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コジマプロダクション小島監督のAI発言、海外Redditで1092票。「AI否定ではない」と本文を貼る投稿が最上位に

吉沢まこと
Velleity Note 編集長
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コジマプロダクション小島監督のAI発言、海外Redditで1092票。「AI否定ではない」と本文を貼る投稿が最上位に

3行サマリー

  • コジマプロダクション設立10周年展の取材会(10月30日)で、小島秀夫監督が「創作は完成より途中が面白い」とAIへの懸念を語りました
  • 英語圏ではAUTOMATON WESTが11月4日に報じ、Redditの大手ゲーム板r/Gamesでは1092票・コメント197件を集めました(11月8日時点)
  • 最も支持されたコメントは記事本文を丸ごと貼り「監督はAIを全面否定していない」と指摘するもので、見出しだけの受け止めとのずれが議論の中心になりました

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小島監督、コジマプロダクション10周年展の取材会で「創作は途中が面白い」と語る

コジマプロダクションの小島秀夫監督は、設立10周年を記念した展覧会のメディア向け内覧会で、AIで作業が速くなっても、ものづくりの楽しさは完成品ではなく途中の試行錯誤にあると述べました。

展覧会は「KOJIMA PRODUCTIONS 10th ANNIVERSARY EXHIBITION BEYOND THE STRAND:創造と挑戦の航路」で、会期は10月31日から12月20日まで、会場は東京の麻布台ヒルズギャラリーです。小島監督は絵やプラモデルを例に挙げ、「誰が作っても形は同じになるプラモデルでも、組み立てる途中が面白い」と説明しました。今後については「5年10年は大丈夫だと思いますが、このままAIがなんの制御もなければ」と前置きしたうえで、どうするかは若い世代が決めることだとも話しています。

このやり取りを英語で紹介した記事が海外の掲示板に流れ、日本の取材会での一言が海外ゲーマーの議論の材料になっています。

GameBusiness.jpとAUTOMATON WESTが伝えた発言の中身

出典:コジマプロダクション設立10周年―小島秀夫監督が語るAI時代の創作とスタジオの今後、ARや映像への事業展開(GameBusiness.jp / 2026年11月2日)

出典:Hideo Kojima says AI lacks what makes the creative process fun, despite its efficiency(AUTOMATON WEST / 2026年11月4日 22:00 日本時間)

例えば絵だったら『絵を描く』のは完成させるのが面白いんじゃないんですよ。途中が面白いんです

GameBusiness.jpによると、小島監督は「『クリエイティブ』と『商品』は別なんじゃないかなと」とも話し、「そこが失われるような未来にはなってほしくはないですね」と締めくくっています。

AUTOMATON WESTは同じ発言を、AIの効率の高さは認めつつも、創作の楽しさは欠けているという趣旨の見出しで紹介しました。見出しに入った英訳は「It’s not a form of creation I find particularly interesting(特に面白いと思える創作の形ではない)」です。ロシアのゲームメディアiXBT Gamesも同日に後追いで報じています。

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英語の見出しが「AI否定」に読まれ、効率化を認めた部分が抜け落ちた

海外で議論が割れた一番の理由は、英語の見出しが短く切り取られたことです。小島監督の発言は、PhotoshopやワープロからAIまでツールの進化で「効率化が捗った」と認める前置きの上に、「それでも途中の楽しさは手放したくない」と続く二段構えでした。ところが掲示板では見出しだけが流通し、「小島がAIを否定した」という受け止めが先に広がりました。

では、なぜこの切り取りがこれほど反応を呼んだのでしょうか。英語圏のゲームコミュニティでは、生成AIの導入をめぐる話題が出るたびに賛成派と反対派がぶつかります。そこへ、作家性の強さで知られる小島監督の名前が加わったことで、どちらの陣営も「自分たちの側の発言」として引用しやすい素材になりました。発言が中間的だったからこそ、両側から読まれたわけです。

r/Gamesで1092票・コメント197件、最上位は「本文を読めば全面否定ではない」

Redditの大手ゲーム板r/Gamesでは、AUTOMATON WESTの記事を紹介した投稿が11月7日21時56分(日本時間)に立ち、11月8日時点で1092票、賛成率87%、コメント197件に達しています(編集部が投稿ページで確認)。

コメント欄でとくに目立った受け止めは、次の4つです。

  • 見出しだけで語るなという指摘:最も支持を集めたコメント(135ポイント)は記事本文を丸ごと貼り付け、「監督が言っていないことを言ったとする書き込みが支持されている」と注意を促すものでした。「監督はAIを日々の作業に取り入れることには前向きだ」と補う声も続いています。
  • 創作は作り手を映すという共感:2番目に支持されたコメント(85ポイント)は、作品とその制作過程は作り手の出自や影響を映すものだとして、生成AIに対する自分の考えと同じだと書いています。
  • AI関連の投稿の伸び方への冷ややかな目:タイトルに「AI」と入るだけで上位に上がる、と板の傾向そのものを皮肉る書き込みもありました。
  • 立場の違いを指摘する声:潤沢な予算で好きなものを作れる立場だから言える、という書き込みも見られましたが、こちらは支持が伸びず評価はマイナスにとどまっています。

全体として見ると、発言そのものへの反発は少数派です。議論の中心は「監督がAIをどう見ているか」よりも、「見出しでどこまで正確に伝わるか」に移っています。

海外が受け取ったのは「AIを使うか」ではなく「楽しい工程を誰が残すか」という問い

今回の反応からは、日本のクリエイターの発言が英語圏でどう流通するかがよく見えます。日本語の取材記事では、効率化を認める前置きと懸念がひと続きで語られていました。英語の見出しになった時点で後半だけが残り、それが賛否の材料として使われました。

ただ、本文を読んだ海外ファンが最終的に支持したのは、効率化はAIに任せても、試行錯誤の楽しさは人の手に残したいという小島監督の線引きでした。10周年展は12月20日まで開かれています。AIの扱いが開発現場の当たり前になっていくなかで、日本の作り手が「どこまで任せるか」を自分の言葉で語ると、海外の読者はきちんと本文まで読みにいく。コメント欄を追っていて、そこがいちばん印象に残りました。

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吉沢まこと
Velleity Note 編集長(EIC)・エディトリアルディレクター

Webデザイナー、雑誌出版社のWebディレクター、コンテンツマーケター、Web広告プランナーを経て、現在は愛知県の業界No.1企業のインハウスのAIプロダクトマネージャー兼データサイエンティスト。Velleity Noteでは編集長としてメディアの編集方針を定めるとともに、AIとの共著で記事を制作する自動化ワークフローの設計とシステム開発を手がけている。