📊 3行サマリー
- 韓国のHound13が、ガチャ運営型だった『ドラゴンソード』を作り直し、19人の英雄を全部ゲームプレイで集められる買い切り型『ドラゴンソード:アウェイクニング』を7月23日朝7時にSteam配信する。価格は3,400円、日本語字幕対応。
- 発端は2026年1月の韓国リリースから1か月後。開発元Hound13が未払いを理由に出版社Webzenとの契約解除を通告し、WebzenがHound13の自社配信を止める仮処分を申し立てた。訴訟は今も続いている。
- 第1章を遊べる体験版はレビュー404件中68%が好評の賛否両論。原神や鳴潮のガチャに慣れた日本のプレイヤーに、「買い切りで全キャラ入手」という対案を投げかける。
📝 韓国Hound13、ガチャ運営型だった『ドラゴンソード』を全キャラ解禁の3,400円買い切りに作り直す
韓国のゲーム開発会社Hound13が、アニメ調オープンワールドRPG『ドラゴンソード:アウェイクニング(DragonSword : Awakening)』を、日本時間7月23日7時にSteamで配信する。価格は3,400円で、日本語字幕に対応する。元になったのは、同社が2026年1月に韓国でサービスを始めた基本プレイ無料・ガチャ運営型の『ドラゴンソード』だ。その作品からガチャを丸ごと取り払い、買い切り型として組み直したのが今回のアウェイクニングにあたる。
いちばんの変更点は集金の仕組みだ。19人いる英雄キャラクターは、ガチャを回さずストーリー進行やゲーム内通貨で全員手に入る。課金はコスチュームと一部のファミリア(騎乗できる相棒)のDLCだけで、それ以外の追加課金はない。基本無料で札束を積ませる作りから、一度払えば中身は全部開く作りへ、土台ごと入れ替えた格好になる。
📰 AUTOMATON報道:19英雄のタッグ戦闘、滑空できるファミリア、8章のメインクエスト
元ネタ:アニメ調オープンワールドRPG『ドラゴンソード:アウェイクニング』、7月23日配信へ(AUTOMATON / 2026年6月18日)
買い切り型となる本作では、ゲーム内ガチャ要素が完全に排除され、全プレイアブルキャラクターとコアコンテンツがゲームプレイのみで入手可能。
舞台はオルビス大陸。60年前にドラゴンを倒した6人の英雄の足跡を、少年リュートと傭兵団がたどっていく。戦闘は状態異常を絡めたタッグアクションで、19人の英雄それぞれに別々の状態異常能力があり、操作キャラを入れ替えながらシグナルスキルでコンボをつなぐ。フィールドではファミリアに乗って滑空やダッシュができ、拾った素材を組み合わせて料理も作れる。メインクエストは8章まで、ダンジョンや討伐、レイドも入っていて、討伐とレイドはマルチプレイに対応する。開発はHound13。『ドラゴンネスト』に関わったパク・ジョンシク氏がCEOを務める会社で、過去にはスマホ向けアクション『ハンドレッドソウル』を2019年7月に日本でも展開していた。
🔥 きっかけは未払いを巡る決裂——Hound13が契約解除、Webzenが配信差し止めを申し立て
買い切りへの方針転換は、すっきりした経営判断というより、もめ事の産物だ。元の『ドラゴンソード』は2026年1月に韓国でリリースされたが、その1か月後、開発元のHound13が「未払いがある」としてパブリッシャーWebzenとの契約解除を発表した。Webzenはすぐに反論し、解除通告は法的要件を満たしておらず契約は有効だと主張。さらに『ドラゴンソード』の決済機能を止め、課金分の返金まで進めた。
4月になってHound13は、元のタイトルとは別物として、自社で出す買い切り版アウェイクニングを発表した。これに対しWebzenは、Hound13の自社配信を禁じる仮処分を裁判所に申し立てている。Hound13側は「契約は2月の時点で適法に解除済みで、開発会社かつ著作権者として独自の配信権限を持つ」との立場だ。両社の法廷争いは決着しておらず、7月23日の配信もこの綱引きの最中に行われる。
💬 体験版は賛否両論、レビュー404件中68%が好評——脱ガチャを買って応援する声も
6月5日から24日まで配信された体験版では、メインストーリー第1章と19人中9人の英雄が先行で遊べた。Steamのレビューは6月9日時点で404件中68%が好評という賛否両論で、ロックオン機能がない、パッド操作が不便といった指摘が目立った。これらは製品版で、ロックオンの追加、回避とスプリントの入力分離、パッド対応の見直しなどとして手が入っている。
海外の掲示板ResetEraでは、「ガチャをやめた姿勢そのものを応援したいから買う」という声が出る一方で、「無料で試せたものに定価を払う人がどれだけいるのか」という冷静な疑問も並んだ。見た目はいかにもガチャゲーなのに中身からガチャを抜いた、というねじれが、そのまま評価の分かれ目になっている。
🇯🇵 原神・鳴潮型のガチャに疲れた日本のプレイヤーに、買い切りという対案を示せるか
この一件が日本のプレイヤーに引っかかるのは、ジャンルがちょうど刺さる位置にあるからだ。アニメ調のオープンワールドで仲間を入れ替えて戦う作りは、原神や鳴潮、ブルーアーカイブといったガチャ運営型がほぼ独占してきた。日本はそのガチャ市場の最前線で、毎月の天井やすり抜けに付き合ってきたプレイヤーも多い。そこへ「3,400円払えば19人全員ついてくる」と言い切るタイトルが、日本語字幕付きで正面から入ってくる。
もちろん、買い切りなら無条件で正義という話ではない。運営型のように長く更新が続くのか、8章ぶんのボリュームで定価に見合うのか、訴訟が配信を止めないのか。詰めるべき点は残る。それでも、ガチャ前提が当たり前になった日本のアニメRPG市場に、「最初に全部払って全部もらう」という別の選び方を、具体的な値札付きで突きつけた意味は小さくない。
🏁 訴訟を抱えたまま、韓国産アニメRPGが「脱ガチャは商売になるか」を試す
『ドラゴンソード:アウェイクニング』は、出来のいいアニメRPGというだけの作品ではない。ガチャ運営型として始まった作品が、パブリッシャーとの決裂を経て、ガチャを捨てた買い切りに生まれ変わって店頭に並ぶ。その結果が売れれば、「アニメ調=ガチャで稼ぐ」という業界の前提に一つ穴が空く。逆に伸びなければ、無料で配って中で課金させるやり方の強さを、裏側から証明することになる。配信は7月23日のSteamで、ローンチ記念としてファミリアDLC「深淵のダイアウルフ」が8月31日まで無料配布される。訴訟の行方とあわせて、売上がどう転ぶかを見ておきたい。

