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【アメリカ】コンバース、aespaカリナ広告がKKKのフード連想で炎上。掲載から約4週間で謝罪・削除、日本のコンバースは別会社

吉沢まこと
Velleity Note 編集長
公開
最終更新
現地の一次ソースで確認 約7分で読めます

3行サマリー

  • 米コンバースは9月18日(米国時間)、aespaのカリナを起用した「Chuck 70 X」の広告画像を削除し、「私たちが間違えた」と謝罪した。
  • 画像は遅くとも8月22日には米国の公式サイトに掲載され、9月3日には公式Threadsにも投稿されていた。削除まではおよそ4週間。
  • 日本の「CONVERSE」は伊藤忠商事が商標権を持ち、コンバースジャパンがマスターライセンシーとして展開する別の枠組み。今回の広告が日本向けに出た形跡は確認できていない。

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米コンバース、カリナ起用のChuck 70 X広告を削除し「私たちが間違えた」と謝罪

米国のスニーカーブランド、コンバース(ナイキ傘下)が、aespaのカリナを起用したグローバルキャンペーン「Chuck 70 X」の広告画像を削除し、謝罪しました。ビジュアルが白人至上主義団体クー・クラックス・クラン(KKK)のフードと、リンチの犠牲者を連想させるという批判が米国のSNSで広がったためです。

コンバースの広報担当者は声明で「申し訳ありません」「この画像がなぜ深く人を傷つけるのかを理解しており、私たちが間違えたと認識しています」と述べ、掲載されているすべての場所から削除を進めているとしています。担当者の個人名や役職は公表されていません。カリナ本人、aespa、所属事務所のSMエンタテインメントのコメントは、9月20日時点で確認できていません。

WWDとAdweekが伝えた広報担当者の声明「この画像がなぜ深く人を傷つけるのか理解している」

出典:コンバース、KKK・リンチ連想の広告をめぐる謝罪を表明(WWD / Footwear News / 2026年9月18日)

出典:Converse Roils Social Media With Ads That Evoke a Lynching(Adweek / 2026年9月18日)

We’re sorry. We understand why this image is deeply upsetting and recognize that we got this wrong.

短く、言い訳のない文面です。ただし、広告がどのチームで制作され、どの段階で承認されたのかについては、コンバースはいまも説明していません。

星形スポットライトの白い三角形がフードに、手に提げた靴が犠牲者の足に見えるという指摘

Adweekの記述によれば、問題になったのは、カリナがコンバースの星形のスポットライトの中に立つビジュアルです。星の一角が白いロングスカートに当たって明るい三角形をつくり、その輪郭がKKKのフードに見えるという指摘が出ました。さらに、両手に下げた黒いハイカットがスカートの裾のあたりでぶら下がって見えることから、リンチの犠牲者の足を連想させるという声が重なります。

批判が大きくなったところへ、9月14日に公開された別のキャンペーンが重なりました。コペンハーゲンのブランドPalmesとのコラボ広告で、木の枝に吊るされたスニーカーへ男性がはしごを登る構図が使われており、こちらも同じ文脈で受け取られたとAdweekは報じています。二つが並んだことで、単発の失敗ではなく、チェックの仕組みそのものへの疑問に話が移りました。

ファクトチェックサイトのSnopesは、この広告が実在するコンバースの公式キャンペーンであることを「True(事実)」と判定しました。根拠として挙げられているのは、インターネットアーカイブのWayback Machineに残る8月22日時点の米国公式サイトと、9月3日の公式Threads投稿です。Snopesによると、米国の商品ページの静止画は現在、カリナが靴を身に着ける動画に差し替えられています。

カーター下院議員「リンチは創作のコンセプトではない」、ナイキとコンバースに説明を要求

反応のなかでもっとも強いのは、ルイジアナ州選出のトロイ・カーター下院議員(民主党)が9月18日付で出した公式声明でした。議員の下院公式サイトに全文が載っています。

Black pain is not a marketing prop. Lynching is not a creative concept. The Ku Klux Klan is not an aesthetic.

出典:Congressman Carter Condemns Nike, Converse Sneaker Ad Depicting a Lynching(トロイ・カーター下院議員事務所 / 2026年9月18日)

声明はさらに「このキャンペーンは作られるべきでも、承認されるべきでも、公開されるべきでもなかった。ナイキとコンバースは説明する責任がある」と続きます。そのうえで「画像をひっそり取り下げ、体裁の整った謝罪を出して先へ進む、というわけにはいかない」「誰が作り、誰が承認し、何人の経営幹部がこれを見たのかを公衆は知る権利がある」と踏み込みました。謝罪で幕引きにさせない、という要求です。

