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【アメリカ】ソニーのプレステ生みの親、ディスク廃止の反発は「気持ちの問題」。海外掲示板にコメント3,103件

吉沢まこと
Velleity Note 編集長
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【アメリカ】ソニーのプレステ生みの親、ディスク廃止の反発は「気持ちの問題」。海外掲示板にコメント3,103件

3行サマリー

  • PS1〜PS3を手がけた久夛良木健氏(76歳)が英VGCの取材で、ディスク廃止への反発を「メンタリティの問題かもしれない」と発言
  • ソニーは2028年1月以降、新作PlayStationソフトの物理ディスク生産を終える方針を7月に発表済み
  • Redditのゲーム板では12,939ポイント・コメント3,103件。最上位コメント(13,267ポイント)は「デジタルの所有を保証しないなら怒るのは当然」

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SeriesPlayStationの物理ディスク廃止全3本

ソニーが2028年1月で新作PlayStationソフトの物理ディスク生産を終える方針と、それをめぐる海外の反応を追う連載

  1. 2026/7/5【ブラジル】日本のプレステ、ディスク廃止に議員抗議も地元ゲーマーは援護。皮肉投稿に2000いいね
  2. 2026/8/26【アメリカ】ソニーのプレステ、ディスク廃止で「ゲーミングPCでよくない?」論争。ソニーは「高級PCより安い」、海外の本音1位は返金制度
  3. 2026/10/21【アメリカ】ソニーのプレステ生みの親、ディスク廃止の反発は「気持ちの問題」。海外掲示板にコメント3,103件(この記事)

久夛良木氏、ディスクを「所有の象徴」と認めつつ継続は「経済的に合理的でない」

「プレイステーションの生みの親」として知られる久夛良木健氏が、ソニーの物理ディスク廃止に反発するファンについて「メンタリティ(気持ち)の問題かもしれない」と述べました。英国のゲームメディアVideo Games Chronicle(VGC)が10月16日(日本時間同日夜)に掲載したインタビューでの発言です。

久夛良木氏はディスクが「ゲームを『所有している』ことの象徴になった」ことには理解を示しました。そのうえで、ディスクを作り続けることは経済的に合理的ではないとの考えを示しています。

KotakuやPush Square、Eurogamerなど英語圏のゲームメディアが相次いで取り上げ、Redditの大型ゲーム板 r/gaming でもその日のトップ投稿になりました。上位に並んだコメントの多くは、「気持ちの問題」という見立てへの反論です。

VGCの取材:「スマホに物理メディアが要ると考える人はいない」

出典:Ken Kutaragi ‘understands’ why PlayStation fans don’t want to give up physical games(Video Games Chronicle / 2026年10月16日)

出典:‘Father Of PlayStation’ Ken Kutaragi Blames A ‘Mentality Issue’ For The Backlash To Killing Discs(Kotaku / 2026年10月17日)

I really understand [why some people are upset], but I don’t think it’s economically reasonable. Maybe it’s a mentality issue.

取材の場所は、英国ミドルズブラで開かれた業界イベント「Game Republic New Horizons」です。久夛良木氏はスマートフォンを例に挙げ、ネットにつながる機器で物理メディアが必要だと考える人はいない、コンテンツは手元に残ると感じているからだ、と説明しました。

一方で、ソニーの進め方が「熱心なゲームファンとの摩擦を生んだ」とも認めています。現在のソニー・インタラクティブエンタテインメントにはGaikaiや動画配信の会社から来た人が多く、PlayStationをゲーム機ではなく「コンテンツ端末」と見ているのかもしれない、という見立てです。

久夛良木氏は2007年にソニーを離れており、現在はAscent Robotics、Cyber AI EntertainmentのCEOを務めています。講演では「これはソニー・コンピュータエンタテインメントの公式コメントではない」と断りを入れていました。発言は個人の見解です。

