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【アメリカ】米津玄師「IRIS OUT」がグラミー賞アジア部門にエントリー。YOASOBIとYOSHIKIも、投票は10月12日から

吉沢まこと
Velleity Note 編集長
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【アメリカ】米津玄師「IRIS OUT」がグラミー賞アジア部門にエントリー。YOASOBIとYOSHIKIも、投票は10月12日から

3行サマリー

  • 米津玄師の「IRIS OUT」が、グラミー賞の新部門「最優秀アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンス」と映像作品の歌曲部門の2部門にエントリー
  • 第1回投票は10月12日から22日まで(現地時間)。ノミネートは11月16日に発表される
  • 『チェンソーマン レゼ篇』の主題歌で、Billboard Global 200では日本語曲として最高の5位。公式MVは2億3,000万回を超えた

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Seriesグラミー賞 アジアン・ポップ部門全3本

第69回グラミー賞で新設されたアジアン・ポップ部門をめぐる応募・存続議論・ノミネートを追う連載

  1. 2026/7/30【韓国】BTS、グラミー賞への出品をとりやめ。新設のアジア部門はJ-POPも対象だが、全米1位『SWIM』は英語のため応募できず
  2. 2026/8/18【アメリカ】グラミー賞、BTS不参加で新設アジア部門を残すか再検討。応募締切は8月21日、YOASOBIは狙うと語っていた
  3. 2026/10/11【アメリカ】米津玄師「IRIS OUT」がグラミー賞アジア部門にエントリー。YOASOBIとYOSHIKIも、投票は10月12日から(この記事)

米津玄師「IRIS OUT」はアジア部門と映像作品の歌曲部門の2つに名乗り

米津玄師の「IRIS OUT」が、2027年2月7日に開かれる第69回グラミー賞へエントリーしています。対象は今回新しくできた「最優秀アジアン・ポップ・ミュージック・パフォーマンス」と、映画やドラマ、ゲームのために書かれた曲を選ぶ「最優秀映像作品歌曲(Best Song Written for Visual Media)」の2部門です。

米Forbesで音楽担当のジェフ・ベンジャミン記者が、日本時間10月10日にグラミー賞の応募作をまとめた記事を公開しました。米津玄師の項目には、この2部門と「IRIS OUT」の曲名が並んでいます。

「IRIS OUT」は劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の主題歌です。世界のチャートを集計するBillboard Global 200では最高5位で、日本語曲の過去最高を更新しました(当時の記事)。公式YouTubeのMVは、10月11日朝の時点で2億3,325万回再生されています。

Forbesが公開した応募一覧、アジア部門の日本勢は米津玄師・YOASOBI・YOSHIKI

出典:2027 Grammy Nomination Submissions(Forbes / 2026年10月9日・現地時間)

出典:Grammys will keep ‘Asian Pop’ category for 2027 awards, as Stray Kids follow BTS in declining to submit music(Music Business Worldwide / 2026年10月5日)

First-round voting for the upcoming 2027 Grammy Awards opens Monday, October 12

(2027年グラミー賞の第1回投票は、10月12日の月曜日に始まる)

Forbesの一覧で、アジアン・ポップ部門に日本のアーティストとして名前があるのは3組です。

  • 米津玄師「IRIS OUT」(映像作品歌曲部門にも応募)
  • YOASOBI(ミュージック・ビデオ部門と映像作品歌曲部門にも応募。曲名は記載なし)
  • YOSHIKI「Forever Love (Live) [With Josh Groban]」(編曲部門にも応募)

YOSHIKIの「Forever Love (Live)」は、7月17日にロサンゼルスのウォルト・ディズニー・コンサートホールで録音されたライブ音源です。YOSHIKIの公式サイトによると、ジョシュ・グローバンが日本語と英語で歌っています。

応募状況を追っている米エンタメサイトのShowbiz by PSは、一覧でBE:FIRST(フロー・ミリ、ATLジェイコブとの「Bruce Wayne」)とBABYMETAL(ポリフィアとの「Sunset Kiss」)も同じ部門に応募したと伝えています。ただし、この2組はForbesの一覧には載っていません。

