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【ドイツ】ワンピース主題歌の新里宏太、ドイツ3都市を公演中。ナルトとソロレベリングの歌手も同行し、チケットは30ユーロ

編集部
Velleity Note 編集部Overseas Reception, Read Straight
公開 2026/07/19
最終更新 2026/07/19
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【ドイツ】ワンピース主題歌の新里宏太、ドイツ3都市を公演中。ナルトとソロレベリングの歌手も同行し、チケットは30ユーロ

3行サマリー

  • 『ONE PIECE』のオープニング「Hands Up!」を歌う新里宏太が、ドイツのハノーファー・ポツダム・ケルンの3都市を回っている。7月16日に始まり、21日のケルン公演で終わる。
  • 同行するのは『NARUTO 疾風伝』のエンディング「Spinning World」のDiana Garnetと、『俺だけレベルアップな件』の「SHADOWBORN」を歌うmpiの2人。クラブ公演のチケットは30〜40ユーロだ。
  • 7月17日から19日まで開かれているポツダムのアニメ祭は当日券が55ユーロで、土曜日はすでに売り切れた。日本のアニメ主題歌が、そのまま現地の集客力に変わっている。

新里宏太は7月19日、ポツダムのアニメ祭で日曜の口火を切る

『ONE PIECE』16代目オープニング「Hands Up!」の新里宏太が、いまドイツにいる。ドイツのネットラジオ局AnimeRadio.deが組んだツアー「Summer of Japanese Music 2026」で、7月16日のハノーファー公演から回り始めた。

日程は4本。16日がハノーファーのPavillon、17日はポツダムのアニメメッセ・バーベルスベルクで開会式とサイン会のみ、18日と19日が同じポツダムでの公演、そして21日にケルンのGaragen Clubで打ち上げる。地元紙の告知によれば、19日の日曜はCellotic Soundtrack Ensembleと新里の演奏で幕が開き、そのあとにGenkidama、The Sixth Lieが大きなステージに立つ。

同行するのは2人。Diana Garnetは米国生まれで東京に住み、『NARUTO 疾風伝』のエンディング「Spinning World」で名前が知られた。ミホヨの『ゼンレスゾーンゼロ』ではAlice Thymefieldの声を当てており、「Lumin Tsukiboshi」名義でVTuberとしても動いている。もう1人のmpiは澤野弘之と長く組んできた歌手だ。『進撃の巨人』『七つの大罪』を経て、いまは『俺だけレベルアップな件』の「SHADOWBORN」で知られている。

ハノーファーの会場告知:「ワンピース、ナルト、ソロレベリングが生でドイツに」

元ネタSUMMER OF JAPANESE MUSIC(Pavillon Hannover / 2026年7月16日公演)

Diesen Juli bringen wir drei fantastische Künstler aus den größten Anime-Produktionen zusammen auf die Bühne. One Piece, Naruto Shippuden, Solo Leveling … live in Deutschland.(この7月、最大級のアニメ作品から3人のすばらしいアーティストを同じステージに集めます。ワンピース、ナルト疾風伝、ソロレベリングが、ドイツに生で来ます)

売り文句がアーティスト名ではなく作品名から始まっている。ドイツの客にとって、彼らはまず「あの曲を歌った人」だ。新里が2013年に「Hands Up!」で日本レコード大賞の最優秀新人賞を取ったことは、告知のどこにも書かれていない。歌手個人のキャリアは、現地では売り物になっていない。

チケットは30〜40ユーロ、面会券は45ユーロ上乗せ。日本の会場規模とは別の値付け

クラブ公演のチケットはケルンが30ユーロ、ハノーファーが40ユーロ。ミート&グリートを付けると45ユーロが上乗せされ、早めの入場と3人全員との面会、持ち込んだグッズへのサイン、全員のサインが入ったツアーポスターが付く。当日の進行も細かい。17時15分にミート&グリート、18時30分開場、19時に新里、20時にDiana Garnet、21時にmpi。

