2026年8月19日 海外メディアとファンの愛を、脚色なしで日本語に @VelleityNote
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【韓国】BLACKPINKジェニーのサマーソニック「露出事故」動画、韓国メディアがAI加工の疑いを指摘。半日で1,200万回拡散

編集部
吉沢まことVelleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
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3行サマリー

  • BLACKPINKジェニーの「露出事故」とされる動画が、投稿から半日で1,200万回再生・9,000回超の共有まで広がりました(ヘラルドミューズ報道)。ただし公演全体の生中継映像には、同じ場面が見当たりません。
  • 韓国では性暴力処罰法14条の2により、本人の意思に反した性的な合成映像を営利目的で流した場合、最長7年の懲役。2024年の改正で、所持や視聴だけでも処罰の対象になりました。
  • 日本にはディープフェイクそのものを直接罰する法律がなく、名誉毀損罪(3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)などの既存の条文を当てるしかないのが現状です。

サマーソニックの動画が半日で1,200万回。公式生中継に同じ場面はない

BLACKPINKのジェニーさんが、8月14日の東京公演と8月16日の大阪公演で「SUMMER SONIC 2026」のヘッドライナーを務めました。その公演映像とされる短い動画が、激しい振り付けの最中に身体の一部が見えているとしてソーシャルメディアで急速に広がっています。ヘラルドミューズによれば、投稿から半日で再生回数は1,200万回を超え、共有は9,000回以上。スポーツソウルは同じ動画の再生回数を1,250万回としています。

ただ、この動画には決定的におかしな点があります。公演全体を映した生中継の映像には、同じ場面がまったく見当たらないのです。そのため韓国メディアは、AIによる加工の可能性を早い段階から伝えています。動画が本物なのか合成なのか、現時点で真偽は確認されていません。

海外のユーザーからは「本物じゃないよね?」「これは偽物。誰かが編集したものだ」といった戸惑いの声が相次ぎ、「動画を消してほしい。ジェニーへの敬意はないのか」「拡散しないで」と止めに入る投稿も目立ちました。一部に性的な中傷を書き込むユーザーもいましたが、そこへ別のユーザーが「自制しろ」と返信を重ね、コミュニティ側が自分たちで火を消しにいく空気が生まれています。

本サイトでは、この動画を掲載もリンクもしません。真偽が確認されていない段階で性的な文脈の映像を運ぶことは、加工だった場合に被害を広げる行為そのものになるからです。

【追記 2026/08/19】所属事務所のOAエンターテインメントが8月18日、公式SNSで法的対応に入ったと発表しました。「アーティストの写真および映像を悪意をもって編集・加工したり、私生活および人格権を侵害する形で掲載・流布する行為が継続的に確認されている」として、専門の法律代理人とともに該当する投稿とアカウントを監視して証拠を集めており、重大な権益侵害については民事・刑事の法的対応を進めているとしています。とくに外見的特徴を悪意をもって編集・再加工する行為や、特定の写真・映像の一部場面を繰り返し投稿・再投稿する行為に対しては「いかなる示談も寛大な処分もない」と明記しました。ただし当該動画がAIで加工されたものかどうかは、この発表でも確認されていません。(出典:스타뉴스 / 텐아시아

ヘラルドミューズ報道:「生中継に無い場面」だからAI加工の可能性が出た

出典[뮤즈이슈]도쿄 달군 제니, ‘가슴 노출’ 사고 영상 퍼졌는데…AI 조작 논란(헤럴드뮤즈 / 2026年8月17日)

出典제니, 무대 사고에 눈물 ‘글썽’ 후 심경…”모든 게 완벽할 순 없어”(텐아시아 / 2026年8月17日)

公演全体の生中継映像には見当たらない場面のため、この動画がAIで加工された可能性が指摘されている。まだ正確な真偽は確認されていない。

「生中継には無い」という一点が、この件でいちばん重い事実だと受け止めました。会場でカメラを回していた無数のファンの映像でもなく、公式が丸ごと配信した映像でもないところから、その場面だけが現れている。もちろん、それだけで合成と断定はできません。断定はできませんが、拡散する側が確かめずに広げてよい理由にもなりません。

