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【アメリカ】『ドラゴンボールZ』英語版の作曲家、テキサス州司法長官に当選。67話を手がけた異色の経歴に海外ファン沸く

吉沢まこと
Velleity Note 編集長
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【アメリカ】『ドラゴンボールZ』英語版の作曲家、テキサス州司法長官に当選。67話を手がけた異色の経歴に海外ファン沸く

3行サマリー

  • 11月3日(現地時間)の米中間選挙で、民主党のネイサン・ジョンソン氏がテキサス州司法長官に当選。得票率は約52.3%
  • 民主党候補がこの職に選ばれるのは32年ぶり。本人は『ドラゴンボールZ』英語版の67話と劇場版5作の劇伴を手がけた経歴を持つ
  • Redditでは関連投稿が1.5万超の高評価を集め、「起訴まで22話かかる」などDBZ定番ネタで祝う声が並んだ

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『ドラゴンボールZ』英語版の作曲家ネイサン・ジョンソン氏、テキサス州司法長官に当選

アメリカ・テキサス州で、日本のアニメ『ドラゴンボールZ』の英語吹替版に音楽を付けていた人物が、州の司法トップに選ばれました。11月3日(現地時間)の中間選挙で、民主党のネイサン・ジョンソン州上院議員が司法長官選を制しています。

地元公共ラジオKUTによると、AP通信の集計でジョンソン氏の得票率は約52.3%、共和党のメイズ・ミドルトン州上院議員は約46%でした(いずれも非公式集計)。ミドルトン氏はすでに敗北を認めています。音楽メディアConsequenceは、テキサス州で民主党の司法長官が誕生するのは32年ぶりだと伝えました。就任は2027年1月の予定です。

ジョンソン氏はダラス選出の州上院議員で、本業は弁護士です。Kotakuによると、政治の道に入る前に音楽会社を営み、『ドラゴンボールZ』英語版の劇伴を作っていた時期があります。

Complex報道:本人が「67話と劇場版5作の音楽を書いた」と明かす

出典:‘Dragon Ball Z’ Composer Nathan Johnson Elected Texas Attorney General in Historic Win(Complex / 2026年11月5日)

出典:Democrat Nathan Johnson triumphs in Texas AG race to replace Ken Paxton(KUT / 2026年11月4日)

“I composed the musical scores for 67 episodes and five movies and had a great time doing it.”

Complexが紹介した本人の言葉です。ジョンソン氏は「『ドラゴンボールZ』を見て育った人なら、思っているより私を知っているかもしれない」と前置きし、67話と劇場版5作の音楽を担当したと説明しています。あの仕事は創作の場であり、ほとんどの人が持てない文化的なつながりを与えてくれた、とも振り返りました。

当選の翌日には、Consequence、Kotaku、Complexといったエンタメ系メディアが相次いでこの経歴を取り上げました。州の選挙結果が、アニメの話題として読まれていったわけですね。

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担当したのはFunimationの再吹替版、日本版の音楽とは別物だった

ジョンソン氏が作ったのは、日本で放送された『ドラゴンボールZ』の音楽ではありません。北米で吹替版を手がけたFunimationが、序盤67話を吹き替え直した再吹替版(Ultimate Uncut Special Edition)に付けた独自の劇伴です。日本版の音楽は菊池俊輔さんが担当しています。

劇場版5作も同じく英語版の音楽です。対象は『この世で一番強いヤツ』『地球まるごと超決戦』『危険なふたり!超戦士はねむれない』『復活のフュージョン!!悟空とベジータ』『龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる』とされています。

では、なぜ英語圏のファンはここまで盛り上がったのか。英語版で育った世代にとって「DBZの音楽」とは、日本の視聴者が知る菊池さんの曲ではなく、吹替版に付いた音楽だからです。自分たちが子どもの頃に聴いた音を作った人物が、州の司法トップになった。しかも選挙結果が全米で注目された夜に知られたことで、政治に関心のない層にまで話が届きました。

Redditの反応:「起訴まで22話かかる」とDBZネタで祝福

Redditの音楽コミュニティr/Musicでは、この当選を伝える投稿が1万5千を超える高評価と350件以上のコメントを集めました(11月5日時点)。目立ったのは、作品の定番ネタを選挙に当てはめた冗談です。以下は上位コメントの意訳です。

  • 「これで起訴されるまでに22話かかるわけだ」(最も高評価のコメント。戦いの前置きが何話も続く作風へのツッコミ)
  • 「彼が『スーパー召喚状』に覚醒する日が楽しみ」(スーパーサイヤ人と、裁判所の召喚状をかけた言葉遊び)
  • 「得票差を調べたら9000以上だった」「ベジータ、得票差はいくつだ?」「60万以上だ!」(有名な「戦闘力8000以上」の場面のもじり)
  • 「アニメの吹替業界の多くはテキサスにある。80〜90年代の作品の声優の多くがテキサスに住んでいた」

「スペイン語版は日本のオリジナル音楽を使っていたから、ヒスパニック系の有権者は彼の仕事を知らないはず」という書き込みもありました。冗談に乗りながらも、吹替版ごとに音楽が違うことまで知っているあたり、ファンの年季を感じます。

同じ夜には、ゲーム『Halo』の作曲家マーティ・オドネル氏が共和党候補としてネバダ州の連邦下院選に挑み、現職に敗れています。Kotakuは2人を並べて記事にし、Redditでも「もう一人の作曲家が負けたのがさらに面白い」というコメントが700以上の高評価を得ました。

日本のアニメの吹替が、アメリカの司法長官の経歴に残った

日本のアニメは海外に渡るとき、現地の人の仕事を生みます。『ドラゴンボールZ』は北米で吹替版として広まり、その過程でジョンソン氏のような現地の作曲家が音楽を書きました。その人が長い年月を経て州の司法トップに立ち、ファンは作品のネタで当選を祝っています。

日本の視聴者がほとんど耳にしたことのない英語版の音楽が、アメリカでは一つの世代の思い出になっていた。個人的には、そこがいちばん印象に残りました。アニメの海外展開は、作品の人気だけでなく、現地の人の経歴や記憶にも跡を残しています。

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吉沢まこと
Velleity Note 編集長(EIC)・エディトリアルディレクター

Webデザイナー、雑誌出版社のWebディレクター、コンテンツマーケター、Web広告プランナーを経て、現在は愛知県の業界No.1企業のインハウスのAIプロダクトマネージャー兼データサイエンティスト。Velleity Noteでは編集長としてメディアの編集方針を定めるとともに、AIとの共著で記事を制作する自動化ワークフローの設計とシステム開発を手がけている。

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