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【韓国】BTSに続きK-POP大手4社もグラミー賞アジア部門に応募せず、SBS報道。米津玄師ら日本勢が中心に

吉沢まこと
Velleity Note 編集長
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【韓国】BTSに続きK-POP大手4社もグラミー賞アジア部門に応募せず、SBS報道。米津玄師ら日本勢が中心に

3行サマリー

  • HYBE・YG・JYP・SMの韓国大手4社に所属するアーティストが、グラミー賞の新部門「最優秀アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンス」に応募しなかったと、韓国SBSとKorea Timesが報じた
  • BTSが7月29日に不参加を表明してから2か月半。BLACKPINK、TWICE、Stray Kids、aespaも応募リストに名前がない
  • 米津玄師やYOASOBIなど日本勢が並ぶ部門で、ノミネートは11月16日(現地時間)に発表。Redditの関連スレッドは742ポイントを集めた

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Seriesグラミー賞 アジアン・ポップ部門全4本

第69回グラミー賞で新設されたアジアン・ポップ部門をめぐる応募・存続議論・ノミネートを追う連載

  1. 2026/7/30【韓国】BTS、グラミー賞への出品をとりやめ。新設のアジア部門はJ-POPも対象だが、全米1位『SWIM』は英語のため応募できず
  2. 2026/8/18【アメリカ】グラミー賞、BTS不参加で新設アジア部門を残すか再検討。応募締切は8月21日、YOASOBIは狙うと語っていた
  3. 2026/10/11【アメリカ】米津玄師「IRIS OUT」がグラミー賞アジア部門にエントリー。YOASOBIとYOSHIKIも、投票は10月12日から
  4. 2026/10/17【韓国】BTSに続きK-POP大手4社もグラミー賞アジア部門に応募せず、SBS報道。米津玄師ら日本勢が中心に(この記事)

BTSに続き、K-POP大手4社の所属アーティストがグラミー賞アジア部門に応募しなかった

韓国の大手芸能事務所4社(HYBE、YG、JYP、SM)に所属するアーティストが、第69回グラミー賞で新設された「最優秀アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンス」部門に応募していなかったと、韓国SBSの英語版SBS StarとKorea Timesが10月16日に報じました。

両紙の情報源は、グラミー賞の分析サイト「The Grammy Guru」です。韓国時間10月15日時点の集計で、4社の所属アーティストによる応募は1件も見つからなかったとしています。グラミー賞は応募作の一覧を公式に出していないため、この情報は報道ベースです。4社はいずれも、応募しなかった理由を公式には説明していません。

K-POP業界で最も影響力のある事務所がそろって参加しなかったことで、7月にBTSが表明した不参加は、BTSだけの判断ではなく、業界全体の態度として受け止められています。

SBSとKorea Timesは「BTSのボイコットが大手事務所に広がった」と報道

出典:Korea’s Big 4 Agencies Skip Grammys’ New ‘Asian Pop’ Category(SBS Star / 2026年10月17日・日本時間)

出典:BTS’ Grammy Boycott Spreads to K-pop’s Biggest Agencies(The Korea Times / 2026年10月16日)

The decision of BTS to boycott the Grammys amid the newly introduced Asian pop category appears to have grown into an industrywide stand

(新設のアジアン・ポップ部門をめぐるBTSのグラミー賞ボイコットは、業界全体の姿勢に広がったようだ)

Korea Timesによると、BTSが所属するBIGHIT MUSICだけでなく、同じHYBE傘下のBELIFT LAB、ADOR、SOURCE MUSICの所属アーティストも応募していません。YG、JYP、SMも同様で、BLACKPINK、TWICE、Stray Kids、Hearts2Heartsの名前がリストにないと伝えています。SBS Starは、aespaも応募していないと報じました。

この部門は6月にレコーディング・アカデミーが新設を発表したものです。発表直後から韓国では「共通点のない韓国・中国・日本の音楽を地域でひとくくりにするのは西洋中心の発想だ」という批判が出ていたと、SBS Starは振り返っています。BTSは7月29日、「音楽は地域や言語で分けられるのではなく、音楽そのものとして聴かれ、愛されてほしい」として応募しないと発表しました(7月の記事)。

4社がそろって見送った背景には、BTSの表明と「アジアの言語」という応募条件がある

大手4社が足並みをそろえた理由は2つ考えられます。1つはBTSの表明です。韓国の音楽評論家イム・ジンモ氏は10月14日放送のtvN『ユ・クイズ ON THE BLOCK』の予告映像で、BTSの決定を「スリリングだった。アメリカからの独立宣言だ」と評しました。韓国で最も影響力のあるグループが「分けられること」を拒んだあとに応募すれば、ファンからは態度を変えたように見えます。

