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【アメリカ】ポケモンカード30周年、史上初の世界同時発売。徹夜行列でも完売し、日本の買取は定価の2.4倍

編集部
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight
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【アメリカ】ポケモンカード30周年、史上初の世界同時発売。徹夜行列でも完売し、日本の買取は定価の2.4倍

3行サマリー

  • ポケモンカードゲーム「30th CELEBRATION」が2026年9月16日に発売。公式サイトは、これがポケモンカード史上はじめての世界同時発売だと明記しています
  • 発売当日、イギリスでは店舗前で夜を明かす行列ができ、アメリカのTargetでも80人が並んだ末に即完売したとNintendo Lifeが報じています
  • 日本でも定価7,200円(税込)のBOXが初日に中央値1万7,000円で買い取られており(トレゲト調べ)、同時発売になっても定価で買えない状況は日米で共通しています

ポケモンカード30周年セット、9月16日に世界同時発売。公式が「史上初」と明記

株式会社ポケモンとThe Pokémon Company Internationalが展開するポケモンカードゲームの30周年記念商品「30th CELEBRATION」が、2026年9月16日に発売されました。話題になったのは中身よりも売り方です。この拡張は、日本語版と英語版をはじめとする各言語版を世界各地で同じ日に出す、ポケモンカードとしてはじめての試みでした。

これまでは、日本で先に出たカードが数か月遅れて英語版になるのが通例でした。その時間差が、日本から海外への転売や、海外のコレクターが日本版を高値で追いかける動きを生んできました。世界同時発売は、その時間差そのものを消しにいく施策です。

公式サイトは「世界中のファンが同じタイミングで集められるように」と説明

出典Get Ready for Pokémon TCG: 30th Celebration(Pokemon.com / 2026年9月)

出典“Scalpers Are Killing The Hobby For Everyone” – Pokémon TCG’s 30th Celebration Isn’t Going As Planned(Nintendo Life / 2026年9月16日)

This expansion will be the first to have a simultaneous global release, allowing fans across the world to enjoy collecting new cards at the same time.

(この拡張は世界同時発売となる最初の弾であり、世界中のファンが同じタイミングで新しいカードを集められるようになります)

「最初の弾」と公式が自分から書いている点に、私は目を留めました。記念商品だけの特別対応ではなく、これから標準になりうる売り方の試験でもある、という含みがあります。

イギリスでは数千人が夜通し並び、アメリカのTargetは80人並んでも完売

ところが発売当日に世界各地で起きたのは、「同時に買える」ではなく「同時に買えない」でした。Nintendo Lifeは、イギリスで数千人規模のファンが気温の下がるなか店舗前で一夜を過ごし、アメリカでは大手小売チェーンのTargetに80人の行列ができ、1人1点という厳しい購入制限を敷いてもなお在庫が尽きたと報じています。同じ記事には、Best Buyで開店3時間前から並んで3番目だった人ですら買えなかった例も出てきます。

ポケモン情報サイトSerebii.netを運営するJoe Merrick氏は、オンライン販売について「商品が並んでから1分後、決済している最中に在庫切れになった」とコメントしています。一般ユーザーの体感ではなく、長年この分野を追ってきた運営者の観測としてNintendo Lifeが引用したものです。

転売価格はエリートトレーナーボックスで定価の約2.5倍、目玉カードは1,000ドル超

二次流通の数字も出ています。Screen Rantは、定価49.99ドルのエリートトレーナーボックスが120ドル前後で取引され、目玉カードであるミュウexの新レアリティ版には1,000ドルを超える出品が現れたと伝えています。メキシコでは関連商品のエリートトレーナーボックスが175ドルで売られている例も報告されました。

同記事が拾った海外ファンの声には、「転売価格で買わない限り、30周年のグッズには何ひとつ手が届かない」という趣旨の嘆きが並びます。SNS上でも、買えた人の報告より、買えなかった人の落胆と転売への怒りのほうが目立つ状態が続いています。個々の投稿は匿名のものが多いため一つひとつを根拠にはできませんが、こうした受け止めが主流になっていることは複数の媒体が一致して伝えています。

さらに、ポケモンセンターオンラインが注文を大量にキャンセルしたという報告も相次ぎました。転売業者のボット対策とみられていますが、一般のコレクターの注文まで巻き込まれたという声が複数上がっています。キャンセル件数の内訳について、運営側は公表していません。

日本は抽選制で緩衝、それでもBOX買取は初日に定価の2.4倍

では日本はどうだったか。主要な販路が抽選販売中心だったこともあり、海外のような徹夜の行列は限定的でした。ただし価格の動きは同じ方向を向いています。

買取比較サービスのトレゲトがPR TIMESで公表したデータによると、発売初日の午前8時53分時点で、BOX(20パック入り・定価7,200円/税込)の買取価格は7,200円から22,000円に分布し、中央値は17,000円でした。午後5時には最低価格が16,500円まで切り上がっています。定価のおよそ2.4倍です。

ここで私が引っかかったのは、発売前の予想のほうが高かったことでした。同じ調査では回答者1,278人のうち74.6%が「30,000円を超える」と見込んでいましたが、実際の最高買取は22,000円どまり。世界同時発売によって日本版だけが希少になる構図が崩れ、相場の天井が予想より低く抑えられた可能性があります。裏を返せば、同時発売は価格の暴走をいくらか抑えた一方で、定価で買えるかどうかにはまったく効かなかったということです。

世界同時発売は価格差を消したが、在庫の絶対量は増えていない

今回はっきりしたのは、発売日をそろえて解決するのは「地域間の時間差と情報格差」だけで、「需要に対して商品が足りない」という根っこの問題はそのまま残るということです。日本のファンは抽選に外れ、アメリカとイギリスのファンは行列に並んで買えなかった。困り方の形は違っても、定価で手に入らないという結論は同じでした。

北米では10月2日、10月30日、11月6日に追加の出荷が予定されています。ここで供給が追いつくのか、それとも同じ光景が繰り返されるのか。世界同時発売という方式そのものの評価は、そこで決まります。30周年の本番は、むしろ発売日のあとに来るのだと受け止めました。

なお、本記事に記した販売現場の状況と二次流通価格は各媒体の報道および調査会社の公表データに基づくもので、株式会社ポケモンおよびThe Pokémon Company Internationalが公式に発表した数値ではありません。

編集部
Velleity Note 編集部 ・ Overseas Reception, Read Straight

日本のアニメ・ゲーム・音楽・カルチャーが海外でどう受け止められたかを、賛否そのままに、現地語の一次ソースで確かめてから日本語にしています。褒めるだけの国内報道とは違う角度で。続報があれば更新日を明記して追記します。