2026年10月6日 海外メディアとファンの愛を、脚色なしで日本語に @VelleityNote
Home/アニメ・コミックス/【アメリカ】BLEACHアニメ、海外ファンが11時間49分を削った再編集版。Redditで3,600票、原作にないフィラー回は全366話の45%

【アメリカ】BLEACHアニメ、海外ファンが11時間49分を削った再編集版。Redditで3,600票、原作にないフィラー回は全366話の45%

吉沢まこと
Velleity Note 編集長
公開
最終更新
現地の一次ソースで確認 約5分で読めます

3行サマリー

  • 海外のファンチーム「Concentrated Bleach」がアニメ『BLEACH』を再編集し、制作チームの集計で11時間49分21秒(全体の29.42%)を削除した。
  • 紹介動画は9月27日未明(日本時間)にRedditのr/animeへ投稿され、13時時点で3,604票・コメント357件を集めている。
  • 『BLEACH』は全366話のうち163話がフィラーで、比率は45%。日本語圏の大手アニメメディアは、この再編集版をまだ報じていない。

広告

海外ファンの再編集版『Concentrated Bleach』、Redditで3,604票を集める

アニメ『BLEACH』から原作にない展開や間延びした場面を削り落とした海外ファンの再編集版が、英語圏の掲示板で大きな反響を呼んでいます。

プロジェクトの名前は「Concentrated Bleach」。X(旧Twitter)のアカウント@BleachPacedが2024年4月から公開しているファンメイドの編集版で、原作漫画の流れに沿うようにテレビシリーズを組み直しています。制作チームが公開した集計表によれば、元の尺40時間11分08秒に対して編集後は28時間21分47秒。差し引き11時間49分21秒、率にして29.42%が削られた計算になります。

この編集版を紹介する74秒の動画が、9月27日未明(日本時間)にRedditのアニメ板r/animeへ投稿されました。27日13時時点で3,604票、支持率95%、コメントは357件。投稿者は編集チームではなく、編集版を見た一般のユーザーです。

制作チームの集計は「11時間49分」、Redditの投稿は「12時間超」

出典:No more filler characters, bad pacing, and unnecessary padding! [BLEACH](Reddit r/anime / 2026年9月27日)

出典:Concentrated Bleach 公式アカウントの集計表(@BleachPaced / 2026年9月27日)

Credit to @BleachPaced whose team is already up to the middle of the Arrancar Saga. Over 12 hours of filler, padding, and bad pacing removed.

ここで数字がひとつずれています。Redditの投稿文は「12時間超を削除」と書いていますが、制作チーム自身が同じ日に公開した集計表の値は11時間49分21秒です。上振れした数字のほうが拡散している形です。細かい差ではありますが、ここは作り手自身が出した数字を採りたいと思います。

もうひとつ、押さえておきたい前提があります。この編集版はまだ完成していません。チームの視聴ガイドによれば、現時点で対応しているのは死神代行編から破面編の前半まで。破面編では19話分を13カ月かけて仕上げており、公開ペースは月1本をわずかに上回る程度です。完結までにはまだ相当の時間がかかります。

全366話のうち163話がフィラー。原作を追い抜いたアニメが抱えた構造

これだけの分量を削れる背景には、2000年代のテレビアニメが抱えた構造的な事情があります。

アニメのフィラー回を集計しているデータベースanimefillerlistによると、2004年から2012年まで放送された『BLEACH』は全366話のうち原作準拠が203話、原作とオリジナルの混在が32話、完全なオリジナルが131話。オリジナル要素を含む回は合わせて163話で、比率は45%にのぼります。原作の連載に追いついてしまわないよう、アニメ側が話数を埋めた結果です。当時の長期連載作品では珍しくない作り方でした。

ただし「163話をまるごと削除した」という説明は正確ではありません。163話のうち32話は原作の内容が混ざっているため、単純に抜くと話がつながらなくなります。Concentrated Bleachが手間をかけているのはまさにこの部分で、回をまたいで必要な場面だけを残し、つなぎ直す作業が中心になっています。2026年9月22日に公開された最新版CB56では、元の163話から165話にあたる部分を25分44秒(43%)短縮したと報告されています。

英語圏の受け止めも、この構造への不満に集中しました。最も支持を集めたコメント(1,260票)は「オリジナル回の中にオリジナルの回想が入っていた」と当時の作りを振り返っています。988票を集めたコメントは、『ONE PIECE』の同種のファン編集企画になぞらえて「ONE PaceのBLEACH版か」と反応しました。実際に視聴したユーザーからは「編集の質が高い。ONE Pace並みだ」という書き込みもあり、次はNARUTOを同じ水準で編集してほしいという声が続いています。

反応は掲示板だけではありません。登録者31万1,000人のアニメ系YouTubeチャンネルDBZimranが8月26日(日本時間)に公開した紹介動画は、8万9,401回再生・3,033件の高評価を記録しています。制作チーム自身のX投稿も、9月8日のCB55告知が33万3,063回表示・5,152件の「いいね」を集めました。

日本語圏では報じられず、集英社・ぴえろからの反応も確認できない

これだけ数字が動いている一方で、日本語圏でこの動きを扱った報道は見当たりません。英語圏でも、ANNをはじめとする大手アニメメディアは記事にしていない状況です。

権利者側の反応も確認できていません。原作を出版する集英社、アニメを制作したスタジオぴえろ、北米で権利を扱うVizのいずれからも、この編集版に関する公式なコメントや削除要請は見つかりませんでした。何らかの対応が取られていないと断定できる材料はなく、現時点で公表された見解が確認できない、というのが正確なところです。

整理すると、日本発の作品が海外で受容され続ける形が変わってきている、ということだと考えています。放送から14年が経った作品に対して、海外のファンが無償で数百時間を投じ、視聴体験を作り直して寿命を延ばしている。権利の観点では明確にグレーな行為ですが、結果として新規の視聴者が入りやすい入口ができあがっています。作品の海外での持続力が、権利者の施策ではなくファンの手作業に支えられている部分がある、という点は日本側から見ておく価値があります。

2000年代の長期アニメを、ファンが手作業で作り直す流れ

Concentrated Bleachが示したのは、原作に追いつかないための引き延ばしが、20年後に海外ファンの作業で巻き戻されているという事実です。

削られた11時間49分21秒は制作チームの自己申告であり、Redditで広まった「12時間超」はそれより大きい数字でした。編集版そのものも破面編の途中までで、完成は先の話です。それでも3,604票と357件のコメント、8万9,401回再生という反応は、長さそのものが視聴の障害になっていたことを示しています。同じ手法でNARUTOを求める声が出ている点も含めて、2000年代の長期シリーズをどう海外の新規視聴者に届けるかという課題が、ファンの側から提示された形になりました。

広告

吉沢まこと
Velleity Note 編集長(EIC)・エディトリアルディレクター

Webデザイナー、雑誌出版社のWebディレクター、コンテンツマーケター、Web広告プランナーを経て、現在は愛知県の業界No.1企業のインハウスのAIプロダクトマネージャー兼データサイエンティスト。Velleity Noteでは編集長としてメディアの編集方針を定めるとともに、AIとの共著で記事を制作する自動化ワークフローの設計とシステム開発を手がけている。