【アメリカ】ソニーのクランチロール、通販から日本の漫画とライトノベルが全部消えた。買えるのは月13.99ドル以上の会員だけ

3行サマリー
- クランチロールの通販サイトが8月18日に刷新され、漫画・ライトノベル・マンファ・ダンメイの書籍がすべて売り場から消えました。
- 新しい店で買い物ができるのは、月13.99ドルのMega Fan以上に加入している会員だけです。
- 2022年8月に買収された北米最大級のアニメ・マンガ通販ライトストゥフの品ぞろえが、ここで事実上途切れました。
クランチロールの通販、8月18日の刷新で漫画とライトノベルが全部消えた
ソニー傘下のアニメ配信サービス、クランチロールの通販サイトが8月18日に生まれ変わりました。生まれ変わった結果、棚から本が丸ごと無くなっています。日本の漫画もライトノベルも、韓国のマンファも中国のダンメイも、購入できる商品として並んでいません。
これは前触れのない出来事ではありませんでした。クランチロールは7月に、8月から通販サイトを月13.99ドルのMega Fanと月17.99ドルのUltimate Fan、つまり上位2プランの加入者だけが買い物できる場所に変えると発表していました。新しい売り場の説明にあったのは「期間限定のドロップ」と「クランチロール限定グッズ」、そして一部のコレクティブル、Blu-ray、アパレル。書籍という言葉は、そこに入っていませんでした。
実際に開いてみたら、想定より削られていた。今回の反応の大きさは、この落差から来ています。
問い合わせたアニメ・ニュース・ネットワークに、クランチロールは回答しなかった
出典:The physical media selection at Sony’s Crunchyroll is even worse than fans feared after store update(GamesRadar+ / 2026年8月18日)
出典:Crunchyroll Store Removes Physical Manga, Light Novels(Anime News Network / 2026年8月18日)
The new subscriber-only Crunchyroll store has officially launched after a controversial overhaul.
Anime News Networkはクランチロールに説明を求めましたが、同社は回答を控えたと書いています。書籍のカテゴリーが今後戻るのかどうかについて、公式のコメントは出ていません。
7月の告知にあったのは「これから何を売るか」だけで、「何を売らなくなるか」は書かれていませんでした。長く買っていた人ほど、当日サイトを開くまで自分の欲しいものが残るかどうか分からなかったことになります。在庫の整理そのものより、この伝え方のほうが不信を集めたように見えました。
残ったのはフィギュアと服。GamesRadarが数えたBlu-ray・DVDは387点、ゲームは1点だけ
新しい売り場に並ぶカテゴリーは、新着・アクセサリー・アパレル・コレクティブル・ゲーム・ホーム・ホームエンターテインメント・ミュージックの8つ。中心にあるのはフィギュアと服です。
GamesRadarのオースティン・ウッド記者が実際に数えたところ、ホームエンターテインメントに残っていたBlu-rayとDVDのセットは387点で、そこにはCDとレコードも混ざっていたそうです。音楽のページは10点、ゲームのカテゴリーにいたっては『NARUTO -ナルト- 疾風伝』のボードゲームが1点だけ、という状態だったと報じています。同記者は、品ぞろえは今後追加されるだろうとしたうえで、書籍のようなカテゴリーごと戻るのかは分からないと書いています。
この387点という数字はGamesRadarが刷新直後に数えたもので、クランチロールが公表した数ではありません。ただ、以前の在庫を知っている人ほど桁が違うと感じる規模ではあります。
もうひとつ効いているのが、この店の来歴です。クランチロールは2022年8月に、北米でアニメやマンガの現物を買うならここ、と言われていた通販のライトストゥフを買収しました。ライトストゥフは2023年10月に自前の店をたたみ、商品をクランチロールストアへ移しています。移った先で買えていたものが、今回まとめて見えなくなった。「ライトストゥフを買収した意味は何だったのか」という受け止めが出てくるのは、この経緯があるからです。
Redditの反応は「ライトストゥフはこのために死んだのか」。買いだめに走った人もいた
海外アニメファンが集まるRedditのr/animeでは、この件を伝えるスレッドが2,700を超える支持と300件超のコメントを集めました。以下は上位のコメントの意訳です(原文の直訳ではありません)。
- 会員限定の店にすると発表された時点で、物理メディアの品ぞろえは減ると思っていた。売れなくなったことを理由に、そのうちBlu-rayの発売自体をやめるのではないか(約970の支持)
- ライトストゥフはこのために死んだのか(約390の支持)
- だからr/animecollectorsの人たちは駆け込みで買っていた。今後は期間限定で出して、無くなったらそれきり、という売り方になりそうだ(約240の支持)
- 物理メディアを集めている側だけれど、12話で60ドルという値付けはずっと好きになれなかった。高すぎるBlu-rayから、Blu-rayが無い状態になっただけとも言える(約50の支持)
最後のひとつが、この話を単純な「ファン対企業」に収めさせない部分だと感じました。もともと北米のアニメBlu-rayは高い、という不満は前からありました。そのうえで売り場が縮んだので、惜しむ声と、そこまで惜しくないという声が同じスレッドに並んでいます。SNSやRedditではこうした受け止めが目立ちますが、個々の匿名投稿そのものは、あくまで反応であって事実の裏づけではありません。
日本の作品を海外で「モノ」として買う窓口が、またひとつ狭くなった
棚から消えたのは、日本の漫画とライトノベルです。北米の読者が英語版の単行本を新品で買うとき、選択肢のひとつとして機能していた場所が、少なくとも今は使えなくなりました。日本の出版社にとっては、海外向けの現物流通の口がひとつ細ったことになります。
構造としては、ソニーが配信とデジタルに寄せていく流れの一部です。同じソニーのプレイステーションは、2028年にディスク版ソフトの生産を終えると伝えられています。ゲームでも映像でも書籍でも、同じ会社が同じ方向を向いている。今回の売り場の縮小を、クランチロール単体の判断としてだけ読むと、たぶん見誤ります。
日本国内で暮らしていると、書店にも通販にも紙の本が普通にあるので実感しにくい話です。ただ、海外のファンが日本の作品を手元に置きたいと思ったとき、その手段は日本より先に細っていきます。配信は増えているのに、持っておける形は減っている。今回の一件は、その差がはっきり見えた日でした。
クランチロール側が書籍を戻すのかどうかは、まだ何も言っていません。当面はr/animecollectorsのような場所で、何が買えて何が買えなくなったかの共有が続くことになりそうです。
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