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【アメリカ】ワンピース北米初の公式フェス、ドームに全エピソードを同時再生。7,000人枠は抽選のみで転売禁止

編集部
吉沢まことVelleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
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【アメリカ】ワンピース北米初の公式フェス、ドームに全エピソードを同時再生。7,000人枠は抽選のみで転売禁止

3行サマリー

  • 東映アニメーションの米国法人が、北米初の公式ファンイベント「ONE PIECE Fest 2026」を8月25日・26日にロサンゼルス近郊のCosm Los Angelesで開催。定員は2日間の4回公演で7,000人。
  • 目玉は直径87フィート(約26.5メートル)のLEDドームに映す「エルバフ体験」。5,000平方フィートの画面を12K×10Kで動かし、冒頭で全エピソードを一斉に再生した。
  • チケットは抽選のみで2枚1組109ドル、転売と譲渡は全面禁止。日本の「ONE PIECE DAY’26」(8月22日・23日、幕張メッセ)の2日後という日程だった。

東映アニメーション、北米初の「ONE PIECE Fest」を7,000人限定で開催

東映アニメーションの米国法人 Toei Animation Inc. が、『ONE PIECE』のファンイベント「ONE PIECE Fest 2026」を8月25日と26日の2日間、ロサンゼルス近郊イングルウッドの体験型施設 Cosm Los Angeles で開きました。北米で初めての、ワンピース単独の公式イベントです。

入場は1日2回の入れ替え制で、1回あたり1,750人、4回合計で7,000人。チケットは抽選のみで、当選者だけが2枚1組109ドル(約1万6,000円)で買える仕組みでした。転売と譲渡は全面禁止で、公式は「転売されたチケットでは入場できない」と事前に明記しています。前日の8月24日には招待制のメディア・VIPプレビューも行われました。

東映アニメーション発表とCBR現地取材:87フィートのLEDドームで動く「エルバフ体験」

出典TOEI ANIMATION AND THE STRAW HAT CREW LAND FOR ONE PIECE FEST 2026: AUGUST 25 & 26 AT COSM LOS ANGELES(Toei Animation Inc. / 2026年4月30日)

出典One Piece Fest 2026 Set Sail in Los Angeles With Immersive Environments, Live Performances & More(CBR / 2026年8月27日)

特別に制作した没入型の「エルバフ体験」を、Cosm Los Angeles の直径87フィートのLEDドームで、5,000平方フィート・12K×10Kの映像として上映する。

会場のCosm Los Angelesは2024年に開業した施設で、ドーム型のLEDスクリーンをまるごと一枚の画面として使えるのが特徴です。ここに『ONE PIECE』の現行章であるエルバフを再現しました。CBRの現地取材によると、ドームの映像はゴーイングメリー号の甲板からフクロウの図書館へ進み、最後は鎖につながれた巨人ロキの足元に立たされる構成だったとのこと。巨人の大きさを見上げて体感させる作りになっていたそうです。

屋内はスリラーバーク、ドレスローザ、ワノ国といった作中の舞台ごとに区切られ、シャンクスがルフィに麦わら帽子を渡す場面の再現や、インペルダウンの牢に入って撮る写真スポットが置かれました。屋外にはウソップの射的やデイビーバックファイトのパンチングマシンが並び、会場全体が作品世界の縮図として設計されています。

ドームで全エピソードを一斉再生、その映像がXで数十万回表示された

ドームの上映は、いきなり全エピソードを同時に流すところから始まりました。1999年10月の放送開始から1,000話をゆうに超えた分量が、87フィートのドーム一面にモザイク状に並んで同時に動く。この場面を撮った映像がXで一気に広がり、ファンアカウントのZuffy(@strawhatzuffy)が8月25日に投稿したクリップは、米メディアFiction Horizonによれば数十万回の表示に達しました。

会場のCosm Los Angeles公式も同じ演出の映像を出しており、こちらは翌26日にポッドキャストのアカウントに引用される形で広がりました。派手な新情報の解禁があったわけではありません。上映の一場面だけがイベントの外へ届いた形です。