大阪公演で実際に起きたのは、マイクと衣装の不具合だった

同じ公演で、確認できているトラブルは別にあります。ヘラルドミューズによれば、ジェニーさんはマイクが正しく動かず、たたきながら困った表情を見せ、公演の途中では後ろを向いて衣装を整えていました。うまく運ばない状況に、こみ上げるものをこらえる場面もあったと伝えられています。

そのあと彼女は、観客にこう説明しました。「ごめんなさい。今日は衣装に少し問題がありました。こんなに暑くて汗をかくとは思っていませんでした」。そして「それでも一緒にいます」と続け、態勢を整えてステージに戻っています。テンアジアは、8月16日の大阪・万博記念公園の公演で衣装とマイクに問題が起きたと報じており、手が震えたり涙をこらえたりする様子を収めた映像が韓国のコミュニティで広がったとしています。

衣装そのものについても、誤解が独り歩きしました。ジェニーさんが東京公演で着ていたのは、カルバン・クラインが手がけた特注のルックです。スポーツソウルは、1993年のランウェイでケイト・モスが見せたスタイルへのオマージュだと報じています。ジーンズを腰より低く下げる「サギング」も、1990年代を意識した意図的な組み立てでした。「下着だけを着ていた」という語られ方は、この文脈をまるごと落としています。

日本には性的ディープフェイクを直接罰する法律がない

ここが日本の読者にとっていちばん切実な部分だと思います。舞台は日本のフェスでしたが、仮に同じことが日本で起きた場合、法律の受け皿は韓国とかなり違います。

韓国側は明確です。スポーツソウルが国家法令情報センターを引いて伝えたところによると、頒布などを目的として、人の顔・身体・音声を本人の意思に反して性的な形に編集・合成した場合、性暴力処罰法14条の2(虚偽映像物などの頒布等)が適用されることがあります。営利目的で流せば最長7年の懲役。しかも2024年の法改正以降は、拡散の意図がなくても、単に所持したり視聴したりしただけで処罰の対象になります。

一方の日本には、ディープフェイクの作成や公開そのものを禁じる専用の法律がありません。2025年6月に成立したAI関連の新法も基本法の性格にとどまり、罰則規定を持っていません。使えるのは既存の条文で、代表的なのが名誉毀損罪(刑法230条1項)の3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、それにわいせつ電磁的記録頒布等罪です。韓国の7年と並べると、抑止力の設計思想がそもそも違うことがわかります。

この差は、海外アーティストが日本のフェスに立つときにそのまま跳ね返ってきます。日本の会場で撮られた映像が日本のユーザーの手で加工され日本語圏で広がった場合、韓国の専用法は届きにくく、日本側には正面から当てる条文がない。7月に千葉公演が告知された時点では、こんな話になるとは誰も考えていなかったはずです。ウィキメディア財団が公開している閲覧数データ(2026年8月18日取得)では、日本語版「SUMMER SONIC」の1日あたり閲覧数は直近7日平均で835回と、その前の7日間の170回から約4.9倍に伸びています。関心は確実に日本側にも来ています。

7つのフェスを終えたジェニーは「完璧である必要はない」と書いた

ジェニーさんは8月17日、自身のSNSに長文を投稿しました。この3か月、ガバナーズ・ボール(アメリカ)、ロスキレ(デンマーク)、オープンエア(ポーランド)、マッド・クール(スペイン)、ロラパルーザ・シカゴ、そしてサマーソニックと、計7つのフェスにヘッドライナーとして立ってきた区切りの言葉です。

「振り返ると予想しなかった瞬間も本当に多く、よい瞬間もつらい瞬間もあった。そしてそれがただ人生の一部なのだと気づいた」。彼女はそう書いたうえで、「すべてが完璧であることはできないし、もしかすると最初から完璧である必要もないのだと思う」と続けています。

その言葉のあとで、真偽の確認されない動画が1,200万回運ばれている。この非対称こそが問題の中身です。合成かどうかの結論は、これから出るかもしれませんし、出ないかもしれません。ただ、結論が出るまでのあいだに何回共有されたかは、もう取り消せません。私たちにできるのは、確かめていない映像を運ばないという、ひどく地味な一つだけです。

編集部
吉沢まこと
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

日本のアニメ・ゲーム・音楽・カルチャーが海外でどう受け止められたかを、賛否そのままに、現地語の一次ソースで確かめてから日本語にしています。褒めるだけの国内報道とは違う角度で。続報があれば更新日を明記して追記します。