グラミー賞は応募作の一覧を公式には出していません。上の名前は、各陣営が公表した分と、業界誌に出た「For Your Consideration(ご検討ください)」広告から集めたものです。投票が始まる10月12日以降に、ほかの応募作が明らかになる可能性もあります。

BTSとStray Kidsが出さなかった部門で、日本勢が前に出た理由

日本勢の名前が目立つのは、K-POPの最大手2組がこの部門に作品を出さなかったからです。BTSは7月29日、「音楽は地域や言語で分けられるべきではない」として応募しないと表明しました(7月の記事)。Stray Kidsも8月21日の締め切りまでに応募していません。

反発を受けて、グラミー賞を運営するレコーディング・アカデミーは部門を残すかどうかを検討し直していました(8月の記事)。最高経営責任者(CEO)のハーヴィー・メイソンJr.は10月1日(現地時間)、予定どおり実施すると発表しています。アジアの音楽業界の関係者に話を聞いた結果、「一番大きかったのは、部門の存続を強く支持する声だった」と述べ、応募数もかなり多かったと説明しました。

もう一つの理由は応募条件です。この部門は「1つ以上のアジアの言語を意味のある形で使っている」ことを求めています。英語詞を増やしてきたK-POPの大型曲にはこれが壁になります。一方、日本語で歌う「IRIS OUT」は条件をそのまま満たします。言語の条件がK-POPを遠ざけ、日本語で歌うJ-POPには入口になった、と私は受け止めています。

海外ファンの声:チェンソーマンのRedditは高評価率99%、K-POP側は「K-POP以外が勝ってほしい」

アニメのファンは「IRIS OUT」のエントリーを素直に喜んでいます。Redditの『チェンソーマン』コミュニティでは、日本時間10月10日に立った投稿が253票、高評価率99%を集めました。一番支持されたコメント(60票)は「受賞してほしい。あの曲は傑作。米津玄師はアルバムのジャケットも自分で描いている。とんでもない才能だ」というものでした。

米津玄師のファンが集まる掲示板でも「ノミネートされれば、アニメの曲だけでなくほかの作品も知ってもらえる」という書き込みが支持を集めています。アニメから入った海外のファンが、その先の音楽活動まで見てほしいと願っているのが印象的でした。

K-POPのファンが集まる掲示板の空気は少し違います。部門の存続を伝えたスレッドは392票・273コメントで、一番支持されたコメント(853票)は「BTSの件で議論が終わらないから、K-POP以外の誰かが勝ってほしい」でした。

グラミー賞のファンが集まる掲示板では、受賞予想のスレッドに92件のコメントが付きました。「Mrs. GREEN APPLEに賭ける」という日本勢への予想がある一方、「アジアの言語をひとまとめにして比べるのは無理がある」と部門のあり方を疑う声も多く支持を集めています。

11月16日のノミネート発表で、アニメ映画の主題歌がグラミー賞に届くかが決まる

次の節目は、第1回投票が締め切られたあとの11月16日(現地時間)に行われるノミネート発表です。アジアン・ポップ部門は1年目で前例がなく、米国の業界誌の予想でも日本勢の名前が繰り返し挙がっています。

もう一つの映像作品歌曲部門は、ハリウッド映画の主題歌が強い部門です。海外のファンメディアは、日本のアニメのために書かれた曲がこの部門の候補になった例はないと指摘しています。米国でも上映された『チェンソーマン レゼ篇』の主題歌が候補に残れば、アニメ映画の音楽がグラミー賞で評価される前例になります。日本のアニメソングが海外でどこまで評価されるのか、11月16日の発表がひとつの目安になります。

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吉沢まこと
Velleity Note 編集長(EIC)・エディトリアルディレクター

Webデザイナー、雑誌出版社のWebディレクター、コンテンツマーケター、Web広告プランナーを経て、現在は愛知県の業界No.1企業のインハウスのAIプロダクトマネージャー兼データサイエンティスト。Velleity Noteでは編集長としてメディアの編集方針を定めるとともに、AIとの共著で記事を制作する自動化ワークフローの設計とシステム開発を手がけている。