2026年8月8日 海外メディアとファンの愛を、脚色なしで日本語に @VelleityNote
Home/音楽・カルチャー/【インド】名古屋の世界コスプレサミットで、インドの2人が部門賞。上位3組はモンハン・東京エイリアンズ・テイルズと日本作品が独占

【インド】名古屋の世界コスプレサミットで、インドの2人が部門賞。上位3組はモンハン・東京エイリアンズ・テイルズと日本作品が独占

編集部
吉沢まことVelleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
公開
最終更新
verified現地の一次ソースで確認 約5分で読めます
【インド】名古屋の世界コスプレサミットで、インドの2人が部門賞。上位3組はモンハン・東京エイリアンズ・テイルズと日本作品が独占

3行サマリー

  • インドのカラン・デサイさんとカラン・プラカシュさんが、7月31日から8月2日まで名古屋で開かれた世界コスプレサミット2026で、ネクストジャーニー部門のZIPAIR賞を受賞しました。
  • 参加は40の国と地域。メイン会場のオアシス21には、3日間で延べ25万9000人が訪れています。
  • 優勝は香港代表の『モンスターハンター』。2位カナダ、3位ブラジルまで、上位3組の題材はすべて日本のゲームとアニメでした。

インドの2人が選んだのは『鉄拳』の吉光と悪魔仁

世界コスプレサミット実行委員会が8月4日に公表した受賞結果には、「ネクストジャーニー部門 ZIPAIR賞 インド代表」と1行だけ書かれています。その1行の中身が、カラン・デサイさんとカラン・プラカシュさんの2人組でした。選んだのはバンダイナムコエンターテインメントの格闘ゲーム『鉄拳』シリーズ。デサイさんが吉光、プラカシュさんが悪魔仁を演じました。

インドがこの大会で賞を取るのは初めてではありません。過去にはニジゲンノモリ賞の造形衣装部門を2度受賞していて、10年をかけて少しずつ表彰台に近づいてきた国です。今回の受賞は、その積み重ねの続きにあたります。

実行委の受賞リストと、インドの業界誌が伝えた本人の言葉

出典【イベント開催事後レポート】「世界コスプレサミット2026」が閉幕(世界コスプレサミット実行委員会 / 2026年8月4日)

出典Indian Cosplayers Karan Desai and Karan Prakash Win ‘Next Journey’ Category at the World Cosplay Summit 2026 in Japan(Anime News Network / 2026年8月7日)

The Indian cosplay scene has grown tremendously because of creators who constantly push boundaries, raise the bar and inspire the next generation.

デサイさんの言葉です。「インドのコスプレの現場は、限界を押し広げて基準を引き上げ、次の世代を触発し続ける作り手たちのおかげで、大きく育ってきました」。自分の受賞ではなく、周りの作り手の話から切り出すところに、この2人の立ち位置が出ていると受け止めました。

吉光の刀は3Dプリント、悪魔仁は15種類を超える生地でできている

衣装の作り方が、そのまま受賞理由になっています。デサイさんの吉光はフォームと布に3Dプリントの部品を組み合わせたもので、鎧も兜も刀もこの大会のために設計し、最後は手で仕上げました。プラカシュさんの悪魔仁は15種類を超える生地を使い、縫製・刺しゅう・型押しなど複数の技法を重ねています。

難所は素材集めでした。必要な生地と部品を探して、2人は複数の都市を回っています。インドのアニメ・ゲーム業界誌AnimationXpressは、この受賞を「インドの職人技が世界最高峰と互角に渡り合えることを、あらためて示した」と報じました。プラカシュさん本人は「自分の国を代表して、世界中のとんでもなく才能のあるコスプレイヤーたちと並んで立つ。これに代わるものはありません」と話しています。

ここには受け皿もあります。インドではComic Con Indiaが国内選手権「Indian Championship of Cosplay」を運営していて、地方の会場で見つかった作り手を世界大会まで送り出す導線になっています。当サイトでは7月にも、アニソン歌手YURiKAさんの公演に4万3000人が集まったインドの熱量を取り上げました。人が集まる場所ができると、そこから世界大会に出る人が出てくる。順番はいつもこの向きです。

上位3組の題材はすべて日本作品。40の国と地域が日本のゲームとアニメで競った

受賞結果を上から順に読むと、日本のコンテンツの位置がはっきり出ます。グランドチャンピオンは香港代表のアールーさんとローニーコウさんで、演じたのはカプコン『モンスターハンター』のアイルーとハンター。2位はカナダ代表の『東京エイリアンズ』、3位はブラジル代表の『テイルズ オブ アライズ』でした。1位から3位まで、題材はすべて日本のゲームとアニメです。

アールーさんは記者会見で「アイルーの生き生きした質感を再現するのが難しくて、3回ほど作り直しました。飼っていた猫が参考になったので、感謝しています」と語りました。パフォーマンス中は猫のひげをポケットに入れていたそうです。1年かけて衣装を作り、猫のひげを持って舞台に上がる。日本のゲーム1本が、海の向こうでここまでの時間を動かしています。

日本で暮らしていると、アニメやゲームは近すぎて距離感がつかめません。けれど40の国と地域の代表が名古屋に集まり、日本で生まれた作品を1年がかりの衣装で演じている。これは輸出額の話ではなく、日本の作品が他国の人の人生の時間を実際に使わせているという話です。しかもインドのように、地方大会から世界大会まで人を運ぶ仕組みが後から立ち上がる国もある。日本のコンテンツは、その仕組みの側までつくらせてしまう強さを持っています。

真夏の「コスサミ」は今年で最後。2027年は11月12日から名古屋で

2003年に始まり、24回目を迎えた今年の大会は、真夏開催としては最後になります。実行委員会が挙げた理由は、猛暑と気象条件への対応、国際参加者の受け入れ強化、そして国内外の観光客の来訪動向でした。次回の世界コスプレサミット2027は、11月12日から14日までの3日間です。

もう一つ、実行委員会は当初41の国と地域が参加する予定だったものの、ベトナムの来日がかなわず40になったと明記しています。海外メディアの記事には41という数字が残ったままのものもありますが、実際に名古屋の舞台に立ったのは40の国と地域です。インドの2人が受け取った賞の名は「ネクストジャーニー」、次の旅。真夏を手放して11月に移る来年、この大会は名前どおり次の場所へ動きます。

編集部
吉沢まこと
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

日本のアニメ・ゲーム・音楽・カルチャーが海外でどう受け止められたかを、賛否そのままに、現地語の一次ソースで確かめてから日本語にしています。褒めるだけの国内報道とは違う角度で。続報があれば更新日を明記して追記します。