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【韓国】女優ハヨン「4代続く医師の家系」発言が親日派論争に。曽祖父は韓国人で初めて日本の医師免許を取得していた

編集部
吉沢まことVelleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
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【韓国】女優ハヨン「4代続く医師の家系」発言が親日派論争に。曽祖父は韓国人で初めて日本の医師免許を取得していた

3行サマリー

  • 韓国の女優ハヨンが8月7日放送のKBS番組で「4代続く医師の家系」と語り、曽祖父の親日派疑惑が浮上しました
  • 所属事務所は8月11日、曽祖父が1916年結成の親日団体の名簿に記載された記録を確認し、前日の「事実無根」回答を撤回して謝罪しました
  • ヘラルド経済によると、サムスン電子の公式YouTubeではハヨン出演の広告動画6本が非公開になりました

8月7日の番組発言から4日で、事務所の謝罪と広告の非公開化まで進んだ

韓国の女優ハヨンさんが、KBS2のバラエティー番組「屋根部屋の問題児たち」(8月7日放送)で家系を紹介したことが、思わぬ方向に転がりました。「曽祖父は日本で医学を学んだ後、漢陽(今のソウル)で初めて西洋式の医院を開き、高宗皇帝を診療した」という、本人にとっては誇りだったはずの話です。放送後、ネット上では曽祖父が医師の安相浩(アン・サンホ、1872-1927)ではないかという推測が広がり、その経歴から親日派疑惑へと発展しました。所属事務所は8月10日にいったん「事実無根」と否定しましたが、翌11日には撤回して謝罪。つまり、100年以上前の曽祖父の記録が、現役女優の広告出演と主演ドラマを直撃している構図です。韓国で「親日」という言葉が持つ重さが、これほど分かりやすく表れた出来事もなかなかありません。

SBSは「かなりの部分を撮影済み」。主演ドラマは放送を控えたまま推移を見守る

出典하영 ‘증조부 친일파’ 논란에 SBS도 비상…’승산 있습니다’ 측 “상당 부분 촬영→추이 지켜볼 것”(TV Report / 2026-08-11)

出典하영 ‘친일파 후손’ 논란에 광고계 손절?…강동원·이지아·전범선 재조명(ヘラルド経済 / 2026-08-12)

該当の事案については認知しており、現在、事案の推移を詳しく見守っています。(SBS関係者・TV Reportより)

ハヨンさんはSBSの新ドラマ「勝算あります」で、イ・ジェフンさんと共に主演を務める新人弁護士役。来年上半期の放送を目標に撮影が進んでいます。SBS関係者はTV Reportに対し「すでにかなりの部分の撮影が進んだ状態」と説明したうえで、上のとおり推移を見守る姿勢を示しました。キャスト変更には踏み込まず、かといって擁護もしない。局側の慎重な言葉選びから、事態の扱いにくさが伝わってきます。

曽祖父・安相浩は1916年の親日団体名簿に記載。総督府の機関紙は「完全に内地化した家庭」と紹介した

安相浩は1902年に東京慈恵医院医学専門学校を卒業し、韓国人として初めて日本の医師免許を取得した人物です。帰国後は純宗の主治医格である典医を務め、国内1号の西洋式医院を開きました。ここまでなら「近代医学の先駆者」という評価で終わったかもしれません。

流れが変わったのは、所属事務所ビスターズエンターテインメントが8月11日に出した公式コメントです。事務所は「安相浩先生が1916年の大正親睦会の評議員名簿に名前を載せている記録が実際に存在することを確認した」と認め、「十分な検証なしに『事実無根』と性急に回答し、混乱を招いた点を心から謝罪します」と、わずか1日で立場を覆しました。大正親睦会は親日反民族行為者と規定された人物らが名を連ねた実業団体です。さらにヘラルド経済によると、朝鮮総督府の機関紙・毎日申報は1918年12月10日付で「完全に内地化した医師 安相浩氏の家庭」という記事を掲載し、本人の「私は日本人と同じで、服も日本の衣服を着ており、妻も日本の女性」という発言を、統治を正当化する「内鮮一体」の模範例として使ったとされています。

余波は広告に及びました。ヘラルド経済によると、サムスン電子の公式YouTubeチャンネルでは「サムスン アートTV」のモデルとして出演した広告動画6本が非公開に切り替わり、アパレルブランドの広告映像も非公開になりました。TV Reportは、Netflixシリーズのインタビュー日程もキャンセルされたと伝えています。韓国最大級の匿名コミュニティTheQooでは、8月12日夕方(日本時間)の時点で総合人気板に関連スレッドが複数上がっており、擁護と批判が入り混じる状態が続いているのを確認しました。

争点は「日本で学んだこと」ではなく「統治の宣伝に使われた記録」。日本の読者が押さえたい線引き

日本の読者がまず戸惑うのは、「親日」という言葉の意味の違いだと思います。日本語の「親日」は単に日本が好きという意味ですが、韓国語の「親日派(チニルパ)」は植民地期に日本の統治へ協力した人々を指す歴史用語で、今も強い非難の響きを持ちます。今回の論争で問われているのは、日本留学や日本人の妻という個人史そのものではありません。親日団体の名簿という文書と、総督府の宣伝に「模範例」として使われた記録。この2点が確認されたからこそ、事務所は否定を撤回せざるを得ませんでした。

そしてもう一つ、本人は何もしていないという点です。ハヨンさん自身は曽祖父の時代を生きていません。それでも広告が非公開になり、主演ドラマの行方が議論される。ここに、歴史の清算が終わっていない韓国社会と、過去を個人の家系にまで遡って問う文化の現在地が表れています。K-POPや韓国ドラマを追いかける日本のファンにとって、推しの発言や家族史がある日突然、歴史問題として燃え上がる可能性は常にある。その温度差を知っておくことは、韓国コンテンツと長く付き合ううえで欠かせない前提だと考えます。

前例のカン・ドンウォンは謝罪と行動で乗り越えた。問われるのは「この後」の振る舞い

ヘラルド経済は、同じ論争を経験した俳優たちを振り返っています。カン・ドンウォンさんは、外曽祖父が親日人名辞典に載った人物だと分かって批判を受けた後、「誤った行跡を正確に認識していなかった」と謝罪し、民主化運動を描いた映画「1987」に出演。記念事業会へ匿名で2億ウォンを寄付していたことが後から明らかになりました。イ・ジアさんは民族問題研究所に何度も足を運んで資料を確認し、「子孫として心から謝罪する」と表明しています。記録は消せませんが、その後の振る舞いは選べる。先例が示しているのはこの一点です。

ハヨンさん側の初動は、検証なしの「事実無根」から1日での撤回という、最も信頼を削る形になりました。それでも記録を認めて謝罪した11日の対応は、先例が通った道の入り口には立っています。ドラマはかなりの部分を撮影済みのまま、放送は来年上半期。それまでにどんな行動を積み重ねるか。女優としての次の評価は、そこで決まります。

編集部
吉沢まこと
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

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