【ブラジル】日本のHANABIE.、過去最多23万人のアニメ祭でブラジル初公演。「原宿コア」が南米最大の舞台へ

3行サマリー
- 東京発の女性4人組バンドHANABIE.が、南米最大のアニメ祭「Anime Friends」で7月3日にブラジル初公演を果たした。
- 会場のサンパウロには4日間で過去最多となる23万人が詰めかけ、主催者は経済効果を約4億レアル(約74百万ドル)と見積もっている。
- HANABIE.の代表曲はYouTubeで1000万回を超え、2024年にはシカゴのロラパルーザ本ステージに日本人女性として初めて立ったバンドだ。
HANABIE.、7月3日に南米最大のアニメ祭でブラジル初上陸
日本の女性4人組バンドHANABIE.(ハナビ)が、7月3日にブラジルで初めてのライブを行った。舞台はサンパウロで開かれた南米最大のアニメ・ポップカルチャー祭「Anime Friends」。金曜の音楽枠のヘッドライナーとして、地球のちょうど裏側にあたる街のステージに立った。
HANABIE.は2015年に東京で結成された。ボーカルのゆきな、ギターのまつり、ベースのへっつー、ドラムのちかという4人組で、自分たちの音楽を「原宿コア(Harajuku-core)」と名づけている。メタルコアやニューメタルの激しさに、原宿的なカラフルな衣装とポップな歌メロを混ぜたスタイルだ。ここ数年は日本国内よりも海外での知名度が先に立ってきたバンドである。
Rio Times報道、Anime Friendsは過去最多23万人・経済効果は約74百万ドル
元ネタ:São Paulo’s Anime Friends Closes Its Biggest Edition Ever at 230,000(The Rio Times / 2026年7月7日)
The Japanese band Hanabie made its Brazilian debut with a mix of metal and hardcore.
Anime Friendsは7月2日から5日まで、サンパウロ北部の大型会場ディストリト・アンヘンビで開かれた。今年で22回目を数え、主催者の発表では4日間の来場者は23万人。この規模はイベント史上最多で、経済効果はホテルや飲食、物販を合わせて約4億レアル、日本円にしておよそ120億円にのぼるという。会場は6ステージ、5万5000平方メートル超。4日間で60トンの食料が寄付として集まった点も、地元に根を張った祭りであることを物語る。
地球の裏側ブラジルが南米最大のアニメ祭を持つ理由は、日系200万人
なぜロサンゼルスでもメキシコシティでもなく、ブラジルが南米最大のアニメ祭の開催地なのか。答えは会場から数キロ南、サンパウロの「リベルダージ」地区にある。日本人が最初にブラジルへ渡ったのは1908年、笠戸丸がサントス港に着いたときだ。それから100年あまりをかけて根づいた日系人はいまや約200万人。日本の外では世界最大の日系社会である。
提灯の下がる通り、日本食材の店、寿司屋。日常の風景として日本文化が溶け込んでいるからこそ、23万人が集まる祭りが成り立つ。主催者は来年2027年の開催も7月1〜4日ですでに発表しており、音楽フェスの枠も続けるとしている。マンガとアニメの即売会として始まったイベントは、いまや音楽が来場動機の中心へと動いている。
HANABIE.が海外で伸びた武器は「お先に失礼します」1000万再生
HANABIE.の海外人気を押し上げたのは、YouTubeとTikTokだった。代表曲「お先に失礼します(Pardon Me, I Have To Go Now)」はYouTubeで1000万回を超え、TikTokでも530万回以上再生されている。日本の会社員の哀愁を叫ぶような歌詞なのに、激しいサウンドと振り切ったビジュアルが言葉の壁を越えて刺さった。
実績もそろっている。2024年8月にはシカゴのロラパルーザで本ステージに立ち、日本人女性バンドとして史上初とされた。2025年には欧州とイギリスをまわるヘッドライナーツアーとメキシコのKnotfestをこなし、2026年3月から4月にはボストンからロサンゼルスまで北米21公演のツアーも決まっている。ブラジル初上陸は、この世界行脚のなかの一歩だった。
日本のロックバンドにとって、ブラジルは次の市場になりつつある
日本人にとっての意味は、市場としてのブラジルが見えてきたことだ。これまで日本のインディーやメタル系のバンドが海外を狙うとき、まず北米と欧州、次いでアジア、という順路が定番だった。そこにブラジルという第三の柱が加わりつつある。背景にあるのは、アニメ経由で日本の音楽に触れた若い世代の分厚い層だ。会場に集まる23万人の多くは、アニメの主題歌やSNSのショート動画で日本のバンドを知った人たちである。
HANABIE.のように、日本国内での露出より海外での評価が先に立つバンドにとって、ブラジルは「気づいたらファンが育っていた」市場になりうる。日本のファンからすれば、地元では中規模のライブハウスを回るバンドが、地球の裏側では数万人規模の祭りのヘッドライナーを務める。この落差そのものが、日本の音楽が海外でどう受け止められているかを映す鏡になっている。ただし、祭りのヘッドライナーを務めることと、日本国内でCDやサブスクの数字を伸ばすことは、必ずしも同じではない。海外の熱量が国内の商業的な成功にどこまで跳ね返るかは、まだ読み切れない部分が残る。
アニメの即売会が音楽の祭典へ、日本ロックの新しいフロンティア
つまり今回の出来事は、1つのバンドの海外公演という話にとどまらない。マンガとアニメの即売会として始まった南米最大の祭りが音楽主導のイベントへ重心を移し、その象徴として日本のバンドが呼ばれた、という構図だ。23万人という数字と、来年も音楽枠を続けるという主催者の判断は、ブラジルが日本の音楽にとって無視できないフロンティアになったことを示している。
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