【アメリカ】ドコモの英語マンガ配信「MANGA MIRAI」、1年9か月で終了。買った作品は10月1日までに手続きしないと読めなくなる
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3行サマリー
- NTTドコモが8月20日、米国向けの英語マンガ配信「MANGA MIRAI」を2026年12月16日16時59分(日本時間)で終えると発表しました。2025年3月の開始から1年9か月です
- 新規会員登録と作品の購入、アプリでの閲覧は8月20日11時(日本時間)にすでに止まりました。2,400タイトル・28,000冊以上をそろえていましたが、終了の理由として書かれたのは「現在の事業環境に鑑み」の一言だけです
- 購入済みの有料作品はNTTソルマーレの「MangaPlaza」へ引き継げます。ただし10月1日15時59分(日本時間)までに同じメールアドレスでアカウントを作る必要があり、無料で手に入れた作品と一部の有料作品は移行の対象外です
ドコモの英語マンガ配信が12月16日で終了。2,400タイトルの売り場が1年9か月で消える
NTTドコモが8月20日、米国で運営してきた電子コミック配信サービス「MANGA MIRAI(マンガミライ)」を終えると発表しました。終了は2026年12月16日16時59分(日本時間)。米国太平洋時間では12月15日23時59分にあたります。
MANGA MIRAIは、英語に翻訳された日本のマンガを米国の読者に売るサービスでした。開始は2025年3月。発表時点で2,400タイトル、28,000冊以上をそろえています。日本からはアクセスできない設計で、国内の読者の目には最初から入らない売り場でした。
閉じ方が急でした。新規会員登録、作品の新規購入、アプリの提供、アプリでの閲覧は、発表と同じ8月20日11時(日本時間)にすべて止まっています。12月16日までにできるのは、購入済みの作品をウェブサイトで読むことだけ。買い足すことはもうできません。
終了の理由として発表文に書かれたのは「現在の事業環境に鑑み」の一言だけ
出典:電子コミック配信サービス「MANGA MIRAI」のサービス提供を終了し、「MangaPlaza」へ購入済み作品を移行(NTTドコモ 報道発表資料 / 2026年8月20日)
出典:Manga Mirai Service Ending and Series Head to MangaPlaza(Siliconera / 2026年8月20日)
2025年3月から提供を開始し、2,400タイトル、28,000冊以上の日本のマンガ作品を提供しておりましたが、現在の事業環境に鑑み、提供を終了します。
ドコモの発表文で理由に触れているのは、この一文だけです。会員数も売上も、どのタイトルがよく読まれたかも公表されていません。1年9か月かけて2,400タイトルを英訳して並べた事業の幕引きとしては、ずいぶん短い説明だと感じました。
移行の期限は10月1日15時59分。18歳未満の利用者は規約上そもそも引き継げない
購入済みの有料作品は、NTTソルマーレが運営する米国向けサービス「MangaPlaza」へ移せます。NTTソルマーレは大阪・淀屋橋に本社を置く2002年営業開始の電子書籍会社で、ドコモと同じNTTグループです。米国の売り場をグループ内で1つに寄せた形になります。
ただし条件が細かい。引き継ぐには、2026年10月1日15時59分(日本時間)までに、MANGA MIRAIに登録したのと同じメールアドレスでMangaPlazaのアカウントを作る必要があります。この手続きを忘れると、12月16日以降は買った作品を開けなくなります。
移行できない作品もあります。無料で入手した作品、キャンペーンなどで0ドルで購入した作品、そして一部の有料作品は対象外です。どの有料作品が対象外になるのかは、2026年10月中旬ごろにMANGA MIRAIのサービスサイトで案内される予定で、現時点ではまだ分かりません。
いちばん引っかかったのはここです。MangaPlazaの利用規約では18歳未満はアカウントを作れないため、2026年10月1日時点で18歳未満の利用者は、購入済み作品を引き継げません。マンガの読者に10代が多いことを考えると、対象になる人は少なくないはずです。ドコモは、対象外の作品を持つ人、18歳未満の人、移行を望まない人には、返金の方法を登録メールアドレス宛に別途案内するとしています。移行を望まない場合の申し出も、期限は同じ10月1日15時59分です。
米メディアは「理由の説明がないまま、購入だけが即日止まった」と書いた
米国のゲーム・アニメ系メディアSiliconeraで、編集長のジェニー・ラダ氏がこの発表を取り上げています。
NTT Group didn’t note why the NTT Docomo’s Manga Mirai service is ending.
(訳:NTTグループは、ドコモのMANGA MIRAIをなぜ終えるのかを説明していない)
同記事は続けて、説明のないまま購入と会員登録だけが即座に止まったこと、返金は保証されておらず条件しだいであることを指摘しています。16歳から18歳未満の利用者は返金の対象になりうるという整理も添えていました。海外向けのアニメ・マンガニュースを扱うAnime Cornerも同じ8月20日に報じていて、こちらは移行できない作品の一覧が10月中旬に出る点と、米国太平洋時間9月30日という期限を強調しています。
どちらの記事にも、事業としての評価や惜しむ言葉はほとんどありません。読者が困る手続きの話だけが淡々と並んでいる。それが現地での受け止め方の温度だと読みました。
北米で日本のマンガを買える正規の売り場が、2日続けて減った
この発表の前日にあたる8月19日、ソニー傘下のCrunchyrollが通販サイトから日本のマンガとライトノベルを外したことをお伝えしました(ソニーのクランチロール、通販から日本の漫画とライトノベルが全部消えた)。2日続けて、北米で日本のマンガを正規に買える場所が減ったことになります。
ドコモにとってMANGA MIRAIは、国内のdブックやdアニメストアで積んだ電子コンテンツの経験を、そのまま海外市場へ持ち込む試みでした。北米のマンガ市場は伸びていると言われ続けてきましたし、実際にVIZ MediaやKodansha USAの英語版は書店で棚を広げています。それでも、日本の通信会社が自社ブランドで英語のマンガを売る形は1年9か月で終わりました。棚を用意しても、読者がそこに来る理由までは作れなかった。そういうことなのだと思います。
日本の読者にとっても他人事ではない部分があります。電子書籍で「買った」ものは、実際にはそのサービスで読む権利です。サービスが終われば、同じグループ内へ移せるかどうか、移せるとしても全部かどうかは、運営の判断と規約しだい。今回はグループ会社が受け皿になった分まだ穏当なほうで、それでも無料入手分と一部の有料作品、そして18歳未満の利用者はこぼれ落ちます。
「買った」と「読める」は同じ意味ではない。期限つきでそれを思い出させる終わり方だった
MANGA MIRAIを使っていた人がいま確かめるべきことは1つで、10月1日15時59分(日本時間)までに、同じメールアドレスでMangaPlazaのアカウントを作ったかどうかです。それだけで、少なくとも移行対象の作品は手元に残ります。
10月中旬に出るという移行対象外の一覧は、続けて追いかけます。そこに人気作が並ぶのか、それとも本当に一部の作品だけなのかで、この幕引きの評価は変わってくるはずです。
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