📊 3行サマリー

  • 『鬼滅の刃 無限城』ドイツ公開は2025年9月25日。8カ月超経った2026年6月時点でも、UCI Kinowelt・Cinemaxx・Cinestarで上映が続いている
  • 世界興行5億8,300万ユーロ超を記録した一方で、Sony Pictures Internationalとufotableは公式X(@DemonSlayerUSA)で「2026年も劇場のみ」と発表
  • Crunchyroll独語版での配信は2027年以降にずれ込む見込み。北米では既に上映を打ち切った劇場が多いのに対し、ドイツは現在も上映継続中

🎬 ドイツ公開から8カ月超、いまだ主要シネコンで上映中

『鬼滅の刃 無限城』のドイツ公開は2025年9月25日。初週末で約60万人を動員し、約700万ユーロでドイツ興行ランキング1位に立った。注目は初動ではなく、そこからの粘りだ。半年以上経った2026年6月時点でも、UCI Kinowelt、Cinemaxx、Cinestarといった主要シネコンで上映が続いている。日本語字幕版・独語吹替版・英語吹替版の3バージョンが並行で回り続けているのが現在のドイツ国内の状況。アニメ映画でここまで劇場ウィンドウが延びるのは珍しい。

📰 GamePro報道:公式Xの一文に「タイポでは?」と疑う声

元ネタDas muss ein Tippfehler sein: Demon Slayer-Streaming bleibt für 2026 aus(GamePro / 2025年11月6日)

Der offizielle Demon Slayer-Account veröffentlichte auf der X-Plattform eine überraschende Mitteilung: Infinity Castle werde während des gesamten Jahres 2026 ausschließlich in Kinos zu sehen sein.(公式『鬼滅の刃』Xアカウントが「2026年は全期間、無限城を劇場でのみ公開する」と発表した)

GamePro記者Jusuf Hatic氏が報じたのは、公式X@DemonSlayerUSAのポストだ。Crunchyroll副社長Mitchel Berger氏が以前語っていた「2026年中の配信予定」が事実上撤回された格好になる。ドイツのコメント欄には「Das muss ein Tippfehler sein(タイポに違いない)」が並び、「2025年の残り、の意味では?」という声も。だが追加の公式コメントはなく、Crunchyroll独語版でのストリーミングは2027年以降にずれる可能性が高い。

🎞️ Sony PicturesとufotableのIMAX・4DX再投入で劇場ウィンドウを延長

背景にあるのは、配給側の劇場優先プランだ。北米では2026年3月にIMAX 1.43:1版・ScreenX 270度版・Ultra 4DX版の追加プレミアム上映が始動。日本でも2月6日にIMAX上映が再始動した。週ごとに新しいプレミアム形式が投入される構造で、独占劇場ウィンドウを長期化させるほどufotableと配給元の歩留まりが上がる。世界興行は約5億8,300万ユーロ。『君の名は。』全世界興行3.6億ドルを大きく上回る。第2部は2026年内、第3部は2027年内に控えており、第1部のストリーミング開放を遅らせることで後続作の劇場初動を守る狙いも透ける。

🇩🇪 ドイツファンの不満:Chainsaw Manとの待遇差で炎上気味

AnimeUp.deのAlfred Retelmann氏が2026年2月に書いた記事では、「Chainsaw Man Reze Arcは劇場公開後すぐストリーミングに来たのに、なぜ鬼滅だけ別なのか」というドイツ視聴者の不満が紹介されている。半年待っても自宅で観られない状況で、「ドイツのアニメファンは劇場通いを強いられる」「Crunchyrollの月額料金を払っているのに肝心の作品が観られない」という声がX、Redditに散見される。Crunchyroll独語版コミュニティは特に「配信ライセンスを持つCrunchyrollが自社プラットフォームに乗せられないのはおかしい」と批判が強め。北米では多くの劇場が既に上映を打ち切ったのに、ドイツは現在も上映継続している、という非対称性も「不公平」と受け止められている。

🇯🇵 日本との比較:自国ではBlu-ray展開済み、海外では劇場で縛る

日本では『鬼滅の刃 無限城』は2025年7月18日公開。Blu-ray・DVD・配信の段階リリースのスケジュールが既に動き始めている。一方、ドイツを含む海外市場では、ufotable/Sonyが意図的に劇場ウィンドウを延ばしている。日本コンテンツの海外展開はこれまで「日本公開→海外公開→海外配信」の順だった。『無限城』では「日本公開→海外公開→(海外配信は2年以上保留)→第2部公開」のかたちで、海外プレミアム劇場興行を取りに行く流れに切り替わった。日本のIPホルダーが海外配給で主導権を握って、現地配信プラットフォームに先回りでスケジュールを決められるようになっている。今後の日本アニメ作品の輸出モデルが少し変わるかもしれない。

🏁 第2部公開と並走する「劇場ウィンドウ最大化」モデル

『無限城』第2部は2026年内、第3部は2027年内の公開を予告済み。ドイツでの第1部劇場上映が2026年いっぱい続くなら、第2部公開と並走する形で同じ作品の章違いが同じ国で同時に観られる、という珍しい状況になる。Sony Picturesとufotableは『無限城』で、ハリウッド大作とは別軸の「劇場プレミアム上映を1年以上引っ張れる」興行モデルを実地で動かしている。Crunchyroll独語版に配信が降りてくるのは早くて2027年。第3部公開直前のタイミングだ。海外配信プラットフォームに対する日本IPの交渉力が一段上がる場面として、ドイツの状況は世界のアニメ配信業界が今後の参考にする可能性がある。



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