【世界】カプコン『ストリートファイターV』、PHPの脆弱性対策で販売停止。800万本の格闘ゲームはオンライン対戦も再開未定

3行サマリー
- カプコンは10月27日、PS4版とSteam版の『ストリートファイターV』の販売を順次停止すると発表しました。累計800万本(2026年6月末時点)のタイトルです
- 原因はWeb用のプログラム言語「PHP」の重大な脆弱性への対応です。10月23日から臨時メンテナンスが続き、オンライン機能は使えず、再開時期も示されていません
- 10月29日朝のSteam同時接続は67人で、後継作『ストリートファイター6』の6,841人の約100分の1。日本のPS4・Steam版も同じ対象です
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カプコン、『ストV』のPS4・Steam版を販売停止。オンライン機能は再開未定
カプコンは10月27日、『ストリートファイターV』(以下ストV)のPlayStation Store版とSteam版の販売を、修正が終わるまで順次停止すると発表しました。理由は、本作が使っているプログラム言語「PHP」のセキュリティ強化です。
オンライン対戦などネットにつながる機能は10月23日から使えなくなっています。オフラインで遊べる部分は引き続き遊べます。オンライン機能の復旧と販売再開の時期は、発表の時点で示されていません。
ストVは2016年に発売された対戦格闘ゲームです。電ファミニコゲーマーによると、累計販売本数は2026年6月末時点で800万本に達しています。
Steamの告知は「オンライン機能を使うコンテンツは利用できない」
出典:Notice of Emergency Maintenance(Street Fighter V Steamニュース / 2026年10月23日)
出典:Capcom has temporarily delisted Street Fighter 5 and turned off its servers as it works on PHP security issue(VGC / 2026年10月27日)
出典:『ストリートファイターV』PS4・Steam版の販売を一時停止へ(電ファミニコゲーマー / 2026年10月27日)
Content that can be played offline remains available. We are currently conducting emergency maintenance to resolve this issue.
Steamの告知は「オフラインで遊べるコンテンツは引き続き利用できる。問題解決のため臨時メンテナンスを実施中」という内容です。日本語の告知も、PS4版とSteam版でPHPを使っていること、オンライン機能を使うコンテンツが利用できないことを同じように伝えています。
引き金は10月21日のPHP緊急修正。日本でも長期運営ゲーム2作が終了した
ストVが止まった背景には、PHPに見つかった2件の重大な脆弱性があります。英国の国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)は10月21日に注意喚起を出し、PHPで動くWebサーバー上で、攻撃者が外部から任意の命令を実行できるおそれがあると説明しました。対象はすべてのPHPのバージョンで、NCSCは最新版への更新を求め、更新も回避策も無理ならシステムをオフラインにするよう勧めています。
では、なぜ発売から10年近いストVまで止まったのか。PHPはWebサイトの裏側で広く使われる言語で、ゲームのサーバーにも使われています。古いゲームほど、作られた当時の環境のままサーバーが動いています。最新版のPHPに入れ替えるには、プログラムの改修と動作確認が要ります。このため、日本のゲームのなかには緊急メンテナンスでは済まない作品も出ました。
Game*Sparkによると、『ウマ娘 プリティーダービー』や『グランブルーファンタジー』が緊急メンテナンスを行った一方、10年以上運営されてきた『ワールドクエスト』と『僕の魔界を救って!』はサービス終了を発表しています。ストVは終了ではなく「修正まで販売停止」ですが、販売まで止めた点で、メンテナンスだけの作品より一段重い対応です。
海外Redditの最多票は「PHPを使っていたとは。でも発売時の混乱の説明がつく」
格闘ゲームファンが集まる海外掲示板Reddit r/StreetFighterでは、販売停止を伝えたスレッドが日本時間10月28日未明に立ち、10月29日朝の時点で350票・コメント36件を集めています。同じ週に1,000票を超えたスレッドもある板なので大きな数字ではありませんが、受け止めには特徴があります。
- 最多の110票を集めたのは「PHPを使っていたなんて信じられない。でも、それで発売時のことに説明がつく」というコメントです。ストVは2016年の発売直後、オンライン接続の不具合が続いたことで知られます。
- 44票を集めたコメントは、販売停止の理由を「DLCが動かないという苦情や返金の要求を避けるためだろう」と推測しています。
- 「前の晩にセールで最後のDLCを買ったばかり」「盛り上がっていると聞いて買った直後だった」と、直前に購入した人の書き込みも複数ありました。
- 「このまま二度と買えなくなるのでは」と、『ストリートファイター X 鉄拳』の前例を挙げて心配する声もあります。
スレッドを読んだ限りでは、怒りより苦笑いに近い書き込みが目立ちました。10年近く前のサーバーの作りが、いまになって表に出たことへの驚きが中心です。
Steam同時接続は67人、『スト6』の約100分の1。日本の所有者もオフラインだけに
Steamの公開データでは、10月29日午前6時25分(日本時間)時点のストVの同時接続は67人でした。同じ時刻の『ストリートファイター6』は6,841人です。オンライン機能が止まっているため、いまストVを起動しているのはオフラインで遊ぶ人に限られます。
日本のプレイヤーへの影響もはっきりしています。今回の対象はPS4版とSteam版で、日本のストアも含まれます。すでに持っている人は、オフラインのモードは遊べますが、オンライン対戦はできません。新しく買うことも、修正が終わるまではできません。カプコンの告知はストVだけを対象にしており、『ストリートファイター6』は通常どおりオンラインで遊ばれています。
再開の日付が出るまで、ストVは「買えない・対戦できない」状態が続く
今回の件は、10年近く前のゲームが、Web全体を揺らした脆弱性の影響を受けたケースです。カプコンは終了ではなく一時的な措置としていますが、復旧の時期を示していません。PHPの入れ替えに時間がかかる古いサーバーほど、対応は長引きます。個人的には、直前のセールで買ったばかりの人にさえ、再開の目安が示されていない点がいちばん気になりました。所有者が次に見るべきなのは、カプコンが販売再開とオンライン機能復旧の日付を出すかどうかです。
