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【中国】ウルトラマン60周年の人気投票、ティガが867万票で1位。2位の5倍で、ゼロは8位に落ちた

編集部
吉沢まことVelleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
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【中国】ウルトラマン60周年の人気投票、ティガが867万票で1位。2位の5倍で、ゼロは8位に落ちた

3行サマリー

  • bilibiliと新創華が開いたウルトラマン60周年の人気投票で、ウルトラマンティガが8,678,219票を集めて1位(8月9日6時・北京時間に当サイトで確認)
  • 2位のウルトラマンメビウスは1,664,865票。ティガはその5.2倍で、一時2位だったウルトラマンゼロは1,117,620票の8位まで落ちた
  • 対象は46人、締め切りは8月10日。上位10人が公式の記念映像や壁紙の対象になる

ティガが867万票で1位、2位メビウスの5.2倍に開いた

中国の動画サイトbilibiliと、円谷プロダクションの中華圏ライセンス窓口である新創華(SCLA)が、7月4日から「ウルトラマン60周年 光之創想季」という公式企画を開いています。目玉は46人のウルトラマンから人気を選ぶ投票。締め切りは8月10日で、上位に入った戦士には公式の記念映像や壁紙、アイコンが用意されます。

当サイトが8月9日6時(北京時間)に投票ページを開いて数字を控えました。1位はウルトラマンティガで8,678,219票。2位のウルトラマンメビウスが1,664,865票、3位のウルトラマンレオが1,443,585票です。ティガの票は2位の5.2倍にあたります。以下、4位ウルトラマンジード1,134,782票、5位ウルトラマンオーブ1,119,515票、6位ウルトラマンギンガ1,119,514票、7位ウルトラマンガイア1,119,513票、8位ウルトラマンゼロ1,117,620票、9位ウルトラマンネクサス1,052,453票、10位ウルトラマンゼット957,330票と続きます。

游民星空が7月20日に報じた時点で、ティガは225万票でした。そこから3週間足らずで3.8倍。ふつうの人気投票の伸び方ではありません。

出典:bilibili公式の企画ページと、中国のゲームメディア游民星空

出典奥特曼60周年光之创想季(bilibili / 2026年7月4日開始)

出典奥特曼60周年投票变味!迪迦、赛罗粉丝互撕(游民星空 / 2026年7月20日)

原本只是圈内轻松的情怀互动,却因部分极端粉丝引战,彻底变味。(もとは特撮ファンの気軽な懐かしがりの場だったのに、一部の過激なファンが争いを持ち込んで、すっかり変質した)

「あの世の通行人」という嘲りが、一般層をティガへ押し流した

游民星空によると、火をつけたのはウルトラマンゼロ側の一部ファンでした。ティガの票が伸び始めると、彼らは票の買い占めを疑い、ティガに投票する一般の視聴者を「陰兵過境(あの世の兵の行列)」「陰間路人(あの世の通行人)」と嘲ったと報じられています。ティガは特撮ファンのあいだでは「万人雷」、つまり多くの人に嫌われる存在であって首位にふさわしくない。そう主張して、公式に名簿から外すよう求める投稿まで出たそうです。ゲームやアニメの別コミュニティへ大規模に票の融通を持ちかけたとも伝えられています。

その発言のスクリーンショットが中国のSNS全体に広がり、ふだん特撮を追っていない層が投票ページへなだれ込みました。彼らの合言葉になったのが「我々は年をとっただけで、死んではいない」の一言です。中国版Weiboには「ウルトラマン60周年投票が変質した」というハッシュタグが立ち、いまはファンダム内の対立そのものが話題になっています。子供のころに見たヒーローを守るために大人が本気で票を入れる。その光景は、正直なところ少しまぶしくもあり、少し怖くもありました。

5位から7位が1票差で並び、8位ゼロの1,900票上に張りついている

今回いちばん引っかかったのは、上位の票数の並び方です。当サイトが確認した5位から7位、オーブ1,119,515票、ギンガ1,119,514票、ガイア1,119,513票は、それぞれちょうど1票ずつしか違いません。しかもこの3人はそろって、8位ゼロの1,117,620票の1,900票ほど上に固まっています。46人が競う投票で、偶然こうは並びません。

游民星空は、この企画では1日に複数票を投じられるため、一般層のあいだで「1票はティガに入れ、残りはゼロのすぐ上の順位にいる相手に入れる」という戦術が自然発生したと報じています。3人が1票差で横並びになり、しかもゼロの真上に張りついているという観測値は、その報道と符合します。人気を測るはずの数字が、特定の1人を押し下げるための道具になっている。1日に何票も入れられる設計が、この使われ方を呼び込んだ面は否めません。

1996年の『ティガ』が、中国のウルトラマン像そのものを決めていた

この結果は、日本の感覚とはかなりずれます。円谷プロが60周年の柱に据えているのはゼロで、公式企画ページにも新作『赛罗奥特曼 宇宙跃升』の先行予告が並び、60年分の力を引き出す新形態が発表されています。日本で「いまのウルトラマンの顔」を挙げるなら、多くの人がゼロを思い浮かべるはずです。

ところが中国は違いました。1996年の『ウルトラマンティガ』は中国大陸の子供向けチャンネルで長年くり返し再放送され、多くの中国人にとって最初に出会ったウルトラマンになりました。一般の人が「ウルトラマン」と聞いて思い浮かべる姿は、いまもティガのままです。今回の867万票が測ったのは、作品の新しさでも展開の広さでもなく、テレビ放送が20年以上かけて刷り込んだ記憶の厚みでした。

日本の権利元にとって、これは小さな話ではありません。海外では「その国の入口になった1作」が、本国の最新ラインナップより強く残ることがあります。60周年の柱に選んだキャラクターがその市場の公式投票で8位に沈む以上、記念企画の設計そのものを組み直す必要が出てきます。8月16日には北京の朝陽劇場で、円谷プロ公認の60周年記念舞台『奥特传奇之被遗忘的光』が開幕すると制作の開心麻花が告知しており、ゼロ、ゼット、ジード、ティガ、ティオの5人が同じ舞台に立ちます。どのキャラクターに歓声が集まるか。そこは投票結果と並べて見たいところです。

8月10日に締まる票が映しているのは、作品の強さではなく世代の代理戦争

投票は8月10日で締め切られ、上位10人が確定します。ティガの1位はもう動きませんが、ゼロが何位で終わるかはまだ分かりません。60周年という節目に公式が用意した「みんなで祝う投票」が、世代間の主導権争いの舞台になってしまいました。中国のファンが争っているのは、どのウルトラマンが強いかではなく、ウルトラマンを語る資格が誰にあるかです。数字は正直で、その争いの跡がそのまま票数の並びに残っています。

編集部
吉沢まこと
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

日本のアニメ・ゲーム・音楽・カルチャーが海外でどう受け止められたかを、賛否そのままに、現地語の一次ソースで確かめてから日本語にしています。褒めるだけの国内報道とは違う角度で。続報があれば更新日を明記して追記します。