📊 3行サマリー
- 調査会社GEM Partnersが4月16日に「アニメグローバル白書2026」を発表。世界15カ国・15,000人にアニメの視聴行動を聞いた。
- アニメ視聴に使われたサービスは、日本と中国を除く全ての国でNetflixが1位。ドイツ・フランスなど主要9カ国中7カ国で、アニメ専門のCrunchyrollを上回った。
- 日本アニメの海外への入り口が「専門サイト」から「総合動画サービス」へ移り、日本の制作・配給の判断に影響する。
📝 日本・中国以外の全ての国でNetflixがアニメ視聴サービス首位に
「アニメを観るなら、アニメ専門のサービスで」。その常識が、ヨーロッパではもう当たり前ではなくなってきた。調査会社のGEM Partnersが2026年4月16日に発表した「アニメグローバル白書2026」によると、世界15カ国・15,000人に「アニメ視聴に使ったサービス」を聞いたところ、日本と中国を除くすべての国でNetflixが1位だった。英メディアのDexertoがこの白書を読み解いたところ、アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・ブラジルを含む主要9カ国のうち7カ国でNetflixが首位。長くアニメファンの定番とされてきた専門サービスのCrunchyrollは、その下に回っている。調査対象は132タイトル。アニメを「探しに行く」人より、「もう入っている動画サービスの中で見つける」人のほうが多い、という結果だ。
📰 Dexerto報道:主要9カ国中7カ国でNetflixがアニメ視聴の首位
元ネタ:Netflix overtakes Crunchyroll as top anime streaming platform in most countries(Dexerto / 2026年4月28日)
Netflix ranked as the top platform for anime in seven out of nine major markets, including the US, UK, Germany, France, and Brazil.
訳すと「アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・ブラジルを含む主要9カ国のうち7カ国で、Netflixがアニメ視聴の首位サービスになった」となる。元になったGEM Partnersの白書は、2020年から2025年までのアニメ視聴の変化を15カ国・15,000人規模で追ったもので、132作品を調査対象にしている。Crunchyrollは日本・中国・韓国を除く国でTOP10には入っているものの、トップではない。Prime VideoやYouTubeも多くの国で上位に並んだ。
🔍 2020→2025年で全調査国のアニメ視聴者が増加、総合サービスが受け皿になった
なぜ専門サービスが総合サービスに抜かれたのか。白書は、2020年から2025年にかけて、調査したすべての国でアニメを観る人の割合が増えたと指摘する。とくにインドと韓国の伸びが大きい。ここで効いてくるのが「新しくアニメを観始めた人は、どこで観始めるか」だ。多くの国でNetflixやPrime Videoはすでに家庭に入っている。そこにアニメの棚があれば、わざわざ別のサービスを契約しなくても観られる。Crunchyrollは作品数で勝っていて、同時配信にも強い(あるアメリカのメディアは、同社が世界のアニメの約75%を扱うと報じている)。ただ、それを観るには追加の月額契約がいる。ライトな視聴者にとっては、その一手間が壁になる。Netflixは2021年からゲームも提供し、『Cyberpunk: Edgerunners』や『Devilman Crybaby』といった独占アニメも抱える。同社は以前から、世界の加入者の半数以上がアニメを観ていると説明してきた。ジャンル別で見ると、白書では「アクションアドベンチャー」が9カ国すべてで上位に入った一方、「異世界系」が上位に来たのは日本と韓国だけだった。海外で増えているのは、まず王道作品から入るライト層。そういう入り口の構造が見えてくる。
🇯🇵 日本アニメの海外への入り口が変わり、制作側の配給判断に響く
この変化は、日本のアニメ制作会社や製作委員会にとって他人事ではない。海外にアニメを届けるとき、コアなファンが集まる専門サービスに出すのか、加入者の多いNetflixに出すのか。その判断の重みが変わってくる。Netflixは独占配信と引き換えに制作費を出すこともあり、リーチも大きい。一方で専門サービスは、熱量の高いファンや旧作・ニッチ作品の受け皿になってきた。海外の入り口がNetflix中心になると、「アニメを探しに来た人」より「並んでいたから観た人」が増える。裾野が広がるという意味では、日本アニメの輸出にとってプラスだ。だが、専門サービスの存在感が落ちれば、話題作以外の旧作やマイナー作品が海外の視聴者の目に触れる機会は減りかねない。広く浅く届くルートと、深く届くルート。日本側はこの2つをどう使い分けるかを、これまで以上に意識して決める必要がある。
🏁 品揃えの多さより、Netflixの「すでに入っている」強さが勝った
つまり、ヨーロッパでアニメは「専門の場所へ行って観るもの」から「もう契約している動画サービスの中の1ジャンル」に変わった。作品数だけならCrunchyrollのほうが多い。それでも、追加で契約する手間と費用が、ライト層には超えにくい壁になる。日本アニメの海外での視聴は量として広がり続けているが、その入り口を握っているのは、日本の企業でもアニメ専門の企業でもなく、Netflixだ。次に問われるのは、日本の作り手がこの入り口とどう付き合っていくかだろう。

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