1人あたりの持ち時間はおよそ1時間。3人で1本の興行を成立させる組み方であって、単独でホールを埋める段階ではない。日本でアリーナやホールを回るのとは設計が違う。

ポツダムのアニメ祭は9回目、土曜は完売。当日券55ユーロで数千人が集まる

ツアーの中盤を受け持つポツダムのアニメメッセ・バーベルスベルクは、規模がはっきりしている。フィルムパーク・バーベルスベルクで7月17日から19日まで開かれる9回目の開催で、地元紙のターゲスシュピーゲルは「数千人のファンが巡礼する」と書いた。

同紙の記事(2026年7月16日)は当日券の状況もそのまま伝えている。金曜と日曜は55ユーロで買えるが、土曜はすでに売り切れた、と。入場料にはすべてのプログラム、コンサート、ショー、フィルムパークそのものへの入場が含まれる。

土曜の目玉は『花折さんは来世でも戦いたい』のドイツ初上映で、山本秀世監督と日本のプロデューサー2人が舞台に立った。夜には日本の太鼓グループIki Iki Taikoを含む祭りのパレードが組まれている。アニソン歌手の公演は、この大きな枠組みの一部として置かれている。

ドイツのこの手の催しはポツダムだけではない。7月31日から8月2日にはマンハイムでAnimagiCが開かれ、こちらは梶浦由記やヒグチアイら日本の音楽勢8組が出る。夏のあいだ、ドイツ各地で日本の歌手が次々にステージに立っている。

日本のアニソン歌手にとって、ドイツは「祭りとクラブ」で回る市場になっている

今回のツアーを組んだのはレコード会社ではない。AnimeRadio.deというドイツのネットラジオ局で、運営はAnime Kultur e.V.という非営利団体、興行はAKV Events GmbHが担っている。現地のファンコミュニティが、そのまま呼び屋をやっている。

代表曲が10年以上前でも通用するのも面白い。「Hands Up!」は2013年、「Spinning World」も『NARUTO 疾風伝』の時代の曲だ。日本国内のチャートではとっくに過去の曲でも、配信で作品を追いかけている海外のファンには現役の入り口であり続けている。日本の音楽業界が国内のリリースサイクルで測る賞味期限と、海外での賞味期限は同じではない。

ただ、金額の桁は見誤らないほうがいい。30ユーロは日本円でおよそ5,200円、アニメ祭の当日券55ユーロは約9,500円。3人で分け合うクラブ公演の売上を考えれば、これ単体で大きく稼ぐ興行ではない。個人的には、ここを「海外進出」と呼んで持ち上げるのは早いと思っている。それでも毎年この規模の催しが積み上がって9回目まで続いているという事実のほうが、単発の話題より重い。

作品が現地で生き続ける限り、代表曲の寿命も延びる

ドイツで日本の歌手を呼べるのは、歌手の知名度ではなく作品の知名度が先にあるからだ。会場の告知が作品名から始まるのは、その順番を正直に反映している。歌手の側から見れば不本意な扱いに見えるかもしれない。

ただ、不利ばかりでもない。作品が現地で見られ続ける限り、代表曲の寿命は延びる。新里が10年以上前の曲でドイツの4公演を回れているのは、『ONE PIECE』が現地で切れずに供給され続けているからだ。海外での活動を考える日本のアーティストにとって、どの作品に曲を提供するかは、その先10年の海外の足場を決める選択になっている。曲そのものより、曲の乗る船を選ぶ話だ。

編集部
Velleity Note 編集部
Overseas Reception, Read Straight

日本のアニメ・ゲーム・音楽・カルチャーが海外でどう受け止められたかを、賛否そのままに、現地語の一次ソースで確かめてから日本語にしています。褒めるだけの国内報道とは違う角度で。続報があれば更新日を明記して追記します。