ライブパートには、アニメの主題歌「ウィーアー!」「OVER THE TOP」を歌うきただにひろしさんが登場しました。CBRによると、開催日が58歳の誕生日と重なり、歌い終えたあとに客席から「ハッピーバースデー」の合唱が起きたそうです。上映の締めくくりには、7月2日にドジャースタジアムで行われた「One Piece Night」のドローンショーの記録映像も流れました。

現地の受け止めは技術への驚きと、1,000話超という長さへの自虐が半々

Xでの反応は、ドームの解像度と規模に素直に驚く声と、作品の長さを笑う声が混ざりました。前者は「あの環境で体験するところを想像してほしい」という投稿者本人の書き方に表れています。後者では返信欄に「1時間でワンピースを完走する最高の方法だ」といった軽口が並びました。個々の投稿は匿名アカウントのものなので事実の根拠にはしませんが、受け止めの傾向としては、技術的なスペクタクルへの称賛と、これから追いつこうとする人の途方に暮れ方が、同じ映像から同時に出てきた形です。称賛と困惑が一本の映像に同居していたのが、個人的にはこのイベントで一番おもしろい部分でした。

もう一つ、現地で目立ったのは行きたくても行けなかった側の反応です。定員7,000人に対して抽選という設計上、外れたファンはSNSの映像で見るしかありませんでした。CBRが記事に付けた読者投票では、次に近くの都市で開催されたら参加するかという問いに「行けるようあらゆる手を尽くす」が8割を超えています(同誌の任意投票のため参考値です)。

幕張メッセの2日後にロサンゼルス、日本より厳しいチケット設計だった

日本では8月22日・23日に幕張メッセで「ONE PIECE DAY’26」が開かれたばかりで、第2回キャラクター世界人気投票の最終結果が発表されたところでした。集英社・東映アニメーション・バンダイナムコグループの共催による、年に一度の大型イベントです。北米版はその2日後に、東映アニメーションの米国法人が単独で立てました。ONE PIECE Day に日程を合わせたことは公式が明言しています。

目を引いたのはチケットの設計です。7,000人という定員は幕張の規模には及びませんが、抽選・ペア販売・譲渡の全面禁止という3点を、最初の1回目からセットで敷いています。北米は二次流通市場が大きく、人気公演のチケットが定価の数倍で売られるのが常態です。東映はその市場を最初から通さない形を選びました。韓国では8月28日から転売額の50倍を課徴金として取る改正法が施行されたばかりで、チケットをどう守るかは日本語圏にとっても無関係な話ではありません。

そして東映は、この秋にロサンゼルスで常設の「ONE PIECE MUGIWARA STORE」を開く予定です。年に一度のイベントに加えて、北米に常設の売り場を持つ段取りが進んでいます。パリのグレヴァン美術館に日本アニメとして初めて登場した6月と合わせると、ワンピースが海外で取っているのは「現地に場所を作る」方向だとわかります。作品を配信で届けるのではなく、行ける場所を置く。そこに投じている手間の量が、この2年で明らかに変わりました。

「All ONE PIECE」の1回目、次がどこで開かれるかが本番になる

東映アニメーションはONE PIECE Festを「All ONE PIECE」という継続企画の第1回と位置づけており、マーケティング責任者のLisa Yamatoya氏も初回であることを強調しています。同社はこのイベントを「日本国外で最大のワンピースのロケーションベース・エンターテインメント体験」と説明しました。

ただ、初回を7,000人で締めたのはCosmという会場の収容力に合わせた結果でもあります。裏を返せば、需要に対して枠が足りていたのかどうかは今回の数字からは測れません。次にどの都市で、どれだけの規模で開くのか。そこが決まったときに初めて、この企画が単発の記念イベントだったのか、日本国外の常設ラインになるのかが見えます。日本のファンにとっては、幕張以外の場所で毎年ワンピースの祭りが立つかどうかの分岐点です。

編集部
吉沢まこと
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

日本のアニメ・ゲーム・音楽・カルチャーが海外でどう受け止められたかを、賛否そのままに、現地語の一次ソースで確かめてから日本語にしています。褒めるだけの国内報道とは違う角度で。続報があれば更新日を明記して追記します。

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