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【サウジアラビア】日本の東映とアニメを学んだ国が、新作は中国bilibiliと。仏アヌシーで聴覚障害の少女の物語『ヘナ』を発表

編集部
Velleity Note 編集部Overseas Reception, Read Straight
公開 2026/07/02
最終更新 2026/07/02
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【サウジアラビア】日本の東映とアニメを学んだ国が、新作は中国bilibiliと。仏アヌシーで聴覚障害の少女の物語『ヘナ』を発表

3行サマリー

  • サウジのマンガプロダクションズが、中国bilibiliと組んだ8分の手描き短編アニメ『ヘナ』を、6月24日にフランスのアヌシー国際アニメーション映画祭で発表した。
  • bilibiliとアラブ企業が共同でアニメを作るのは初めてで、2025年8月に結んだ戦略提携の最初の成果の一つ。物語は1950年代のサウジ農村に暮らす聴覚障害の少女リーマが主人公。
  • この会社は日本の東映アニメーションと映画『ジャーニー』などを共作してアニメ産業を育てた経緯があり、次のパートナーに日本ではなく中国を選んだ点が、日本のアニメ外交に宿題を残した。

マンガプロダクションズ、中国bilibiliと組んだ短編『ヘナ』をアヌシーで初披露

サウジアラビアの制作会社マンガプロダクションズが、新作の短編アニメ『ヘナ』を発表した。舞台は6月23日から26日までフランスで開かれたアヌシー国際アニメーション映画祭で、発表は24日。8分の手描き作品で、ほぼ完成しているという。共同制作に名を連ねたのは日本のスタジオではなく、中国の動画配信大手bilibiliだった。

物語の主人公は、1950年代のサウジの農村に生きる聴覚障害の少女リーマ。彼女がヘナ(手や体に描く伝統的な装飾)の技を通して、自分の内側にある声を見つけていく。制作に関わったのはサウジのアーティストとクリエイターだけで、会社は「サウジ・アニメ」という独自のスタイルだと位置づけている。

Arab News報道:bilibiliとアラブ企業の初共作、2025年8月の提携が実を結んだ

元ネタManga Productions announces new animated short film project, “Henna”, in collaboration with Bilibili(Arab News Japan / 2026年6月)

監督のリヤド・アルドサリ氏は、『ヘナ』は困難のなかでも自分の内なる声と自己表現の力を映す、人間的なメッセージを持った作品だと語った。

報道によれば、『ヘナ』はbilibiliとアラブの企業が初めて共同で手がけたアニメで、両社が2025年8月に結んだ戦略提携から生まれた最初の成果の一つにあたる。マンガプロダクションズは、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の財団「ミスク」傘下の会社だ。

東映と組んでアニメを覚えた国が、次のパートナーに中国を選んだ

マンガプロダクションズは、もともと日本のアニメを手本にして育ってきた会社だ。2021年には東映アニメーションと長編映画『ジャーニー』を共作し、テレビシリーズ『アサティール』も日本のスタジオと組んで作ってきた。サウジのアニメ産業は、実質的に日本との共同制作を通して技術と作り方を吸収してきたと言っていい。

その会社が、今回は日本のスタジオを外して中国のbilibiliと組んだ。しかもアヌシーというヨーロッパの舞台で、「サウジ・アニメ」という自前のブランドを掲げて発表した。日本から学んだ側が、日本を通さずに世界へ出ていく段階に入ったことがはっきり見える動きだ。背景には、bilibiliが持つ巨大な配信網と、中国側がアラブ市場に食い込みたいという思惑もある。

日本のアニメ外交にとって、育てた市場が中国に傾く意味

日本にとって、これは他人事ではない。サウジは日本が長年かけて関係を築いてきたアニメの重要な相手で、リヤドでの日本文化イベントや東映との共作は、その象徴だった。そこへ中国が資本と配信力を持ち込み、共同制作という一番深いところで手を組み始めている。日本が「技術を教える先生」の位置にいるあいだに、次の実利を中国がさらっていく構図になりかねない。

一方で、『ヘナ』が日本のアニメ表現の影響を色濃く受けた作品であることは変わらない。日本のアニメが世界の作り手の共通言語になった、という見方もできる。ただ、その共通言語で誰と組んで、どの市場で稼ぐのか。そこで日本の名前が減っていくなら、ソフトパワーの話を美談で終わらせるわけにはいかない。

日本が「教えた」だけで終わるのか、稼ぐ側に回れるのか

『ヘナ』は、聴覚障害の少女が声を見つける小さな物語であると同時に、サウジのアニメ産業が日本の手を離れて独り立ちしていく合図でもある。日本のアニメが中東に根づいたのは間違いなく成果だ。問題は、その成果の次の実りを、日本が中国に明け渡すのかどうか。教えた相手が誰と組むかを決める段階で、日本が選ばれ続ける理由をどう作るかが、これから問われる。

編集部
Velleity Note 編集部
Overseas Reception, Read Straight

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