【ブラジル】任天堂、Switch 2を9月1日に値上げ。上げ幅2.2%は20%上げた日本より小さい

3行サマリー
- 任天堂ラテンアメリカが8月7日、Nintendo Switch 2 のブラジルでの希望小売価格を9月1日から4,499.90レアル→4,599.90レアルへ、100レアル引き上げると発表しました。
- 同じ9月1日にアメリカでも449.99ドル→499.99ドルへ50ドル上がります。率にすると、ブラジルが2.2%、アメリカが11%です。
- 日本はすでに5月25日に49,980円→59,980円と1万円上がっていて、率にして20%。今回のブラジルの約9倍の上げ幅でした。
任天堂ラテンアメリカ、ブラジルのSwitch 2を9月1日から4,599.90レアルに
任天堂ラテンアメリカは2026年8月7日、Nintendo Switch 2 のブラジルにおける希望小売価格を引き上げると発表しました。現在の4,499.90レアルから4,599.90レアルへ、100レアルの値上げです。適用は9月1日から、一部の小売店が対象になります。
値上げの理由について同社は「中長期にわたって続くと見込まれる、さまざまな市場環境の変化への対応」と説明しています。あわせて「こうした判断は軽い気持ちで下したものではなく、できるかぎり長く価格を据え置けるよう努めてきました」ともコメントしました。初代Nintendo Switchのブラジル価格は据え置きです。
Voxelが伝えた任天堂の説明。周辺機器やソフトの値上げは告知されていない
出典:Nintendo aumenta preço do Switch 2 no Brasil e console passa a custar R$ 4.599,90(TecMundo / Voxel・2026年8月7日)
出典:Nintendo Switch 2 passará a custar R$ 4.599,90 no Brasil a partir de setembro(Terra GameOn・2026年8月7日)
A partir de 1º de setembro de 2026, o console passará a ser vendido por R$ 4.599,90 em varejistas selecionados.(2026年9月1日から、本体は一部の小売店で4,599.90レアルで販売されることになる)
記事を書いたVoxel編集部のMateus Mognon記者は、周辺機器・ソフト・サービスの価格については、ラテンアメリカ向けの変更が何も告知されていない点にも触れています。値上げの対象はいまのところ本体だけ、ということになります。
上げ幅はアメリカ11%、日本20%に対してブラジルは2.2%。主要市場で一番小さい
今回の値上げは、任天堂が世界規模で進めている価格改定の一部です。アメリカでは同じ9月1日から、Switch 2 の希望小売価格が449.99ドルから499.99ドルへ50ドル上がります。任天堂アメリカは公式サイトで「中長期にわたって続くと見込まれる市場環境の変化への対応」と、ブラジルとほぼ同じ言い回しで説明していました。そのときラテンアメリカの価格は「後日案内する」とだけ書かれていて、そこから約3か月待たされた形になります。
上げ幅を率で並べてみると、差がはっきりします。日本が20.0%、アメリカが11.1%、そしてブラジルが2.2%。今回価格が公表された主要な市場のなかで、ブラジルの上げ幅が一番小さいという結果でした。100レアルという金額も、日本円にすると3,000円前後です。
背景にあるのはメモリ半導体の値上がりです。世界的なAIデータセンター建設が需要を押し上げ、Switch 2 が使うメモリチップの調達コストが前例のない勢いで上がりました。任天堂の決算資料によれば、Switch 2 の累計販売台数は2,368万台。売れている最中に本体価格を上げる。ゲーム機の商売としては、めずらしい判断です。
ブラジルの反応は「上がったのは希望小売価格で、実売はもともと下」
現地の受け止めは、思っていたより落ち着いたものでした。ブラジルのゲームメディアGameHall(@GameHall)は公式アカウントの投稿で「ゲーマーの財布が泣く、あの時期がやってきた」と書き、製造と物流のコスト上昇が背景にあると伝えています。
一方で、値上げの中身を冷静に見ている声も目立ちました。あるユーザーの投稿は「上がったのは希望小売価格でしょう。実際の小売はいつも値引きしているから、その値段で買っている人はほとんどいない」と指摘し、122件のいいねを集めています。日本でいう「オープン価格」に近い感覚で、ブラジルでは店頭価格が希望小売価格を下回るのが常態だという受け止めです。
もちろん歓迎はされていません。201件のいいねを集めた投稿は「ただでさえ高い為替と重い税金に苦しんでいるブラジル人にとって、Switch 2 はますます手が届かなくなる」と書いています。Xでは「上げ幅が予想より小さかったとしても、値上げを喜ぶ理由にはならない」という受け止めも複数見られました。値上げそのものより、もともとの価格水準への不満のほうが大きい、という空気です。
日本が5月に1万円上げた理由はメモリ高騰と円安。ブラジルには3か月遅れで最小限が来た
日本の読者にとっては、5月の記憶がまだ新しいはずです。Nintendo Switch 2 日本語・国内専用モデルは2026年5月25日、49,980円から59,980円へ1万円値上がりしました。多言語対応モデルの69,980円は据え置きです。
任天堂の古川俊太郎社長は決算説明会の質疑応答で、価格変更の背景を半導体メモリの高騰、為替、関税措置によるコスト増だと説明しています。日本は円安という重荷を単独で背負っている分、上げ幅が20%まで膨らみました。
つまり同じ値上げでも、日本はメモリ高騰と円安の二重の圧力を先に、しかも一度に受け止めたことになります。ブラジルは3か月遅れで、最小限の100レアルに収まりました。日本のゲーマーが5月に飲んだ1万円は、世界の中でも重い部類でした。
4,599.90レアルは最低賃金2.8か月分。100レアルより為替と税のほうが重い
それでも、ブラジルのゲーマーが置かれた状況が楽になったわけではありません。ブラジルの2026年の最低賃金は月1,621レアルです。新価格の4,599.90レアルは、その約2.8か月分にあたります。日本で言えば、本体を買うのに3か月近く働く計算です。
100レアルという上げ幅は、この水準の前ではほとんど誤差です。現地の投稿が値上げそのものより為替と税金を挙げていたのは、そういうことだと受け止めました。ブラジルのゲーム機価格を決めているのは、任天堂の希望小売価格よりも、レアル安と輸入時にかかる税のほうなのです。
任天堂は9月1日を境に、日本を除く主要な市場がいっせいに新しい価格へ切り替わります。日本の20%、アメリカの11%、ブラジルの2.2%という並びは、同じ会社の同じ製品でも、どの市場でどれだけ値段を動かせるかがまったく違うことを示しています。
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