【中国】キルラキル主題歌のGARNiDELiA、現地オーディションで7900万票の1位。『極楽浄土』が国民的ヒットになった理由

3行サマリー
- GARNiDELiAのメイリアが中国の音楽番組「乗風2023」で7900万票を集め、33組中の1位を獲得した。
- 火付け役は2016年公開のダンス動画『極楽浄土』。bilibiliに投稿された踊ってみた動画は累計6億回を超え、本家動画も1億回を突破している。
- 日本では主にエンタメ媒体が扱う程度だが、中国では「親戚のおばあちゃんも知っている」とまで言われ、人気の温度差が大きい。
GARNiDELiAのメイリア、中国の音楽番組「乗風2023」で7900万票を集め1位に
日本のアニメソングで知られる男女ユニットGARNiDELiA(ガルニデリア)が、中国で「親戚のおばあちゃんも知っている」と言われるほどの知名度を持つようになった。きっかけは、ヴォーカルのメイリアが出演した中国のオーディション番組「乗風(チェンフォン)2023」だ。中国や海外の芸能人33組が競うこの番組で、メイリアは7900万票を集め、大差をつけて1位になった。この優勝が中国でのブレイクを決定づけている。
メイリアは2025年3月、自身初の自伝エッセイ『I am MARiA』を出版し、いじめやデビューと解散を繰り返した下積み、そして中国での突然のヒットまでを率直に書いている。
リアルサウンドの報道:自伝エッセイ『I am MARiA』が明かす中国ブレイクの経緯
元ネタ:なぜ中国で大ブレイク? 音楽ユニットGARNiDELiA・メイリア、初の自伝エッセイ発売(リアルサウンド ブック / 2025-03-10)
中国のオーディション番組「乗風(チェンフォン)2023」に参加し、いまや中国では「親戚のおばあちゃんも知っている」と言われるまで話題となった。
記事によれば、優勝に先立って中国の動画配信サービスbilibiliで『極楽浄土』が大きくバズり、ユーザーが投稿した踊ってみた動画は累計6億回を超えていた。番組での得票は、すでに広がっていた人気の上に積み上がったものだった。
火付け役は2016年のダンス動画『極楽浄土』、bilibiliへの転載で爆発した
ブレイクの起点は、2016年に動画共有サイトへ投稿されたダンス動画『極楽浄土』だ。きらびやかな着物を着たメイリアたちが和風のサウンドに合わせて踊るこの動画は、ファンが中国のbilibiliに転載したことで火がついた。本家のダンス動画シリーズ「踊っちゃってみた」は全10作品で累計3億回再生を超え、『極楽浄土』単体の総再生回数は1億回を突破している。
当初、本人たちは人気の理由がわからなかったという。Weiboのフォロワーが5万人増えても心当たりがなく、中国の知人から「ダンスコンテストで15人中10人が『極楽浄土』を使っている」「街でもスーパーでもかかっている」と聞いて、ようやく事態をのみ込んだ。自分たちでアップした動画ではなかったため、再生回数が伸びても気づけなかったのだ。
和メロとEDM、派手なビジュアル、そして中国の踊り手文化が拡散を後押しした
なぜ中国で刺さったのか。コンポーザーのtokuは、和風メロディーとEDMの組み合わせを挙げる。日本人には次の展開が読める和メロが、中国のリスナーには新鮮に響いたのではないかという見立てだ。メイリアは、コスプレ文化が根づき見た目への意識が高い中国では、衣装やダンスがひと目で華やかとわかる点が好まれたと分析している。
人気を体感したのは2017年、上海のbilibiliイベントだった。3000人規模のステージは満杯で、踊り手たちが「写真を撮ってください」と殺到した。2018年のライブ配信ではリアルタイム視聴者が700万人を超え、日本のネット生放送の規模とは桁が違った。ファンだけでなく、Weiboで100万人のフォロワーを抱える踊り手たちまでが熱狂したことが、拡散の規模を押し上げている。
日本でも注目されている? 本国での国民的人気との温度差
これだけの実績がありながら、日本ではGARNiDELiAの中国での存在感はあまり知られていない。全国紙やテレビのニュースで大きく扱われることは少なく、情報の多くはエンタメ媒体やインタビュー記事にとどまっている。tokuも、中国の情報が日本に入ってきにくいのに、中国側には日本語を話せる人が多い、という非対称を気にしていた。
日本のアニメソングやボーカロイド文化が海外でどう受け止められているかを追う立場からすると、GARNiDELiAは「日本人が気づかないうちに海外で評価が固まる」典型例だ。キルラキルの主題歌でメジャーデビューしたユニットが、アニメというルートを通じて中国の一般層にまで届いたことは、日本コンテンツの輸出経路を考えるうえで見過ごせない。
「日本人が知らないうちに海外で神になる」時代の象徴
GARNiDELiAの中国でのヒットは、本人たちの戦略というより、ファンの転載と踊り手文化が偶然つくり出した現象だった。だからこそ、楽曲とビジュアルが言葉の壁を越えたときに何が起きるか、よくわかる事例だと思う。7900万票も6億回も、そうやって積み上がっていった数字だ。日本国内の知名度と海外での評価がここまで食い違う事例は、これからも増えていくとみていい。
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