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【フランス】日本のヴィジュアル系D’ESPAIRSRAY、2027年3月にパリなど欧州5都市へ。単独公演は2010年以来

編集部
吉沢まことVelleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
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【フランス】日本のヴィジュアル系D’ESPAIRSRAY、2027年3月にパリなど欧州5都市へ。単独公演は2010年以来

3行サマリー

  • D’ESPAIRSRAYが2027年3月8日から15日まで、ヘルシンキ・ワルシャワ・ベルリン・ケルン・パリの欧州5都市で単独公演を行う
  • 最終日の3月15日はパリのライブハウス「Backstage By The Mill」。5会場はいずれもクラブ規模で、主催者自身が「小さなクラブ公演」と表現している
  • 発表の翌日、バンドは日本の10組が出演したパリのヴィジュアル系フェス「B7KLAN J-ROCK FEST」(7月11日・12日)のステージに立った

再結成したD’ESPAIRSRAY、2027年3月に欧州5都市を回る単独ツアーへ

日本のヴィジュアル系バンド、D’ESPAIRSRAY(ディスパーズレイ)が2027年3月に欧州を回ります。ツアー名は「D’ESPAIRSRAY WORLD TOUR 2027 "REVENANT"」。3月8日のヘルシンキ(Tavastia)を皮切りに、10日ワルシャワ(NIEBO)、11日ベルリン(Hole44)、13日ケルン(Club Volta)と回り、15日のパリ(Backstage By The Mill)で終わります。

バンドが活動を止めたのは2011年でした。Electric Bloom Webzineによれば、2025年にHIZUMI、Karyu、ZERO、TSUKASAというオリジナル編成で再結成し、2026年には16年ぶりのシングル『RAPTURE』を発表、東京・Zepp DiverCityでの単独公演を完売させています。今回の欧州行きは、その延長線上にあります。

主催のNine Lives Entertainmentは「15年ぶりの欧州ツアー」と発表した

元ネタD’ESPAIRSRAY WORLD TOUR 2027「REVENANT」(Nine Lives Entertainment / 2026年7月11日)

裏取りD’ESPAIRSRAY to return to Europe in 2027 for first headline shows since 2010(Electric Bloom Webzine / 2026年7月13日)

D’ESPAIRSRAY will embark on their first European Tour in fifteen years. Five intimate club shows.(D’ESPAIRSRAYは15年ぶりの欧州ツアーに出ます。5本の、小さなクラブでの公演です)

ツアーを主催するのは、ドイツの興行会社Nine Lives Entertainmentです。同社は「15年ぶり」と書いていますが、Electric Bloom Webzineは、単独公演としては2010年のワールドツアー以来だと伝えています。数え方に幅はあるものの、欧州のファンが10年以上待った公演であることは動きません。

そして主催者は、自ら「intimate club shows」、つまり小さなクラブでの公演だと書いています。この一言が、発表後にいちばん議論された部分でした。

ツアー発表はパリのヴィジュアル系フェス出演の前日だった

発表は7月11日。その翌12日、バンドはパリ郊外トランブレー=アン=フランスのArena Grand Parisで開かれた「B7KLAN J-ROCK FEST」に出演しています。

会場の公式サイトによると、このフェスは欧州で日本のアーティストのツアーを手がけてきたB7KLANの20周年企画で、7月11日と12日の2日間に日本の10組と欧州の2組が出演しました。チケットは1日券が100ユーロと125ユーロの2種類、2日通し券が180ユーロと230ユーロです。

順番として興味深いのは、バンドがアリーナのステージに立ってから翌年の告知をしたのではなく、告知が先に来ていること。フェスの手応えを見てから決めた日程ではなく、すでに固まっていた日程を、いちばん人が集まる場所の前日に置いた。そういう組み立てです。

この夏の欧州が特別だったわけでもありません。日本音楽を追う欧州のウェブ誌AVO Magazineが7月にまとめた一覧には、LOVEBITES、セップク・ピストルズ、Ni-hao!!!!など、同じ月に欧州を回っていた日本のバンドが十数組並んでいます。D’ESPAIRSRAYの復帰は、その厚みのある流れのなかで起きた出来事でした。

欧州のファンが真っ先に話題にしたのは、会場の小ささだった

英語圏のJ-rockコミュニティ「JROCK ONE」のフォーラムでは、発表当日の7月11日にスレッドが立ち、その日のうちに20件以上の書き込みが並びました。

最初に出たのは行き先の相談です。ベルリンとワルシャワで迷い「電車が短いほうにする」と決めた人。ケルンに行くと即決した人。英国の日程がないことを惜しむ人。北米や南米からは「こちらにも来てほしい」という声が続きました。

そのあと空気が変わったのが会場の話でした。ベルリンのHole44について「hole(穴)と呼ばれるだけの広さしかない。パリに集まった人数を考えると、会場を大きくする必要があるのでは」という指摘には、賛同が集まっています。ヘルシンキのTavastiaにも「小さいので、チケットが数秒で売り切れないといいけれど」という書き込みがありました。喜びのすぐあとに心配が来る順序が、待たされた15年の長さを物語っていたように思います。なお、こうした投稿はいずれも個人によるもので、動員の実数を示すものではありません。

日本のヴィジュアル系が欧州で立つのは、アリーナではなく数百人のクラブ

今回の日程は、日本のヴィジュアル系が欧州でどのくらいの規模で受け止められているかを、かなり正直に見せています。

5会場はいずれもクラブ規模です。パリのBackstage By The Millは、ムーラン・ルージュのすぐ近くにあるライブハウスで、会場を紹介する各種の情報では400人前後の規模とされています。7月にバンドが立ったArena Grand Parisとは桁がひとつ違います。

ここに見えているのは、欧州のヴィジュアル系市場が「熱はあるが受け皿は小さい」形をしている、ということです。10組がまとまればアリーナが埋まる。ところが1組の単独公演になると、選ばれるのは数百人の箱になる。欧州でフェスという形式が機能しているのは、この差を埋める仕組みだからでしょう。

ただ、小さく始めるのは主催側にとって安全策でもあります。売れ残りのリスクは避けられる代わりに、15年待った層をそのまま取りこぼす。ファンが会場の大きさを心配したのは、単なる不満ではなく、この構造をよく分かっているからだと私は受け止めました。日本のバンドが海外に出るときに現実に選べる選択肢が、7月のフェスと来年3月のツアーという2つの日程の対比にそのまま出ています。

15年の空白があっても、2000年代に海外へ出た世代は客を失っていなかった

D’ESPAIRSRAYが最後に欧州を回ったのは2010年です。Electric Bloom Webzineによると、バンドは2006年のWacken Open Air、2007年のロサンゼルスでのJrock Revolution、2008年の全米ツアーTaste of Chaosと、日本のバンドの海外公演がまだ珍しかった時期から外に出ていました。

そこで作った関係が、15年の空白のあとも残っていた。今回の発表でわかったのは、そこでした。チケットの発売日はまだ公表されていません。

編集部
吉沢まこと
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

日本のアニメ・ゲーム・音楽・カルチャーが海外でどう受け止められたかを、賛否そのままに、現地語の一次ソースで確かめてから日本語にしています。褒めるだけの国内報道とは違う角度で。続報があれば更新日を明記して追記します。