【ブラジル】日本のプレステ、ディスク廃止に議員抗議も地元ゲーマーは援護。皮肉投稿に2000いいね

3行サマリー
- ソニーが2028年1月から、プレイステーション向け新作ゲームのディスク生産を全面終了すると7月1日に発表
- ブラジル連邦下院議員エリカ・ヒルトン氏が7月2日、消費者保護当局セナコンに調査を要請
- ブラジルのゲーマーは議員に同調せず、皮肉る投稿が拡散。ある投稿は2,000件超の「いいね」を集めた
ブラジル議員がソニーに「消費者保護」を求めたら、援護されたのはソニー側だった
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは7月1日、2028年1月以降に発売するプレイステーション向け新作ゲームについて、ディスク版の生産を終了すると発表した。以降はPlayStation Storeと販売店での「ダウンロード版のみ」に切り替わる。33年続いたディスク文化の節目とあって世界中で反応が広がったが、なかでも展開が変わっていたのがブラジルだ。
連邦下院議員のエリカ・ヒルトン氏(PSOL=社会主義自由党)が消費者保護の観点からソニーを問題視し、当局に調査を要請した。ところが肝心のブラジルのゲーマーたちは議員を支持するどころか、こぞって皮肉る側に回った。消費者を守ろうとした政治家が、当の消費者から見放される。そんなちょっとしたねじれ話だ。
Insider Gaming Brasil報道:エリカ・ヒルトン議員が消費者保護当局に調査要請
元ネタ:Deputada Erika Hilton pede investigação sobre fim das mídias físicas no PlayStation(Insider Gaming Brasil / 2026年7月3日)
“SEM JOGUINHO COM OS CONSUMIDORES! Estou encaminhando à Secretaria Nacional do Consumidor as denúncias que recebi sobre o anúncio do fim dos jogos em mídia física pros consoles PlayStation.”
(訳:「消費者を舐めるな。プレイステーション向けの物理メディア終了について寄せられた告発を、消費者保護庁に転送している」)
ヒルトン議員は下院消費者保護委員会のメンバーとして、ディスクドライブ搭載モデルを販売し続けながらソフトを完全デジタル化する点を「抱き合わせ販売」の疑いがあると主張した。中古売買・貸し借り・譲渡・コレクションの保存といった、物理メディアならではの権利が失われる懸念を挙げ、消費者保護法違反の可能性があるとしてセナコン(連邦消費者保護局)に調査を求めている。
「消費者を舐めるな」の投稿に2,000いいね超、擁護されたのはソニーだった
議員の意図とは裏腹に、ブラジルのゲーマーコミュニティの反応は冷ややかだった。ゲームメディアCabana do Leitorによれば、他国の世論がソニーの決定に批判的だったのとは対照的に、ブラジルでは多くのプレイヤーが企業の商売の自由を擁護する側に回ったという。
特に拡散したのが、Xユーザー@lobotosashaの投稿だ。「NÃO NÃO NÃO NÃO É POSSÍVEL QUE ISSO SEJA REAL KKKKKKKKKKKK(まさかこれ本当にあった話?www)」という一言で議員の要請を茶化したこの投稿は、2,000件を超える「いいね」を集めて瞬く間にバイラル化した。業界の構造変化に対して、当事者であるはずのブラジルのゲーマーたちが返した答えは「政治が口を出す話じゃない」だった。
日本のプレステファンにとっての意味:ディスク終了は「予告済みの既定路線」
日本国内でも同日、PlayStation.Blogが同内容を告知し、コメント欄には100件近い反応が集まった。実はソニーは今年3月時点ですでに、日本国内のPS5デジタルエディション販売を終了しディスクドライブ搭載モデルに一本化する動きを見せており、今回の発表はその延長線上にある。日本経済新聞は「33年の歴史に幕」と報じ、2025年度のフルゲームソフト販売はダウンロード版が約8割、ディスク売上は総収入の5%未満という数字を、決定の裏付けとして挙げている。
日本のプレイステーションファンにとって驚きが少ないのは、こうした流れをずっと見てきたからだろう。むしろ面白いのは、同じ発表でも国によって受け止め方がここまで違ったという点だ。韓国のゲーム掲示板ではディスク終了そのものへの抗議一色になったのに対し、ブラジルでは終了そのものより議員の”介入”の方が槍玉に挙げられた。同じニュースでも、受け手の社会や政治の空気次第でまるで違う話になる。
消費者保護を訴えた議員に、当の消費者が反発する構図
ヒルトン議員の要請自体は、抱き合わせ販売やライセンスの一方的な失効といった、消費者保護として筋の通った論点を含んでいる。内容そのものが的外れというわけではない。それでも多くのゲーマーは「余計なお世話」と受け止め、企業の商売の自由を擁護する側についた。セナコンが実際に調査に乗り出すかどうかはまだわからない。ただブラジルの世論を見る限り、正義感より「自分がどう遊びたいか」という生活実感の方が勝った、というだけの話に見える。
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