2028年1月のディスク終了発表から3カ月、反発はまだ収まっていない

発言の背景には、ディスク廃止への不満がまだ冷めていないという事情があります。ソニーは2026年7月、2028年1月以降に発売する新作ソフトの物理ディスク生産を終える方針を発表しました。発表直後の海外の反応は、当サイトでもブラジルとアメリカの2回にわたって取り上げています。

英Push Squareは、熱心なPlayStationファンの空気は「本当に低いところにある」と書いています。SNSでは今もソニーの投稿に「No Disc, No Buy(ディスクがないなら買わない)」という返信が並んでいるといいます。同メディアは、こうした投稿の半数近くが偽アカウントだったとする調査にも触れつつ、本物の不満が残っていることは確かだとしています。

なぜ今、創業世代の一言がここまで反発を呼んだのか。ディスク廃止の議論の中心が「懐かしさ」ではなく「買ったものが自分のものか」という所有権に移っているからです。Kotakuは、デジタル版の販売を規制して購入者の所有を守る法案を米国の連邦議員が提案していることにも触れています。ファンから見ると、久夛良木氏の発言はこの核心を「気持ち」の問題に置き換えたように映りました。

Redditの最上位コメント「所有を保証しないなら、怒るのは当然」

r/gaming のスレッドは、10月21日11時(日本時間)の時点で12,939ポイント、コメント3,103件に達しています。上位コメントの主な論点を、意訳で紹介します。

  • 13,267ポイント(最上位):デジタルで買ったゲームの所有を保証しないのなら、物理版を取り上げられて人が怒っても文句は言えない。デジタルの仕組みを信用していないだけだ。
  • 3,732ポイント(上の返信):「ゲームがあなたのものだと法律で保証されるよう議員と協力している」と言えば済む話なのに、そうは言わない。
  • 2,873ポイント:ディスクを持つのは比喩としての所有ではなく、文字どおりの所有だ。IPは向こうのもので、コピーは自分のものだ。
  • 2,773ポイント:要するに「所有していると思い込んでいるだけだから、早く気づけ」と言っているのでは。
  • 416ポイント:PS2に『ゴッド・オブ・ウォー』を入れれば、森の中で発電機につないでネットがなくても動く。ソニーには止められない。だからあれは自分のゲームだ。

反論の芯は、ディスクを「懐かしいモノ」ではなく、買ったゲームを自分の手に残す最後の手段と見ている点にあります。返信のなかには、ソニーが購入済みのデジタルタイトルをアカウントから消した例があると挙げ、不安は思い込みではないと訴える声もありました。

一方で、ライセンス業界で働いてきたという投稿者は、法的にはディスクでも「所有」ではなく「私的に遊ぶ権利(ライセンス)」を買っているのだと補足しています。そのうえで、物理とデジタルでは実際の違いがある、とも書いています。「買っても所有にならないなら、海賊版も窃盗ではない」という皮肉が広まっていると嘆くコメントも、上位に入りました。

PSを作った本人の言葉が、ディスク廃止の「所有権」論争を再燃させた

海外ファンが反発したのは、ディスク廃止そのものよりも、その理由を「気持ちの問題」と言われたことでした。久夛良木氏の発言には、ソニーとファンの摩擦を認める部分もあります。それでも、切り取られて広まったのは「メンタリティ」という一語です。

個人的には、「熱心なファンとの摩擦を生んだ」と認めた後半の言葉のほうが、いまのソニーへの率直な指摘として印象に残りました。PlayStationは日本で生まれたブランドで、2028年1月の方針は日本のユーザーにとっても他人事ではありません。海外の議論が突きつけているのは、ディスクの代わりにデジタルの所有をどう保証するのかという問いで、ソニーはまだそこに答えていません。

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吉沢まこと
Velleity Note 編集長(EIC)・エディトリアルディレクター

Webデザイナー、雑誌出版社のWebディレクター、コンテンツマーケター、Web広告プランナーを経て、現在は愛知県の業界No.1企業のインハウスのAIプロダクトマネージャー兼データサイエンティスト。Velleity Noteでは編集長としてメディアの編集方針を定めるとともに、AIとの共著で記事を制作する自動化ワークフローの設計とシステム開発を手がけている。