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【台湾】映画ちいかわ、6歳未満は観られない「保護級」に。日本は全年齢のG指定、先行2日で興収800万台湾ドル

編集部
吉沢まことVelleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
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【台湾】映画ちいかわ、6歳未満は観られない「保護級」に。日本は全年齢のG指定、先行2日で興収800万台湾ドル

3行サマリー

  • 『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』が台湾の映画分級審議で「保護級」に分類され、6歳未満は鑑賞できなくなりました。6歳以上12歳未満も保護者らの同伴が必要になります
  • 日本では7月24日の公開から3日間で興行収入22.4億円、動員150万人。日本の映倫区分はG(年齢制限なし)で、台湾とは線の引き方が分かれました
  • 台湾の公開は7月31日。先行上映は7月25日と26日の2日間だけで、配給元の羚邦アジアは興行収入が800万台湾ドルを超えたと発表しています

台湾の分級審議で「保護級」、6歳未満は劇場に入れない

ナガノさんの人気作を初めて映画化した『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』が、7月31日に台湾で公開されます。ところが台湾の映画分級審議を通った結果、区分は「保護級」になりました。6歳未満の子どもは鑑賞できず、6歳以上12歳未満は保護者・教師・成人の親族の同伴が必要になる区分です。丸くてやわらかい絵柄の作品にこの区分が付いたことで、現地では公開前から議論が起きています。

自由時報によると、区分を分けたのは画風ではなく物語の展開でした。ちいかわ、ハチワレ、うさぎたちが人魚島にたどり着いてからは空気が張り詰め、登場人物が選択と危機に直面する場面が続きます。かわいさで始まって重さで終わる構成が、そのまま年齢の線引きに反映された形です。

自由時報が伝えた観客の声「大人でも最後はホラーだと思った」

出典吉伊卡哇粉注意!劇場版上映「台灣列保護級」 大人看完也嘆:有點沉重(自由時報 / 2026年7月28日)

出典《劇場版吉伊卡哇 人魚島的秘密》台灣口碑場800萬票房奪冠 原裝進口首週特典公開(4Gamers / 2026年7月27日)

經台灣電影分級審議後列為「保護級」,引發欲前往觀影的民眾及粉絲們激烈討論(台湾の映画分級審議を経て「保護級」に分類され、鑑賞を予定していた人やファンのあいだで激しい議論を呼んでいる)

自由時報の記事で目を引いたのは、区分に反発する声より納得する声のほうが多かったことです。先行上映を観た人からは「今回の話はたしかに少し重い」「もったいなくはない。大人の私たちも最後はホラー映画だと思った」「雰囲気が想像よりずっと圧迫的だった」「絵柄がかわいいからといって、すべての子どもに向いていると思わないでほしい」といった受け止めが並びました。同紙は、ちいかわらしい温かさとユーモアは残っているものの感情の重さが増しているため、保護者は内容を確かめてから子どもを連れて行くか決めるとよい、という助言も紹介しています。

一つひとつの投稿は匿名なので、そこだけを根拠に断定はできません。ただ、区分への抗議が広がるどころか「観た人ほど納得している」という向きにそろっているのは、現地の受け止め方として押さえておきたいところでした。

先行上映2日で興収800万台湾ドル、日本では3日間で22.4億円

台湾では正式公開に先立ち、7月25日と26日に先行上映が組まれました。配給元の羚邦アジアの発表として4GamersとETtoday遊戲雲が伝えたところでは、限られた上映回数にもかかわらず興行収入は800万台湾ドルを超え、新作としては首位に立ちました(ETtodayは総合3位と表記しています)。会場で配られた特典の「討伐棒」は、受け取った観客が「かわいすぎて開封できない」と話すほどの反響だったといいます。

日本での数字はさらに大きく、7月24日の公開から3日間で興行収入22.4億円、動員150万人を記録しました。週末動員ランキングは1位。『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』の22.3億円をわずかに上回り、オープニング3日間としては歴代の上位に食い込んでいます。台湾側の報道がこの日本の数字を記事の冒頭に置いていたことにも、現地の期待の高さがにじんでいました。

公開に合わせ、羚邦アジアは日本と同じ初週特典を用意しました。ちいかわ、ハチワレ、うさぎ、モモンガ、くりまんじゅう、ラッコ、シーサー、古本屋の8種類のミニフィギュアのキーホルダーを日本から空輸し、7月31日から8月6日までの購入者に配ります。日本のファンと同じものを、同じ時期に手にできる。海外のファンが並行輸入や転売に頼らずに済む配り方で、ここは素直にうまいと感じました。

日本の映倫はG指定、同じ作品が海を渡ると年齢の線が引き直される

日本の映倫区分はG、つまり年齢制限なしです。同じ99分の作品が、台湾では6歳未満を締め出す区分になりました。作品が変わったのではなく、子ども向け作品にどこまでの緊張を許すかという基準が、国や地域ごとに違うだけです。

日本のIPを海外に出すとき、この差は現場のコストとして効いてきます。年齢区分が上がれば、親子連れの動員は目に見えて削られる。台湾は日本語音声版を7月31日、中国語吹き替え版を8月7日に分けて公開する構成で、家族連れを取りにいく設計になっています。だからこそ区分の影響は、そのまま数字に出ます。ちいかわのように「かわいさ」が入口になっている作品ほど、入口と物語の落差が海外の審査で表に出やすい。

ただ、台湾の観客はその落差を欠点として受け取っていません。「絵柄がかわいいからといって子ども向けとは限らない」という理解が先に広がっているのは、ちいかわが現地でどれだけ読み込まれているかの証拠です。

かわいい絵柄と物語の重さのずれが、台湾の区分で可視化された

今回の一件は、興行の失敗でも規制の話でもありません。日本ではG指定で通った作品が、台湾では年齢の線を引かれ、そのことに現地のファンが「妥当だ」と応じた。この往復に、ちいかわが海外でどう読まれているかがはっきり出ています。7月31日からの本編は、先行上映の800万台湾ドルを大きく超えてくるはずです。台湾はいま、日本のIPの受け止められ方がいちばん速く見える市場だと思っています。

編集部
吉沢まこと
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

日本のアニメ・ゲーム・音楽・カルチャーが海外でどう受け止められたかを、賛否そのままに、現地語の一次ソースで確かめてから日本語にしています。褒めるだけの国内報道とは違う角度で。続報があれば更新日を明記して追記します。