📊 3行サマリー
- SuperAI 2026は6月10〜11日にマリーナベイ・サンズで開幕。150カ国から1万人・1,500社が集まり、前年2025年の7,000人から1.4倍規模に拡大する。
- 講演者にOpenAI・Google DeepMind・Anthropic・Mistral AI・Razer・Cerebras。スタートアップ50社のGenesisコンペには、OpenAI出資の10万米ドル賞金枠が用意される。
- Plug and Play Japanは3月18日に東京で「AI Enterprise Mixer」を開催し、同社のChiho Nelson氏が「日本のAIは破壊型ではなく統合型。労働力不足を埋める物理AI(ロボット・自動化)に需要が集中」と語っている。
📝 SuperAI 2026は150カ国から1万人集結、米中ブロック化のなか「中立AIハブ」を狙う
SuperAIは2026年6月10日と11日の2日間、シンガポールのマリーナベイ・サンズで開かれる。主催者によれば、参加登録は10,000人、出展企業は1,500社、講演者は150人以上、参加国は150カ国を超える見込み。前年2025年は完売で7,000人だったので、そこから1.4倍の規模になる。今年で3回目。米国・アジア・欧州のAI基盤モデル開発者、インフラ事業者、政策決定者、創業者が同じ会場に集まる場として、この規模のものはアジアで他にない。
📰 PR Newswire(SuperAI公式):講演者にOpenAI・Mistral・Razer・Cerebras、Balaji Srinivasanも基調講演
元ネタ:SuperAI 2026 Announces First Speakers as Singapore Strengthens Role as a Neutral Global AI Hub(PR Newswire / 2026年5月5日)
Max Tegmark, Robbie Schingler, Min-Liang Tan, Andy Hock, Balaji Srinivasan, Benedict Evans and leaders from OpenAI, Google DeepMind, Anthropic, Mistral AI and more join 10,000 attendees at Marina Bay Sands on 10-11 June.
第1弾の登壇者は、MIT教授Max Tegmark、Planet Labs共同創業者Robbie Schingler、Razer CEO Min-Liang Tan、Cerebras Systems CSO Andy Hock、OpenAIのスタートアップ責任者Indranil Sarkar、Google DeepMindのディレクターRamine Tinati、Anthropicの戦略担当Charu Maheshwari、中国Z.aiの責任者Zixuan Li、San Francisco Compute CEO Evan Conrad、ウェアラブル端末Ouraの臨床AI責任者Tanvi Jayaraman、の10人。さらに『The Network State』著者のBalaji Srinivasanが「個人・プライベート・プログラマブルなAIの未来」をテーマに基調講演し、市場アナリストのBenedict Evansが年次AI市場見通しを語る。パートナー・出展側には、Mistral AI、ヒューマノイドロボのUnitree、英Arm、Alibaba Cloud、Vercel、Snowflakeが並び、基盤モデルから物理AIまでフルスタックが揃う構成だ。
🔥 米中の輸出規制が強まるなか、シンガポールは「主権AIの中立地」を売り込む
主催者声明によれば、SuperAI 2026は「輸出規制が強まり、主権AI戦略が加速し、計算資源・人材・資本の奪い合いが激化するなか、中立的に集まれる場が要る、その需要に合わせて設計した」イベントだという。米中対立の中で、Cerebrasのような米AIチップ企業、中国のZ.ai、欧州のMistral、サウジアラビアのSDAIA、台湾のStartup Island Taiwanまでが同じ会場に並ぶのは、現状では珍しい。スタートアップ向けには「Genesis」コンペがあり、50社が出展、10社が決勝でピッチ。賞金総額はOpenAIが出す10万米ドル(約1,500万円)。審査員にはOpenAIのIndranil Sarkar、Plug and PlayのAPAC投資担当Wayne Soh、Canonical創業者Anand Iyerが入っている。プログラムは(1)フロンティアモデル、(2)GPU・データセンター・電力を含むインフラ、(3)ロボット&物理AI、(4)バイオ・ヘルス、(5)金融とエンタープライズ活用、(6)安全性・ガバナンス・労働、の6軸。ただし「中立」はあくまで主催者の自称で、SDAIAのようにスポンサー側にサウジ政府系が並ぶ以上、どこまで純粋に中立かは見方が分かれる。
🇯🇵 Plug and Play Japan「日本のAIは破壊より統合。物理AIで労働力不足に切り込む」
SuperAI本体に先立つ「Road to SuperAI」の一環として、Plug and Play Japan・Bright Dataとの共催で、クローズドな「AI Enterprise Mixer」が3月18日に東京で開かれている。Plug and Play JapanのEnterprise & AI担当ディレクターChiho Nelson氏は基調講演で、「米国企業はAIの収益化を、欧州企業は規制対応を優先する。日本企業は既存システムの近代化と、既存ワークフローへのAI埋め込みに集中している」と整理した。そのうえで、垂直分野特化のAI活用と物理AI(ロボット・自動化)への需要を指摘。背景にあるのは深刻な労働力不足で、AIは人の仕事を奪うのではなく「人の仕事を増強する」位置づけだとした。同セッションのモデレーターはPlug and Play JapanのInsurtechディレクターIsamu Nishiyama氏、パネリストはBright DataのCRO Gunja Gargeshwari氏とCitadel AI共同創業者・CTO Kenny Song氏。Nelson氏は「日本はフロンティアモデル開発こそ限定的だが、AIアプリケーションの実装では世界をリードする位置にいる」とも語っている。フロンティアモデルでは米中に勝てないが、製造業・ロボットの応用AIなら日本に勝ち筋がある、という整理を、シンガポール経由で世界に投げる動きが3月時点から始まっていた、という構図だ。SuperAI 2026本体では、この東京の議論が物理AI・製造AIセッションにそのまま接続される予定。
🏁 シンガポールの「中立ハブ」に日本が乗る、物理AIで巻き返す試金石
シンガポールがAI Week(6月8〜14日)とSuperAI(10〜11日)を組み合わせて打ち出している「中立AIハブ」のポジションは、米中ブロック化が進む中で日本企業にとって使い勝手のいい受け皿になる。Plug and Play Japan経由で発信される「日本=統合型・物理AI」という整理は、生成AIモデル競争で米中に後れを取る日本が、どこで世界に貢献できるかを言い切ったものだ。1万人規模のSuperAIで日本企業がどれだけ物理AI・製造AI領域の主役席を取れるか。6月10日以降の登壇企業リストと出展ブースに、日本のロゴが何社並ぶかを実際に数えればわかる。シンガポール経由で「応用AI国家」として日本が再定義される機会としては、今年が大きい。


