【アメリカ】アリスソフト『戦国ランス』、20年前の18禁ゲームが健全版でSteamに復活。好評率95%で海外でも人気

3行サマリー
- アリスソフトが2006年に出した18禁SLG『戦国ランス』が、性描写を差し替えた一般向けの版として10月2日にSteamで配信されました。
- 10月7日時点のSteamレビューは557件で、好評率は95%。英語レビューに絞ると109件中106件が「おすすめ」です。
- レビューの過半数は中国語。日本語のレビューは27件しかなく、20年前の日本のゲームが海外のほうで盛り上がっています。
『戦国ランス』Steam版、配信5日でレビュー557件・好評率95%
アリスソフトの『戦国ランス』が、10月2日(日本時間)にSteamで配信されました。2006年に日本で発売された18禁の戦略シミュレーションで、Steam版では性描写を差し替え、一般向けのタイトルとして出し直しています。販売はKagura GamesとMangaGamerで、対応言語は英語・日本語・簡体字中国語です。
出足は好調ですね。編集部が10月7日にSteamのレビューデータを確認したところ、全言語で557件、うち529件が「おすすめ」で、好評率は95%でした。英語のレビューに絞ると109件中106件が「おすすめ」です。価格は24.99ドルで、発売記念の20%引きにより19.99ドルで売られています。
Steamのストア表記は「性的な内容は非露骨」。AUTOMATONは同時接続約2,100人と報道
出典:Sengoku Rance(Steamストアページ / 2026年10月2日配信)
出典:美少女全国統一SLG『戦国ランス』Steam版、さっそく「好評率94%」の盛り上がり(AUTOMATON / 2026年10月4日)
Sengoku Rance contains mature content, including strong language, violence, blood, use of alcohol, and non-explicit sexual content.
ストアページの成人向けコンテンツの説明は、性的な内容を「非露骨(non-explicit)」としています。AUTOMATONは10月4日の時点で、好評率94%、レビュー約350件、最大同時接続プレイヤー数約2,100人と報じました。同じ記事によると、レビューの言語は簡体字中国語が約55%、英語が21%、日本語が約5%です。
この比率は今も大きく変わっていません。10月7日の内訳は簡体字中国語303件、英語109件、日本語27件でした。日本語レビューの評価は27件中24件が「おすすめ」で、Steamの表示は「好評」にとどまります。
20年前の18禁ゲームが待たれていた理由は、2009年のファン翻訳にある
海外で『戦国ランス』が知られたきっかけは、2009年にYandere Translationsというグループが公開したファン翻訳です。英語版Wikipediaの「Rance (series)」の項目は、本作をアリスソフト史上屈指の売上作品と紹介しています。そのうえで、ファン翻訳が西洋でのシリーズ人気の起点になったと説明しています。
では、なぜ18禁ゲームが一般のゲーマーにまで広がったのか。理由はゲームの部分にあります。戦国時代の日本を模した国々を攻め落としていく陣取りと、ターン制の部隊戦闘の組み合わせが評価されました。海外のRPG愛好家が集まるコミュニティ「RPG Codex」の「歴代PC RPGトップ101」では75位に入っています(RPG Codex)。RPG Codexは、本作の順位を「Diablo」「Ultima」「The Witcher」と同じ表に並ぶ位置だと紹介しました。
正式な英語版は、2019年にMangaGamerから出ています。それでも今回のSteam版が話題になったのは、海外のPCゲーマーの大半が使うストアに、初めて正規の形で並んだからです。r/visualnovelsでは配信開始を伝えるスレッドが403票を集めました。「Steamでランスが買える日が来るとは思わなかった」というコメントが最も支持されています。
「ランスがキス魔になった」。性描写の差し替えに海外ファンが沸いた
Steam版では性的な場面がキスの場面に置き換えられました。これが海外ファンの間で一番の話題になっています。r/TwoBestFriendsPlayには「Steam版は4Kids式の検閲で、ランスを連続キス魔にした」という題のスレッドが立ち、596票、213件のコメントを集めました。4Kidsは、日本のアニメを大幅に改変して米国で放送したことで知られる会社です。
ただ、反応の多くは怒りより笑いです。r/visualnovelsでは「性的な場面は全部キスに置き換えられた。ランスは連続キス魔になった」という書き込みが44票を集めました。「原作を知っている人ほど、鈴女の場面まで差し替え版で見てほしい。制作側の苦心が伝わって笑いが止まらない」というコメントも出ています。
差し替えは、Steamの審査を通すための手段として受け止められています。最も支持されたコメント(499票)は、販売元が自社サイトで無修正に戻すパッチを配っていると説明し、「クリーン版はSteamの審査を通すためのものだろう」と書いています。実際に、Kagura Gamesは「Sengoku Rance Steam and GOG Patch v1.01」を自社サイトで無料配布しています。このパッチのページには「日本国外でのみ使用可能」と明記されています。日本向けには、Kagura Gamesの日本語サイトで「戦国ランス日本語版パッチ」が別に無料配布されています。こちらは無修正ではなく、モザイク処理の入った18禁版に戻すものです。
Steamレビューにも同じ空気が出ています。「役に立った」が最も多いレビュー(279票)は、昔のエロゲはヒロインと結ばれるまでに軍を鍛えて城を落とす必要があったと、本作の手間を冗談めかして褒めています。50時間以上遊んだという別の利用者は、本作を「庶民のためのパラドックスゲーム」と呼びました。パラドックスは、本格的な歴史戦略ゲームで知られるスウェーデンのゲーム会社です。
批判は「ランスにSteamの基準は甘くないか」と古いままのゲーム設計
好意的な声ばかりではありません。セール情報を扱うr/GameDealsでは、全年齢向けのビジュアルノベルを弾いたこともあるValveが、主人公の性暴力が物語の軸にある本作は通したと、審査基準のちぐはぐさを指摘するコメントが42票を集めました。同じ投稿者も、ゲームとしては優れた戦術シミュレーションだと認めています。
否定的なレビューは、ゲーム設計の古さを挙げています。「チュートリアルが無く、音量も調整できない。2026年にしては設定項目が少なすぎる」という声のほか、日本語の言語設定では復元パッチが動かないという報告もあります。英語の否定的レビューは109件中3件だけですが、日本語では27件中3件で、比率で見ると日本語のほうが厳しめです。
健全版とSteam外のパッチという方式が、ランスシリーズ全体の海外展開を左右する
Steam版の『戦国ランス』は、シリーズの他の作品が続く前の試金石でもあります。Noisy Pixelによると、『Rance 01 + 02』『ランス03』『ランスIV』『ランス・クエスト マグナム』『ランスIX』『ランスX』もSteamでの配信が予定されています。配信日はまだ決まっていません。
海外ファンの反応を見る限り、「健全版をSteamで売り、元に戻すパッチは自社サイトで配る」という方式は受け入れられています。性描写の差し替えでさえ、笑いの種として消化されました。2006年の日本で生まれたゲームの評価は、20年たった今、中国語圏と英語圏のプレイヤーが支えています。個人的には、検閲への不満が出てもおかしくない差し替えを、海外ファンが笑いに変えて受け止めていたことが印象的でした。
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