もう1つは応募条件です。この部門は「1つ以上のアジアの言語を意味のある形で使っている」ことを条件にしています。海外市場を狙うK-POPの大型曲は英語詞の比重が大きく、そもそも条件に合いにくい曲が増えています。海外のK-POPファンが集まるRedditでも「大手が出さなかったのはBTSへの連帯というより、言語の条件のほうが大きいのでは」という見方が上位に入っていました。

それでも、なぜ4社すべてなのかという疑問は残ります。過去のグラミー賞でK-POPが主要部門から遠ざけられてきた経緯は、韓国でたびたび批判されてきました。Korea Timesも、K-POPの世界的な商業規模と比べて評価が限られてきたという不満を背景に挙げています。新しい部門に応募すれば、主要部門とは別枠の扱いを受け入れたように見えてしまいます。業界全体が距離を取った一番の理由は、ここにあると私は見ています。

大手が抜けた部門の応募リスト、日本勢は米津玄師・YOASOBI・YOSHIKIら

K-POP大手が抜けたことで、この部門の顔ぶれは日本勢の比重が高くなりました。米Forbesが10月に公開した応募一覧では、米津玄師「IRIS OUT」、YOASOBI、YOSHIKI「Forever Love (Live)」がアジアン・ポップ部門に名前を連ねています(10月11日の記事)。

The Grammy Guruなどが集めた一覧を韓国の掲示板instizに転載した投稿では、日本からはさらにAKB48、f5ve、初音ミク、PSYCHIC FEVER、BE:FIRST、BABYMETAL、千葉雄喜の名前も挙がり、日本勢は計10組でした。韓国からはIVE、KiiiKiii(ともにSTARSHIPエンターテインメント所属)とLil Moshpitの3組です。ただしこの一覧は各陣営の公表や広告から集めたもので、すべての応募作を網羅したものではありません。

韓国の応募がSTARSHIPなど大手4社以外に限られたことで、日本のアーティストがこの部門の中心になりつつあります。日本語で歌うJ-POPは「アジアの言語」という条件をそのまま満たすため、K-POPが距離を置いた分、日本勢には入りやすい部門になりました。

韓国の掲示板は「チームプレー」と評価、海外のK-POPファンは「K-POP以外が受賞してほしい」

韓国のネットでは、大手4社の判断はおおむね好意的に受け止められています。韓国の掲示板theqooでは「チームプレーがうまくいった」という反応が目立ち、大手が見送るなかで応募したSTARSHIPには「空気が読めていない」と苦言が並びました。「応募の半分が日本なのはなぜ?」と、日本勢の多さに驚く声もあります(反応は翻訳サイトPannchoaによる紹介)。

同じ一覧を取り上げたinstizの投稿では、「このメンバーなら米津玄師が取りそう」という予想が出ていました。日本勢が多い理由について「目標が世界だから」と説明する書き込みもあります。

海外のK-POPファンが集まるRedditのr/kpopでは、SBS Starの記事を紹介したスレッドが10月17日午後の時点で742ポイント、140件のコメントを集めています。上位には「BTSが声を上げたあとで応募するのは印象が悪い」「ここまで来たら、K-POP以外のアーティストが受賞するのが誰にとっても一番いい」という書き込みが並びました。一方で「aespaなら有力候補になれたのに、もったいない」と惜しむ声もありました。

IVEのファンだという投稿者は「好きなグループだけど、受賞すればまた揉め事や攻撃が増えるのが目に見えている。K-POP以外が取ってほしい」と書いています。応援しているグループが受賞すると、ほかのファンダムの反発を受けかねない。この部門がK-POPファンにとってそれだけ気まずい場所になっていることがうかがえます。

11月16日のノミネート発表で、日本勢中心の初回がどう決まるかが見えてくる

次の節目は11月16日(現地時間)のノミネート発表です。会員による第1回投票は10月12日から22日まで行われています。授賞式は2027年2月7日にロサンゼルスのCrypto.com Arenaで開かれます。

レコーディング・アカデミーは、BTSの不参加を受けて部門を残すか検討し直したうえで、10月に予定どおり実施すると発表していました(8月の記事)。K-POPの大手がそろって参加しなかったため、初回のノミネートには日本勢の名前が多く並ぶ可能性が高くなっています。アジア全体の音楽を称えるはずの部門が、初回から日本勢中心の争いになりそうです。日本の音楽がこの部門でどこまで存在感を示せるのか、11月16日の発表を見届けたいと思います。

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吉沢まこと
Velleity Note 編集長(EIC)・エディトリアルディレクター

Webデザイナー、雑誌出版社のWebディレクター、コンテンツマーケター、Web広告プランナーを経て、現在は愛知県の業界No.1企業のインハウスのAIプロダクトマネージャー兼データサイエンティスト。Velleity Noteでは編集長としてメディアの編集方針を定めるとともに、AIとの共著で記事を制作する自動化ワークフローの設計とシステム開発を手がけている。