📊 3行サマリー

  • 5月16日、Pasadena・Rose Bowl Stadium内Brooksideで音楽祭「Zipangu」が開催され、日本人アーティスト8組が出演、観客は約2万人。米国で行われた日本音楽イベントとしては過去最大規模。
  • ヘッドライナーはAdoで、60分の単独セットでサッカー日本代表2026ユニフォーム公式ソング『KIRA』を世界初披露。HANA、10-FEET、CHANMINAは米国初公演となった。
  • 主催はGoldenvoice(Coachella運営)とCLOUD NINE。Yokocho(横丁)食ブースにはたこ焼き・焼きそばが並び、来場者の半数以上が他州からの遠征組と報じられた。

📝 Rose Bowlに約2万人、日本人8組が同時集結したZipanguが5月16日に開催

カリフォルニア州PasadenaのRose Bowl Stadium内、Brooksideエリアで2026年5月16日、日本人アーティストだけを揃えた音楽祭「Zipangu」が行われた。出演はTeddyLoid、HANA、10-FEET、CHANMINA、MAN WITH A MISSION、ATARASHII GAKKO!、Yuki Chiba、Adoの計8組。観客数は主催側が「数千×数千」と表現し、報道は約2万人規模と伝えている。米国で日本人アーティスト中心の音楽イベントが行われた事例としては、過去最大の規模になる。

📰 USC Annenberg Media「日本ポップカルチャー拡大の最前線がZipangu」と総括

元ネタZipangu: The peak of the Japanese music wave(USC Annenberg Media / 2026-05-26)

Zipangu sits at the forefront of Japanese music and culture expansion across the U.S. and redefines what is possible for Japanese artists, demonstrating the power music has to transcend borders and cultures.

USC Annenberg Mediaは、Zipanguを「日本の音楽と文化が米国で広がっていく最前線」と位置づけ、日本人アーティストにできることの幅を広げたイベントだと書いた。執筆はAaron OgawaとJasmine Yingの2人で、ステージ写真と来場者インタビューを多数掲載している。米国の大学系メディアが日本のポップカルチャー祭を正面から扱った事例として、海外側の受け入れ層が学生世代まで届いていることが読み取れる。

🔥 HANA・10-FEET・CHANMINAは米国デビュー、Adoは『KIRA』を世界初披露

このイベントには複数の「初」が並んだ。Annenberg Mediaによると、HANA、10-FEET、CHANMINAの3組はいずれもこの日が米国でのライブ初出演。Adoは英語で長めにMCを入れ、ラストブロックでサッカー日本代表2026年版ユニフォームの公式ソング『KIRA』を生で初めて歌った。CHANMINAは『推しの子』タイアップ曲『TEST ME』、MAN WITH A MISSIONは『鬼滅の刃』タイアップ曲『絆ノ奇跡』を披露しており、アニメ起点のファンも取り込んだセットリストになっていた。

来場者コメントの偏りも面白い。アリゾナから来たAndrea Vasquezは「ここ(アリゾナ)にはこのシーンがほぼないから、同じ趣味の人に会えるのがうれしい」と話し、フードの感想として「普通のフェスってピザばかり。ここはたこ焼きと焼きそばがあって衝撃だった」と続けた。日本側からの来場者もいて、神奈川出身のDaudl Takashimaは「地元の味がここで食べられるのがいい」とのこと。

🇯🇵 Goldenvoice運営×City Pop再評価、日本人アーティストの米メジャー会場時代に

主催のGoldenvoiceはCoachellaやStagecoachを仕切る米国大手プロモーター、共催のCLOUD NINEはK-POP系イベントの米国実績で知られる。日本側のフェスをK-POPと同じ運営インフラが組み立てた時点で、ビジネスとしての本気度がうかがえる。流れの前段として、近年のMasayoshi Takanaka(高中正義)やTaeko Onuki(大貫妙子)の米国初公演、2025年のmatsuri’25、ennichi’25 など、City Pop再評価のラインに沿ったイベントが連続していた。ZipanguはそれがついにRose Bowl級の大箱に届いた地点になる。

2025年から2026年にかけては、Ado、ATARASHII GAKKO!、Fujii Kaze、Number_i、Mrs. GREEN APPLEが北米でアリーナ規模の単独公演や大型フェス出演を発表している。YOASOBIも8月16日にHollywood Bowl(約2万席)で北米ツアー最終公演を控える。日本のアーティストが米国で「単独でメジャー会場を埋める」段階に来ていて、Zipanguはそれを8組まとめて1ステージに乗せた格好になっている。

🏁 Adoの「想像できなかった未来」、米国における日本音楽祭の到達点

Adoはセット終盤のMCで、こう話した。「今日、こんなに多くの日本人アーティストがロサンゼルスに音楽を持ち込み、力強いパフォーマンスであなたたちの心に触れる姿を見るのは、本当に圧倒される。日本人として、こんな未来は想像もできなかった。今日、出演者の一人としてここに立てていることが、とてもうれしい」。グッズ販売の2時間待ち行列や初開催ゆえの運営の粗さなど課題は残るが、米国における日本音楽の主催・出演・観客のすべてが揃う規模に届いたという1点で、Zipanguは2026年時点の到達点を一つ刻んだ。