【韓国】映画ちいかわ、公開前日の前売り20万2,216枚で全体1位。今年のアニメ映画の予売最多を更新

3行サマリー
- 韓国公開前日の9月29日午前8時11分(現地時間)時点で、劇場版『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』の前売りは20万2,216枚・予売率40.4%。上映中の全作品で1位です。
- 9月28日0時時点の15万4,918枚で、今年韓国で公開されたアニメーション映画の事前予売最多を更新しました。従来の記録は『スーパーマリオギャラクシー』の15万4,375枚です。
- 日本では7月24日の公開から66日間で興行収入が約168億5,000万円、動員が約1,155万人。韓国公開は9月30日です。
Series映画ちいかわ 海外公開全11本
映画ちいかわの海外公開。中国・台湾・香港でどう受け止められたかを国ごとに観測する。
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公開前日の前売り20万2,216枚、予売率40.4%で全作品1位
劇場版『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』(韓国題『극장판 치이카와: 인어 섬의 비밀』)が、韓国公開前日の時点で前売り1位に立っています。韓国映画振興委員会の映画館入場券統合電算網(KOBIS)のリアルタイム集計を9月29日午前8時11分(現地時間)に確認したところ、前売り枚数は20万2,216枚、予売率は40.4%でした。前売り売上は21億5,119万3,570ウォン。1枚あたりの平均は約1万638ウォンになります。
すでに試写と舞台あいさつ回の入場が始まっており、公開前の累積観客数は3万725人。韓国での正式な公開日は9月30日です。
当ブログでは9月23日に、前売りが1日で1,561人から5万2,511人へ跳ね上がった段階を取り上げました(【韓国】映画ちいかわ9月30日公開、前売りが1日で1,561人から52,511人に増えた)。あのときは予売率6.9%の5位です。そこから6日間で枚数は約3.85倍、順位は5位から1位まで動きました。伸び方としてはかなり急で、正直なところ、ここまで来るとは思っていませんでした。
이코노믹리뷰:15万4,918枚で『スーパーマリオギャラクシー』の記録を抜いた
出典:‘극장판 치이카와’ 예매율 1위…올해 개봉 애니메이션 최다 사전 예매(이코노믹리뷰 / 2026年9月28日)
出典:‘극장판 치이카와: 인어 섬의 비밀’ 예매율 1위(톱스타뉴스 / 2026年9月27日)
出典:‘극장판 치이카와: 인어 섬의 비밀’ 9월 30일 국내 개봉(아주경제 / 2026年9月22日)
‘극장판 치이카와’는 올해 개봉 애니메이션 최다 사전 예매량을 기록했다. 종전 최다 기록은 ‘슈퍼 마리오 갤럭시’로 15만4375명이었다.
記録更新が確定したのは9月28日0時時点の集計です。이코노믹리뷰によると、この時点での前売りは15万4,918枚・予売率36.7%。従来の最多だった『スーパーマリオギャラクシー』の15万4,375枚を、わずか543枚だけ上回りました。前日の9月27日時点では15万7,643枚・36.6%だったと톱스타뉴스が報じており、こちらでも順位は1位です。予売の枚数は払い戻しで前日を下回ることがあるため、記録更新の判定は0時の確定値で行われました。
『トイ・ストーリー5』14万3,993枚を上回り、全体の予売42万枚のうち約半分を占める
20万枚という数字が何を意味するのかは、同時期の他作品と並べるとはっきりします。9月28日0時時点で2位は『オデッセイ』の6万3,059枚、3位は『暗殺者たち』の5万636枚でした。2位と3位を足しても『映画ちいかわ』1本に届いていません。
比較して分かりやすいのは、同じ時期に前売りを積んでいた2本です。『トイ・ストーリー5』が14万3,993枚、韓国国産の人気アニメ『愛のハチュピン:クジラ宝石の伝説』が12万2,580枚。ディズニー/ピクサーの最新作と、韓国国内で強い自社IPの両方を、日本発のキャラクター映画が上回っている構図になります。
全体の予売枚数は42万2,325枚で、上位10本が92.3%を占めていました。市場そのものが膨らんでいるわけではありません。限られたパイの半分近くを『映画ちいかわ』1本が取っている、というのが実態です。
字幕版と韓国語吹き替え版を同日公開、初日にCGV龍山アイパークモールで舞台あいさつ
