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【ドイツ】千と千尋の神隠し、25周年でドイツ全国再上映。ベルリンで金熊賞を得た名作が8月に里帰り

編集部
吉沢まことVelleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
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【ドイツ】千と千尋の神隠し、25周年でドイツ全国再上映。ベルリンで金熊賞を得た名作が8月に里帰り

3行サマリー

  • 宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』が公開25周年を迎え、2026年8月18日からドイツ全国の劇場で再上映されます。
  • 配給はWild Bunch Germany。ドイツ語吹替版と、日本語音声にドイツ語字幕を付けた原語版の2形式で上映されます。
  • この作品は2002年にベルリン国際映画祭で金熊賞、2003年にアニメ史上初のアカデミー賞(長編アニメ部門)を受賞。世界で最初に頂点へ立った土地が、ほかならぬドイツでした。

『千と千尋の神隠し』が8月18日からドイツ全国の劇場に戻ってくる

スタジオジブリの『千と千尋の神隠し』(ドイツ語題:Chihiros Reise ins Zauberland)が、公開25周年を記念して2026年8月18日からドイツ全国の劇場で再上映されます。配給はWild Bunch Germany。マールブルクのCineplexからアウクスブルクのCinemaxXまで、上映館は特定の都市にとどまらず全国に広がります。上映形式もドイツ語吹替版だけでなく、日本語音声にドイツ語字幕を添えた原語版が用意されました。宮崎駿監督が選んだ声と音のまま観たい、という人への目配りが感じられる座組みです。

ドイツのカルチャー誌GameProが「史上最高のアニメ映画のひとつ」と紹介

元ネタEiner der besten Anime-Filme aller Zeiten kommt wieder in die deutschen Kinos(GamePro / 2026年7月22日)

Mit »Chihiros Reise ins Zauberland« wird schon bald einer der besten Anime-Filme erneut aufgeführt – und das in zahlreichen deutschen Kinosälen.

記事は本作を「史上最高のアニメ映画のひとつ」と紹介し、四半世紀前の旧作をあらためて劇場にかけることが、いまドイツで穏やかな潮流になりつつあると伝えています。実際この夏は『火垂るの墓』や『もののけ姫』の再上映も相次いでいて、今回の千と千尋はその流れの延長線上にあります。旧作が配信で消費されて終わらず、わざわざスクリーンに戻される。そこにドイツの観客のジブリへの信頼が表れているように思いました。

世界で最初に頂点へ立ったのはドイツ・ベルリンだった

今回の里帰り上映には、少し特別な縁があります。『千と千尋の神隠し』は2001年7月に日本で公開されたのち、2002年のベルリン国際映画祭で最高賞にあたる金熊賞を受賞しました。アニメーション作品が同映画祭の頂点に立ったのは史上初めてで、その舞台がドイツのベルリンでした。翌2003年にはアカデミー長編アニメ賞を、これもアニメとして史上初めて受賞しています。ドイツでの劇場公開は2003年6月。世界興行は約3億5,800万ドルにのぼり、長く日本映画の歴代最高という記録を保ちました。最初にこの作品を高く評価した土地へ、25年を経てもう一度戻ってくる。そう思うと、ただのアンコール上映とは違う手触りが残ります。

日本でも注目されている? ジブリ再上映が示す海外での息の長さ

日本では配信やテレビ放送で繰り返し親しまれてきた作品ですが、海外では劇場のスクリーンで観直せる機会そのものが多くありません。ドイツでジブリ旧作の再上映が続いているのは、長年のファンの支持に加えて、字幕付きの原語版を求める新しい世代が育っている証しでもあります。吹替と原語版を並べて用意する今回の形からは、そのどちらにもきちんと応えようとする配給側の姿勢が伝わってきます。日本のコンテンツが一過性の話題で終わらず、四半世紀の時間に耐えて劇場へ呼び戻される。その事実は、海外での日本アニメの息の長さを静かに裏づけているように感じます。

四半世紀を越えて劇場に呼び戻される、日本アニメの底力

25周年の節目に、金熊賞を贈った国のスクリーンへ帰っていく『千と千尋の神隠し』。華やかな新作発表ではありませんが、時間を味方につけた作品だけが持つ強さが、この一件にはよく表れています。8月のドイツで、現地の観客がどんな顔でトンネルの向こうへ足を踏み入れるのか。個人的には、その光景をそっと見守りたい再上映です。

編集部
吉沢まこと
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

日本のアニメ・ゲーム・音楽・カルチャーが海外でどう受け止められたかを、賛否そのままに、現地語の一次ソースで確かめてから日本語にしています。褒めるだけの国内報道とは違う角度で。続報があれば更新日を明記して追記します。