやかです。121票のコメントは「これは事実ではなく仮定にすぎない」と投稿の前提を疑い、46票のコメントは「AIは好きではないが、この投稿の主張は無茶だ」と切り返しました。42票の「処刑を急ぎすぎだ」という一言も上位に並んでいます。

数えてみると、上位12件のうち5件は投稿者側の決めつけを批判する内容でした。賛成率84%という数字も、6人に1人ほどが反対票を入れたことを示しています。海外のファンが怒っていたのは確かですが、同時に「証拠を出せ」と身内で引っ張り合ってもいた。そこが、まとめて「炎上」と呼んでしまうと落ちてしまう部分だと受け止めました。なお、個別の匿名投稿は事実の根拠になりませんので、ここでは票数とコメントの傾向だけを見ています。

日本語5媒体は全部「謝罪」、英語7媒体で「apology」を見出しに置いたのは1本

もうひとつ確かめたかったのが、同じ1つの投稿が日本語と英語でどう見出しになったかです。2026年9月13日7時30分(日本時間)に、この件を報じた記事12本の og:title を取得して分類しました。

日本語は5本。ファミ通が「経緯とお詫びを投稿」、Game*SparkとGameBusiness.jpが「日野社長が謝罪」、KAI-YOUが「生成AI使用を謝罪」、AUTOMATONが「『派手にしたかった』ためと弁明」。5本すべてが、謝罪を意味する語を見出しに置いていました。

英語は7本。謝罪にあたる語を入れたのはPower Up Gamingの「Issues Apology」1本だけです。GoNintendo・Twisted Voxel・Readdork・Final Weapon・Arogedの5本は「responds」「comments」「discusses」と、行為を名指ししない中立の動詞を選びました。そして残る1本、Nintendo Lifeの見出しは「Doubles Down On GenAI Despite Backlash」。批判を受けてなお生成AIを押し通した、という読み方です。

日野さんの投稿には、謝罪と、AI活用を続けるという方針が両方入っています。日本語の媒体は前半を、英語圏の媒体の多くは後半を見出しに持ってきた。訳の問題ではなく、同じ文章のどこを主語に選ぶかで割れた結果です。ここが今回いちばん印象的でした。

12月10日までに問われるのは、映像と製品のどこに線を引いたのかの説明

『レイトン教授と蒸気の新世界』の発売は12月10日、対応機種はSwitch 2・Switch・PC・PS5です。日本のファンにとっての問いは「発表会の映像はどうだったのか」ではなく、3か月弱で手元に届く製品がどう作られたのか、その一点に絞られてきています。

日野さんは「安易なAI出力データは入らない」と言い切りました。けれども、どこまでが「人が作ったものをデジタル化する工程」で、どこからが「安易な出力」なのか、その線引きは今のところ言葉でしか示されていません。海外掲示板で925票が集まったのは、まさにその線が見えないからです。次のプレゼンテーションに期待してほしい、と日野さんは結んでいます。ただ、期待を確かめる材料は発売日か、その前に出る実機映像しかありません。

注目の伸び方も、日本より海外のほうが大きく出ています。Wikimedia Pageviews APIで閲覧数を取り直すと、英語版Wikipediaの「Level-5 (company)」は9月8日の423回に対し、発表会当日の9月10日が6,968回。平時の16.5倍です。日本語版「レベルファイブ」は245回から2,740回で11.2倍でした。同じ出来事で、英語版のほうが絶対数で2.5倍動いています(集計は2026年9月11日まで。このAPIは2日ほど遅れて確定するため、謝罪があった9月12日分はまだ入っていません)。見られている時期に何を出すかで、12月の受け止めは変わります。

関連記事:【フランス】レベルファイブ、初代『レイトン教授』のリメイクを2027年に発売へ

編集部
吉沢まこと
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

日本のアニメ・ゲーム・音楽・カルチャーが海外でどう受け止められたかを、賛否そのままに、現地語の一次ソースで確かめてから日本語にしています。褒めるだけの国内報道とは違う角度で。続報があれば更新日を明記して追記します。