前売りがここまで伸びた要因のひとつは、上映形態の設計にあります。아주경제によると、輸入は대원미디어(大元メディア)が手がけ、字幕版と韓国語吹き替え版が9月30日に同時公開されます。日本のアニメ映画が海外で字幕版のみ先行するケースは珍しくないので、初日から吹き替え版を並べたのは、子ども連れの観客を最初から取りに行く設計だと読めます。なお配給会社の表記は資料によって割れており(대원미디어とする報道と、CJ ENMとする資料があります)、本稿では断定を避けます。
韓国語吹き替えの声優は、テレビアニメ『먼 작귀(ちいかわ)』からの続投と報じられています。치이카와役に이주은、가르마(ハチワレ)役に손정민、우사기(うさぎ)役に권다예という布陣です。上映時間は99分、観覧等級はALL(全年齢)。公開初日にはソウルのCGV龍山アイパークモールで舞台あいさつが予定されています。
ロッテシネマでは全国の対象劇場でシグネチャーアートカードの配布も告知されていて、ソウル・京畿・仁川から釜山・済州まで劇場リストが公開されています。特典の配布規模を見れば、前売り枚数のうち一定量が特典目的の購入であることは織り込んで読むべきです。数字の額面をそのまま作品人気と読むのは早計だと考えます。
日本では66日で興収168億5,000万円、その到達点が韓国公開の前提になっている
韓国の前売りがこの水準に届いた背景には、日本での実績があります。MANTANWEBによると、『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』は7月24日の公開から66日間で興行収入が約168億5,000万円、動員が約1,155万人に達しました。2026年に日本で公開された映画では1位、歴代興行収入でも14位に入っています。9月21日時点では158億4,000万円でしたから、公開2カ月を過ぎてもなお週あたり数億円を積んでいる計算になります。
日本のファンにとって面白いのは、この数字が国内だけで完結する現象ではなかった点だと思います。ちいかわは韓国でも「먼 작귀」の略称で定着していて、テレビアニメの吹き替え声優をそのまま劇場版へ載せられる体制がすでにありました。日本で興行1位になった作品が、2カ月遅れで隣国の予売1位になる。日本のキャラクターIPが韓国市場へ渡るときのタイムラグは、この一件でかなり短く塗り替えられました。
ただし、前売り1位が初日の実数字に直結するとは限りません。予売率は「まだ売れていない席」を含まない指標で、特典配布の有無に強く引っ張られます。9月30日以降の実動員が前売りの水準を保てるかどうか。そこが次の焦点になります。
現地の受け止めは「オチの解釈」に集まっている
韓国メディアの論調は、作品評というより興行数字の速報が中心です。이코노믹리뷰も톱스타뉴스も予売率と記録更新を見出しに置いていて、内容面への言及はほとんどありません。公開前なので当然ではありますが、作品の中身が語られていないまま数字だけが独り歩きしている状態ではあります。
一方、試写を観た層の感想は韓国のコミュニティで共有されています。コミュニティサイト「더쿠」では9月23日に試写の反応が投稿され、「선악이 뚜렷하지 않은 오묘한 엔딩이 좋았음(善悪がはっきりしない、絶妙なエンディングが良かった)」といった受け止めが見られました(더쿠の該当スレッド)。匿名コミュニティの書き込みですので個別の投稿を事実の根拠にはできませんが、明快なハッピーエンドではない終わり方を肯定的に受け取る声が目立つ、という傾向は読み取れます。日本でも本作の結末は解釈が分かれた部分でしたから、同じ論点が韓国でも立ち上がっているのは印象的でした。
なお、現時点でスクリーン数、NAVER映画の評点、グッズ売上額は公表されておらず、本稿では扱いません。
9月30日の初日成績が、韓国での日本製キャラクター映画の天井を書き換えるか
確認できている事実は3つです。公開前日時点の前売りが20万2,216枚・予売率40.4%で全作品1位であること。9月28日0時の15万4,918枚で今年の韓国公開アニメ映画の事前予売最多を更新したこと。そして日本での興行収入が66日で約168億5,000万円に達していることです。
ここまでは「日本のヒットが韓国の前売りに変換された」という話にとどまります。実際の評価が出るのは9月30日以降です。予売率40.4%という数字は特典と話題性でも作れますが、公開2週目以降の動員は作品そのものの評価でしか維持できません。韓国で日本製キャラクター映画がどこまで伸びるのか。その天井が見える2週間になります。
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