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【アメリカ】呪術廻戦などの戦闘作画は「見づらい」。海外Redditで1000票超の議論、カグラバチ制作陣は「カメラ固定」を宣言

吉沢まこと
Velleity Note 編集長
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【アメリカ】呪術廻戦などの戦闘作画は「見づらい」。海外Redditで1000票超の議論、カグラバチ制作陣は「カメラ固定」を宣言

3行サマリー

  • 海外アニメ掲示板Reddit「r/anime」で、呪術廻戦・ONE PIECE・Re:ゼロの戦闘作画を「派手だが見づらい」と問う投稿が1,042票・517コメントを集めました(10月9日13時時点)
  • 最も支持されたコメント(1,175票)は、2027年4月放送予定のTVアニメ『カグラバチ』が「見やすい戦闘」を目指していると指摘
  • 実際に同作のアニメーションプロデューサー溝口侃さんは8月2日のOtakonで「カメラを固定したまま」動きのかっこよさを追求すると語っていました

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呪術廻戦やONE PIECEの戦闘作画に「見づらい」の声、Redditで1,000票超

海外のアニメファンのあいだで、最近の戦闘シーンは「すごいけれど、何が起きているのか追えない」という議論が広がっています。英語圏最大級のアニメ掲示板であるRedditの「r/anime」に日本時間10月9日0時18分に投稿されたスレッドは、同日13時時点で1,042票、517件のコメントを集めました。

投稿者は呪術廻戦、ONE PIECE、Re:ゼロから始める異世界生活の戦闘カットをつないだ動画を添え、新しい世代のアニメーターが「読みやすさより見せ場(スペクタクル)を優先している」と問題提起しています。作画ファンのコミュニティに批判すると「見る側の腕の問題だ」と返される、という不満も書き添えていました。

Reddit「r/anime」とOtakon公式レポートが示した、海外ファンと制作陣の論点

出典:More and more new gen anime/animators are now prioritising spectacle over readability for their fights(Reddit r/anime / 2026年10月9日・日本時間)

出典:【2026.08.02開催】Otakon(TVアニメ「カグラバチ」公式サイト / 2026年8月2日開催)

最近のアクションアニメは、カメラを激しく動かすことで激しさを表現することが多いですが、『カグラバチ』はカメラを固定したまま、千鉱たちの動き、刀のアクション、そして“斬る”という動きのかっこよさを追求したい

公式レポートによると、この発言は米国東海岸最大級のポップカルチャーイベント「Otakon 2026」(現地時間8月2日)のパネルで、アニメーションプロデューサーの溝口侃さんが語ったものです。会場からは驚きの声が上がったと記されています。放送時期については、米アニメーション専門誌AWNが2027年4月と報じています。

不満の中心は「カメラが止まらない」こと、上位コメントが挙げた3つの論点

上位コメントを読むと、海外ファンが嫌っているのは作画の量や派手さそのものではなく、カメラが動き続けて位置関係が分からなくなることだと分かります。

  • 1,091票:呪術廻戦2期の渋谷事変は戦闘の連続なのに、一番よかったのは「トイレでの素手の殴り合い」だった、という指摘。理由は「何が起きているか分かるから」。ハリウッド映画で手持ちカメラの揺れが流行した時期になぞらえる声もありました
  • 325票:「カメラが常に動いている必要はない」。2秒止めるだけで見やすくなるのに、手間ばかりかかって効果に見合わない、という制作コストの視点
  • 43票:1つのシーンを10人以上のアニメーターが分担すると流れが途切れる、という制作体制の指摘。一人で描き切ったカットの例として進撃の巨人の初期シーズンが挙がっていました

新世代だけの問題ではない、という声もあります。502票を集めたコメントは、ベテランの中村豊さんが手がけた僕のヒーローアカデミア劇場版の一部を例に「読みやすさを戻してほしい」と書いていました。反対に、葬送のフリーレン1期のリュグナー戦を「見せ場と見やすさを両立した例」に挙げるコメント(207票)もあり、全面的な作画批判ではないことがうかがえます。

なぜ今この議論が起きたのか、配信で「止めて見返す」視聴が当たり前になった

背景には、海外ファンの見方の変化があると私は受け止めました。配信で見る海外ファンは、気になるカットを一時停止し、切り抜き動画で何度も見返します。だからこそ「何度見ても位置関係が分からない」ことが、テレビ放送の時代より目立ちやすくなっています。BLEACH千年血戦篇の一護対ユーハバッハを「何度も見返してやっと分かった」と書いたコメント(142票)は、その典型でしょう。

もう一段掘ると、作画ファンの文化が海外で大きくなったことも関係しています。個々のアニメーターの名前で作画を語る楽しみ方が広がり、名前の知られた人の見せ場ほど話題になりやすくなりました。今回の投稿者が不満を向けたのは作画そのものより、その評価軸が「物語の中で戦闘が分かるか」より優先されているように見える点でした。

日本の制作現場には『カグラバチ』が一つの答えを先に出していた

日本側から見て興味深いのは、海外ファンの不満に、日本の制作陣が放送前から一つの答えを出していたことです。Redditの最上位コメントは「『カグラバチ』の監督が見やすい戦闘を目指すと語っていた」と書いていますが、公式レポートでその方針を語っているのはアニメーションプロデューサーの溝口侃さんでした。監督は、NARUTOのロック・リー対我愛羅戦で知られる竹内哲也さんです。

『カグラバチ』は週刊少年ジャンプの連載で、連載開始のころから海外のSNSで先に話題になった作品です。その制作陣が米国のイベントで「カメラを固定する」と宣言したことは、海外の視聴者が何を求めているかを意識した発信だと私は読みました。2027年4月の放送は、カメラワークをめぐるこの議論への一つの検証になりそうです。

見せ場と見やすさは両立できる、海外ファンが求めているのは「分かる戦闘」

スレッド全体を通して印象的だったのは、「派手さか、見やすさか」の二択ではないという意見が支持を集めていたことです。前衛的で格好いい演出と、目で追える振り付けは両立できる。ただ、両方やるほうがずっと難しい。54票のコメントはそう整理していました。

個人的には、海外ファンの声は「作画が過剰だ」という批判ではなく、「戦闘の中身まで届けてほしい」という注文だと感じます。日本のアニメの戦闘シーンが海外でここまで細かく見られていること自体、作品への期待の大きさの表れでもありますね。

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吉沢まこと
Velleity Note 編集長(EIC)・エディトリアルディレクター

Webデザイナー、雑誌出版社のWebディレクター、コンテンツマーケター、Web広告プランナーを経て、現在は愛知県の業界No.1企業のインハウスのAIプロダクトマネージャー兼データサイエンティスト。Velleity Noteでは編集長としてメディアの編集方針を定めるとともに、AIとの共著で記事を制作する自動化ワークフローの設計とシステム開発を手がけている。