【アメリカ】コナミのサイレントヒル新作、批評家81点でもSteam好評65%。日本語レビューは45%で最も厳しい

3行サマリー
- コナミの『SILENT HILL: Townfall』は批評家スコアがMetacritic 81点、OpenCritic 82点。一方でSteamのユーザー好評率は65.5%(3,360件・9月28日時点)にとどまっています。
- 言語別に見ると英語レビューは69.1%(2,009件)、日本語レビューは45.2%(84件)。日本語だけが24ポイント低い水準です。
- 開発はスコットランドのScreen Burn(旧No Code)、発売は日本時間9月24日。パブリッシャーはコナミとAnnapurna Interactiveの共同です。
批評家81点に対しSteam好評率65.5%、発売4日で3,360件のレビューが割れた
『SILENT HILL: Townfall』の評価は、批評家とプレイヤーで逆の方向を向いています。Metacriticの批評家スコアは81点、OpenCriticは82点で、どちらも好評の水準です。ところがSteamのユーザーレビューは、2026年9月28日時点で3,360件のうち好評2,202件、不評1,158件。好評率にすると65.5%で、Steam上の表記は「賛否両論(Mixed)」でした。
差は時間とともに開いています。発売当日の9月24日に報じたgagadgetは、その時点のSteam好評率を71%と記載していました。4日後には65.5%です。発売初日に手を伸ばした層より、そのあとに続いた層のほうが評価が辛い。数字の動き方としては、あまり気持ちのいい流れではありません。
TheGamerは「シリーズの新基準に届かない」と指摘、gagadgetは「批評家は絶賛、Steamのプレイヤーは違った」
出典:Townfall’s Strong Review Scores Don’t Quite Measure Up To The Series’ New Standards(TheGamer / 2026年9月21日)
出典:Silent Hill: Townfall is out — critics love it, Steam players don’t(gagadget / 2026年9月24日)
The stealth sections, which bulk out the runtime between puzzles and story beats, are described as repetitive and underdeveloped.
(ステルスのパートは、パズルと物語の合間の尺を埋めるものとして、反復的で作り込みが足りないと評されている)
TheGamerのJosh Coulson記者がこのスコアを取り上げたのは、レビュー解禁直後、まだ発売前のことでした。同記事が問題にしていたのはユーザー評価ではなく、シリーズのなかでの位置です。直近の『SILENT HILL f』は86点、『SILENT HILL 2』リメイクは87点。81点は決して低い数字ではないものの、コナミがこのシリーズで近年出してきた水準には並びません。
不満の中心はステルス、パズルと物語の合間を埋める反復に批判が集まった
プレイヤー側の評価を押し下げているのは、回避を軸にしたゲーム設計です。Steamの公式説明によれば、主人公サイモン・オーデルが持ち込めるのは限られた武器と道具だけで、敵との遭遇はやり過ごすことが前提になっています。携帯テレビ「CRTV」で不安定な信号を拾いながら進む一人称の探索が、本作の骨格です。gagadgetは、パズルと物語の合間の尺を埋めるステルスのパートが「反復的で作り込みが足りない」と評されていると整理しています。
では、批評家はなぜ同じ設計を減点しなかったのでしょうか。批評家レビューが評価したのは、霧の下に沈んだ島の町セント・アメリアという舞台の作り込みと、環境そのものに物語を織り込む手つきでした。開発元のScreen Burnは、レトロ機器の操作を題材にした『Stories Untold』、宇宙ステーションのAIを操る『Observation』を手がけたNo Codeが改名したスタジオです。空気を作る力は前作から一貫した強みで、通しで全体を見る批評家の読み方とはよく噛み合います。一方、同じ区間を何度もやり直すプレイヤーにとっては、その空気を味わう前に反復が先に来てしまう。評価が割れた理由は好みの違いというより、作品のどの部分に時間を使ったかの違いでした。
gagadgetはさらに、49.99ドルという価格に対して「有名ブランドの下で売られたインディーホラー」と受け止めるプレイヤーの声があったとも伝えています。Screen Burnはもともとインディー規模のスタジオです。『SILENT HILL 2』リメイクのような大作と同じ棚に並べられたことが、期待値の面では不利に働いた形になりました。
日本語レビューの好評率は45.2%、英語圏の69.1%を24ポイント下回る
言語別に分けると、日本のプレイヤーの評価が際立って厳しいことがわかります。9月28日時点で、英語レビューは2,009件・好評率69.1%(好評1,389件、不評620件)。対する日本語レビューは84件・好評率45.2%(好評38件、不評46件)で、不評が好評を上回りました。母数が84件と小さいので断定はできません。それでも24ポイントという開きは、誤差で説明できる幅ではないと受け止めています。
日本語レビューで繰り返し挙がっているのは、回避を強いられる設計への不満です。敵を無力化する手段が乏しいため一度の試行では抜けられず、位置とアイテムを覚え直しながら進むことになる。弾薬と回復アイテムが少ないのに敵の移動が速い、という指摘も複数見られました。
この落差を生んでいるのは、比較対象の重さだと考えています。『SILENT HILL f』が86点、『SILENT HILL 2』リメイクが87点と、シリーズは高い評価の作品を続けて出してきました。日本ではこの2作がどちらも大きく扱われています。その流れでTownfallを手に取った層にとって、回避を軸にした一人称の作りは、想定していた体験とかなり距離があったはずです。英語レビューでも同じ不満は挙がっているものの、好評率は69.1%で、不評が上回るところまでは至っていません。同じ設計に触れても、何と並べて見るかで結論が変わる。そこが今回いちばん印象に残った点でした。
批評家が評価したのは空気の密度、プレイヤーが評価しなかったのはそこへ至る手続き
『SILENT HILL: Townfall』をめぐる評価の食い違いは、作品の出来不出来というより、評価軸のずれから生まれています。批評家が見たのはセント・アメリアという町を構築した密度であり、プレイヤーが触れたのはそこへ到達するまでの反復でした。両者は矛盾していません。同じ設計が、立つ位置によって長所にも短所にもなっただけです。
コナミにとっての課題は、Screen Burnという作家性の強いスタジオを起用した判断そのものではなく、サイレントヒルというブランドが背負ってきた期待値との距離の取り方にあります。日本語レビューの好評率45.2%は、その距離がもっとも大きく出た数字です。シリーズの外側にある試みを今後も置いていけるかどうかは、この差が次の作品でどう動くかにかかっています。
※ Steamの好評率は2026年9月28日時点で取得した値です。レビューは随時追加されるため、現在の数値は変動している可能性があります。
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