2026年10月19日 海外メディアとファンの愛を、脚色なしで日本語に @VelleityNote
Home/ゲーム/【アメリカ】『極限脱出』の打越鋼太郎氏、1年半作った新作が中止と告白。投稿は71万表示、海外では「仕掛けでは」と疑う声
ゲーム アメリカ

【アメリカ】『極限脱出』の打越鋼太郎氏、1年半作った新作が中止と告白。投稿は71万表示、海外では「仕掛けでは」と疑う声

吉沢まこと
Velleity Note 編集長
公開
最終更新
現地の一次ソースで確認 約5分で読めます
【アメリカ】『極限脱出』の打越鋼太郎氏、1年半作った新作が中止と告白。投稿は71万表示、海外では「仕掛けでは」と疑う声

3行サマリー

  • 『極限脱出』『AI: ソムニウム ファイル』の打越鋼太郎氏が10月15日1時(日本時間)、チームで約1年半作ってきた新作が突然中止になったとXで明かしました
  • あわせて2025年3月に東京・渋谷で設立していた新会社「CRASH KEYS」を、2027年の予定を前倒しして公表し、仕事と出資を募っています
  • 英語の投稿は約6時間で71万表示・いいね1万超。海外では公式サイトの暗号文から「新作の仕掛けでは」と疑う声も出ています

広告

打越鋼太郎氏、1年半かけた新作の中止を告白し新会社CRASH KEYSを前倒しで公表

『極限脱出』シリーズや『AI: ソムニウム ファイル』で知られるシナリオライター・ディレクターの打越鋼太郎氏が、手がけていた新作ゲームの開発中止を自ら明かしました。英語アカウントへの投稿は日本時間10月15日1時。チーム全員で約1年半、心血を注いできたゲームが突然キャンセルされ「一夜にして職を失った」と書いています。

同じ投稿で、2025年3月に会社を立ち上げていたことも公表しました。社名は「CRASH KEYS(クラッシュキーズ)」。ゲームデザイン、ディレクション、ナラティブライティングを専門とするスタジオで、打越氏が代表取締役を務めます。本来は2027年に新作と同時に公表する予定だったものの、中止を受けて前倒しにしたという経緯です。

中止になったゲームのタイトルや発注元、中止の理由は明かされていません。

Gematsuは設立発表、Kotakuは「何かがおかしい」と追記

出典:Kotaro Uchikoshi Eng の投稿(X / 2026年10月15日1時・日本時間)

出典:Zero Escape And Hundred Line Director’s New Game Canceled Before He Could Announce New Studio [UPDATE: Something’s Off](Kotaku / 2026年10月14日・現地時間)

出典:Kotaro Uchikoshi establishes new studio CRASH KEYS(Gematsu / 2026年10月14日・現地時間)

Please give us some work!! At this rate, our company might literally CRASH into a million pieces.

「仕事をください! このままでは会社が文字どおりCRASHして粉々になってしまうかもしれません」。社名にかけた冗談まじりの一文ですが、仕事の依頼や投資の提案は公式サイトの問い合わせフォームで受け付けるとしています。

Gematsuによると、CRASH KEYSの所在地は東京・渋谷で、打越氏のほかにライターのAkira Mine氏、シナリオライターのMuri Sasaki氏が在籍しています。日本語でも同日、出資パートナーを募っていることと、新たなオリジナルプロジェクトを準備が整い次第順次発表することがAUTOMATONや4Gamerで伝えられました。

公式サイトの暗号文が『極限脱出』そのもので、海外ファンはARGを疑う

海外で議論になっているのは、中止の報告そのものより公式サイトのつくりです。トップページには日付と秒刻みの時計、意味の取れないアルファベットの暗号文、そして「RHIZOME-9」「MEMENTO MORI, IF THE NIN”e”TH LION ATE THE SUN」という2つの文字列だけが並んでいます。

Anime News Networkは、この一文がシリーズ2作目『極限脱出ADV 善人シボウデス』に登場する場所と結びついていると指摘しました。メンバー紹介ページにも暗号化された名前が2人分あり、シリーズの登場人物ではないかとみられています。

Kotakuは記事を公開した後に見出しへ「Something’s Off(何かがおかしい)」と書き足しました。ファンが解読したサイト内の文には「WE ARE CRASH KEYS, AN ORGANIZATION FORGED TO REWRITE SEVERAL ILL-FATED FUTURES(われわれは不運な未来を書き換えるために作られた組織、CRASH KEYS)」とあり、『極限脱出 9時間9人9の扉』のキャラクター「サンタ」を最高財務責任者とする記述や、サイトは「見せかけ」だとする一文も見つかったと伝えています。

打越氏の投稿にも「(内緒話だけど、世界平和を守る秘密組織でもあります)」という一文がありました。現実と作品の境目をわざとぼかすARG(代替現実ゲーム)の入口ではないか、という読みはここから来ています。ただし打越氏本人は中止を撤回しておらず、仕掛けかどうかについてもコメントしていません。

r/Gamesは281票、「本当なら投資家探しは悪夢」と案じる声

海外最大級のゲーム掲示板Redditのr/Gamesでは、中止を伝えるスレッドが日本時間15日7時時点で281票・コメント31件を集めていました。目立つのは「サイトの暗号が『善人シボウデス』の台詞になっている。ARGだと思う」という見方と、それを打ち消す声の両方です。

一方で「本人が媒体に連絡して取材も受け付けているのだから本物だろう」とみる書き込みも上位にあり、「今の時代、彼のようなニッチな作品で投資家を探すのは悪夢だろう」と案じる書き込みに支持が集まっています。

Xの元投稿には、日本時間15日7時の時点で表示71万回、いいね1万716件、リポスト3,826件。返信欄では「クラウドファンディングをやってほしい、喜んで出す」という英語圏ファンの申し出が上位に並んでいました。

英語圏で先に騒がれるのは、打越作品の主な市場が海外だから

告知が英語アカウントで先に広がり、海外メディアが一斉に取り上げた背景には、打越作品の受け止められ方の差があります。『極限脱出』シリーズは北米で『Zero Escape』の名で知られ、今回もKotaku、Gematsu、Anime News Networkが数時間のうちに相次いで記事にしました。国内では2025年の『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』で再び名前が知られたものの、「打越の新作」を待つ層の厚さは英語圏の方が上だと感じます。

日本の読者として押さえておきたいのは、仮にこれがARGの一部だったとしても、「1年半作ったゲームが中止になった」と本人が書いた事実は残るという点です。中止が本当なら、日本のADVを代表する書き手が出資者探しを公に呼びかけざるを得ない状況にあるということ。仕掛けだったとしても、2027年に何かを出すつもりであることは変わりません。どちらに転んでも、打越氏の次の一手が英語圏の熱量に支えられて動き出そうとしているのは確かです。

次の手がかりは「準備が整い次第」の新プロジェクト発表

CRASH KEYSは新たなオリジナルプロジェクトを準備が整い次第発表するとしています。サイトの時計が何かのカウントにつながっているのか、暗号の残りが何を示すのかは、海外のファンが今も解読を続けているところです。中止の真偽よりも、次に何が明かされるかを見守りたいと思います。

広告

吉沢まこと
Velleity Note 編集長(EIC)・エディトリアルディレクター

Webデザイナー、雑誌出版社のWebディレクター、コンテンツマーケター、Web広告プランナーを経て、現在は愛知県の業界No.1企業のインハウスのAIプロダクトマネージャー兼データサイエンティスト。Velleity Noteでは編集長としてメディアの編集方針を定めるとともに、AIとの共著で記事を制作する自動化ワークフローの設計とシステム開発を手がけている。