SNS上の個々の投稿は発信者の確認が取れないため、ここでは集合的な傾向として扱います。Adweekの記述では、受け止めは「フードの輪郭に見える」「リンチの現場に見える」という二つの連想に集約されていました。制作側に意図があったかどうかではなく、そう見えてしまう構図が世に出てしまったこと自体が批判されている。ここは分けて読みたいところです。

日本の「CONVERSE」は伊藤忠商事が商標権を持つ別の枠組み

日本の読者がまず押さえておきたいのは、今回謝罪したコンバースと、日本の店頭に並ぶコンバースが同じ運営ではない、という点です。伊藤忠商事は2013年9月30日のプレスリリースで、「『コンバース』ブランドの日本市場展開では、商標権を保有する伊藤忠商事が、コンバースジャパン株式会社をマスターライセンシーとして、コンバースフットウェア株式会社を始めとするサブライセンシーと連携を取りながら、ブランディング及びマーケティングを行」うと説明しています。日本国内のCONVERSEは、ナイキ傘下の米コンバースとは別の枠組みで動いている、ということです。

出典:新会社「コンバースアパレル」設立について(伊藤忠商事 / 2013年9月30日)

「Chuck 70 X」のキャンペーンビジュアルが日本の公式サイトやSNSで展開された形跡は、今回の確認では見つかりませんでした。画像が確認されているのは米国の公式サイトと公式Threadsです。ブランド名が同じだけに混同されやすいところなので、誤解が広がる前に切り分けておきたい一点でした。

日本語での報道も、9月20日時点では大手メディアに見当たりません。韓国では한국경제(韓国経済新聞)や국민일보(国民日報)が9月20日に相次いで報じていますが、日本のK-POPファンにこの件が届く経路は、いまのところ英語圏と韓国語圏のSNSにほぼ限られています。カリナは広告の顔として起用される機会が多く、5月にはGoogle Playの広告でプロゲーマーのFakerから公開告白を受けた一件が日本でも話題になりました。起用が増えるほど、自分の関与しないところで作られたビジュアルに巻き込まれる確率も上がります。

【追記 2026/09/23】9月20日、コンバースのアーロン・ケインCEOが社内メモで「あの画像は使われるべきではなかった。懸念が寄せられてすぐ、全チャンネルからの削除に着手した」と述べ、「経営陣と私は、社内のレビュー体制と自分たちの仕事に向ける批判的な視点を厳しく見直している」と続けました。ブルームバーグが入手して報じたもので、広報担当者名義の謝罪から一段上がり、CEOの名前で制作・承認プロセスの見直しに触れた形です。9月20日から22日にかけてはNBC News、CNN、ABC News、CBS News、PBS NewsHourなど米国の大手が相次いで報じ、業界紙が中心だった報道が一般ニュースへ広がりました。カリナ本人とSMエンタテインメントのコメントは、9月23日時点でも確認できていません。(一次ソース)

【追記 2026/09/27】9月21日、下院黒人議員連盟(CBC)が公式声明を出し、会長のイベット・クラーク議員(ニューヨーク州9区)が「ナイキの幹部に面会を申し入れる」と表明した。25日にはブルームバーグが、コンバースのアーロン・ケインCEOが社内向けに「あの画像は使うべきではなかった。懸念が上がった時点で全チャネルからの削除を始めた」と述べ、社内の審査プロセスを評価する第三者機関を起用したと報じ、同社はこの週のマーケティングを一時停止した。ただし誰が広告を制作し承認したのかは9月27日時点でも公表されておらず、カリナ本人とSMエンタテインメントのコメントも確認できない。(一次ソース)

残るのは「誰が作り、誰が承認したのか」という問い

削除と謝罪は済みました。ただ、制作したのが誰で、どの段階で承認されたのかをコンバースは明らかにしていません。カーター議員が求めているのも、まさにそこです。遅くとも8月22日から9月18日まで、およそ4週間にわたって米国の公式サイトに置かれ続けた。一人の担当者の不注意で説明がつく話ではなく、複数の目を通ってなお止まらなかった、という意味だと受け止めました。

カリナ本人とSMエンタテインメントは、9月20日時点でコメントを出していません。起用されたアーティストが、自分の関与しないところで作られたビジュアルの責任を問われる立場に置かれる。広告のグローバル展開が前提になったいま、これはK-POPに限った話ではないと感じます。

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吉沢まこと
Velleity Note 編集長(EIC)・エディトリアルディレクター

Webデザイナー、雑誌出版社のWebディレクター、コンテンツマーケター、Web広告プランナーを経て、現在は愛知県の業界No.1企業のインハウスのAIプロダクトマネージャー兼データサイエンティスト。Velleity Noteでは編集長としてメディアの編集方針を定めるとともに、AIとの共著で記事を制作する自動化ワークフローの設計とシステム開発を手がけている。